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第20回 | 「離婚」を乗り切るための方法

実はメリットも多い? 増加傾向にある「離婚後同居」の実態

近頃、増えてきているといわれる「離婚後同居」。結婚しながら別居している夫婦もいるように、離婚をした後に同居を続けている夫婦もいるという。離婚後同居の形態や利点、注意点などを「丸の内ソレイユ法律事務所」代表で離婚問題に詳しい中里妃沙子弁護士に聞いた。

■今回のアドバイザー
「丸の内ソレイユ法律事務所」代表
中里妃沙子さん

東北大学法学部卒業後、南カリフォルニア大学ロースクールLLMコース(法学修士)卒業。2009年に「丸の内ソレイユ法律事務所」を開設。日本全国から年間600件以上の問い合わせが寄せられ、とくに離婚に悩む相談者の再出発を手助けしている。著書に『なぜ男は妻よりも美しくない女性と浮気をするのか?』(宝島社)『女性弁護士がわかりやすく書いた!離婚したいと思ったら読む本』(自由国民社)など多数。

「単なる同居」と「事実婚」の2種類がある離婚後同居

離婚後同居とは、そもそもどのようなものなのか、中里さんに詳しく教えてもらった。

中里さん「離婚したからといって、必ず別に住まなければならないという決まりはありません。離婚後同居とは、文字通り、離婚をした後でも別居せずに前の夫とこれまで通り一緒に住むことを指す言葉です。

離婚後同居には、純然たる同居と事実婚の2パターンが考えられますが、同居人と実質的な夫婦とでは財産分与や扶養義務などの点で明確な違いがあります。これらの境目は、当事者たちは曖昧にしがちなポイントなのですが、本来であれば明確に区別しなければならない問題といえるでしょう」

感情的になって離婚した場合でも、同居を続けることで復縁の可能性も

では、離婚後同居をすることでどのようなメリットがあるのだろうか。

中里さん「離婚後に別居することにより生じる問題としては、家賃や新しい住居の調整が考えられます。子どもがいる場合には、さらに転校の問題なども考えられます。

しかし、離婚後同居を選べば、これらの負担を軽減できます。また、妻との間で精神的な溝が深まって耐えられなくなり、勢いで離婚してしまったケースでも、同居を続けることで、復縁の可能性を残すことも可能。子どもの将来を優先に考えた場合にも、一つの選択肢として離婚後同居を選ぶこともあるでしょう。ほかにも、計画的に事実婚に切り替えることで、夫婦別姓を実現できるという面も考えられます」

離婚後、一定期間同居が続くと事実婚が認められ、財産分与や扶養義務などを負うはめに

話を聞く限りメリットが多い離婚後同居だが、中里さんによれば、当然デメリットもあるという。

中里さん「夫からすると、しばらくの間、離婚後同居することでほぼ事実婚状態になれば、単なる口約束ではなく、法的に妻を保護しなければなりません。つまり入籍している場合とほぼ同じなのです。さらに相続権以外の財産分与、扶養義務などが課せられますので、離婚後同居による法的なデメリットはあります。

また、次の住居の問題や、経済的な問題などでしぶしぶ同居せざるを得ない場合だと、毎日顔を合わせることになるわけですから、精神的な苦痛も大きくなるでしょう」

最後にアドバイザーからひと言

「夫にとって、離婚後同居に法的なメリットはほぼありません。同居しなければならない絶対的な理由がない限り、お勧めできる選択肢ではないかもしれません」

Text by Akihiro Fukuda(Seidansha)

Edit by Kei Ishii(Seidansha)

関連リンク
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所HP

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