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- 「離婚」を乗り切るための方法 -

夫婦の基礎知識!? 離婚届の入手法と作成・提出時の注意点

離婚する時、必ずしなくてはならない手続きが「離婚届」の作成と提出。ほとんどの人が初体験となるため、作成から提出までの手順を知らないはずだ。そこで、「離婚届」の基本的な書き方や提出の手順などをカウンセラー行政書士の武石晃一さんに聞いた。

■今回のアドバイザー
カウンセラー行政書士
武石晃一さん

かつて行政書士として離婚や不倫の法的実務を得意とした経験を生かし、現在は夫婦問題の悩み相談を受ける心理カウンセラーに転身。法律のプロとしての視点と、カウンセリングスキルの両方を生かした相談が好評。著書に『「夫婦」はもっと仲良くなれる—「離婚」の前に考えたいこと・できること』(河出書房新社)など多数。

離婚届は役所で入手するほうが確実! 離婚届の書き方の基本

まず武石さんに、離婚届の入手法から作成まで、基本的な流れを説明してもらった。

武石さん「離婚届の用紙は全国一律の書式になっています。そのため、日本全国の市町村役場や区役所に行けば無料でもらえますし、自治体のホームページからダウンロードし、自分で印刷したものを利用することも可能です。ただし、自分で印刷する場合には注意が必要。規定外のサイズだったり、感熱紙などの長期保存に耐えられなかったりする用紙だと受理してもらえないので、基本的には役所から直接用紙をもらったほうが無難でしょう。

離婚届の記入は、一緒に綴られている注意事項をよく読めば、手間はかかりますが基本的に難しいところはそう多くありません。難しい項目を1点あげるとしたら『同居の期間』を記載する欄でしょう。結婚前から同棲していた方は、いつ同居し始めたのかうろ覚えのことも多いと思います。ただし、この欄は厳密に書かなくても問題がない場合がほとんどですので、厳密に記憶をたどる必要はないでしょう。その他の記入についても、いくつか注意点があります。

・印鑑は実印もしくは認印を押す。夫婦・証人ともに、シャチハタやゴム印はNG。
・住所は普段書く書類では「○丁目○番」などを省略して書いてしまいがちだが、離婚届は住所や本籍地は正確に記入する必要がある。住民票や戸籍を見ながら正確に記入し、省略したものは書かないようにする。
・記入は自筆で、しっかりと色の出るボールペンやサインペンを使う。インクがなくなりかかっているようなペンや、消えるタイプのペンはNG。

どれも基本的なことですが、このルールから外れると受理してもらえないことがほとんどですので、押さえておきたいポイントです」

もし窓口で書面の訂正を求められたら…? 提出時の注意点も多数

さらに、離婚届を提出する際に見落としがちな点もいくつかあるという。

武石さん「離婚届の提出先は、夫婦の本籍地、または住所地・所在地の市町村役場となります。24時間365日受け付けている施設がほとんどですが、本籍地以外の役所で届け出る場合は戸籍謄本が必要になります。離婚届の提出から新しい戸籍を取得するまでの期間は、本籍地の役所に届け出た場合でも数日から1週間程度かかります。本籍地以外の役所に提出すればさらに数日かかることがあるので、もしも急いで新しい戸籍が必要な場合は、本籍地の役所がベストです。

離婚届は重要書類なので役所の窓口でもしっかりチェックされますし、ミスをした箇所があった場合は訂正印を用いての修正をお願いされます。そのため、離婚届を提出する際は、パスポート、免許証、マイナンバーカード等の身分証明書、訂正印が必要な際に備えて印鑑はかならず持参するようにしてください。

ただ、離婚前の夫婦だとすでに別居中であることも多く、どちらか一方が自分のところだけ記載・押印して、相手方に郵送などで渡すというケースもあるかと思います。このような場合は、離婚届を提出に行かない側が離婚届の捨印の欄(用紙の左端にあります)に判を押しておけば、提出の際書き直しを指示された場合でも、修正箇所に二重線を引き、近くに正しい字を書けば受理してもらえます。ただし、間違いの種類によっては、この方法でも難しい場合もあります。

また、離婚届は郵送でも受け付けてもらえます。とはいえ郵送だと、もし記載内容等に間違いがあり捨印(この場合は両方の印を押しておきます)で対応できないときは、提出先から連絡がくるので、窓口の開いている時間に出向かなくてはなりません」

妻が勝手に離婚届を提出!? 合意なしの離婚を阻止するには?

離婚届は夫婦のいずれかが勝手に作成・提出しても受理されてしまうケースがあるという。万が一のケースに備え、勝手に提出されることを阻止するための方法も頭に入れておいたほうが良いだろう。

武石さん「大きな喧嘩をして、その場の勢いでカッとなり離婚届に署名捺印をして妻に渡してしまったが、後で冷静になってみるとやっぱり離婚したくないというケースもあるものです。離婚届は必ずしも実印である必要はないので、たとえ片方が離婚に同意していなくても、勝手に離婚届を作成されて提出されてしまうこともありえます。その場合『離婚届不受理申出』という届けを市区町村役場に提出しておけば、万が一提出されてしまっても受理されません」

最後にアドバイザーからひと言

「離婚後の氏や戸籍、未成年の子どもの親権者などは、離婚後の生活に影響するような事柄については、離婚届を記入する前にきちんと決めておきましょう」

Text by Mai Matsubara(Seidansha)

Edit by Kei Ishii(Seidansha)