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第41回 | 男の隠れ家 powered by éditeur

【男の隠れ家】体感するエンターテインメント 講談 松之丞伝説に立ち会う

2016年末、〝講談界の風雲児 ふたりの神田松之丞〟のタイトルで掲載してから一年が経つが、その勢いは留まることを知らず、講談界・演芸界はもとより様々なメディアからの熱い注目が増す一方の松之丞。

人物を鮮やかに浮き彫りにする描写力、場面転換の巧さ、そして松之丞講談の代名詞ともいうべきダイナミックな所作は、見せ場を余すことなく観客の記憶に刻み込む。

そして何よりも、神田松之丞という類い稀なる才能が出現したことによる最大の功績、それは初めて講談に触れた観客の心を掴み、その間口を大きく開いてみせたことだ。

人間の喜怒哀楽を織り込んだ読み物である講談は、流派が違えば得意ネタも変わり、語り手によって様々な表現がある。しかし講釈師の数は、演芸界に於いては数十人を数える少数派。素晴らしき講談の世界を楽しむためには何よりも先ず、講談未経験者に関心を持ってもらうことがとても大切だ。どんな芸能もファン歴が長くなればなるほど当然知識量は増していく。しかし、経験値が高くなると時に初心者に対しての自己主張に繋がってしまうこともある。様々な意見や評価は尊重されなければならないが、本来は楽しむために集う観客の中にヒエラルキーは存在しない。むしろ、初心者は歓迎するべきで、新たなファンが増えることは関係者にとっても喜ばしいことだ。

「良いものは良い、面白いものは面白い。ガキだって分かることを、こんな爺さんになって改めて気付かされたよ」

松之丞が演じる『中村仲蔵』の劇中、それまで誰も観たことも想像すらしたこともない仲蔵の「忠臣蔵・五段目 斧定九郎」役に、度肝を抜かれた常連客が語った台詞に目が覚める。

講談も落語も極上のエンターテインメント。

子供のように時を忘れ、無我夢中で楽しんでいる瞬間に、初心者とベテランの区別はない。

体感すれば自然に心が躍り出す。
それこそが、松之丞講談の核心。

今、最も勢いのある講釈師・神田松之丞。二ツ目ながらその講談は2017年にCD化もされている。威風堂々とした高座での姿は美しくすらあり、また、楽屋で見せる素の顔は静謐(せいひつ)さを湛えている。

神田松之丞
かんだ・まつのじょう

1983年東京都生まれ。2007年11月、三代・神田松鯉に入門、松之丞。2012年6月、二ツ目に昇進。メディアへも多数出演し、著作やCDなど多数あり。

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男の隠れ家 2018年2月号 落語の未来/講談 松之丞伝説に 立ち会う
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