Kapok
- メンズファッション通信 -

グローバルな“未来の定番”とは

メガブランドとファストファッションのチェーン展開が選択肢を狭め、人々の無自覚な没個性化を生んでいる。そんな現状への憂いから、2006年、フランス出身のアルノー・カステルが香港の裏通りにオープンしたマルチブランドストア「kapok」。世代や性別を限定しない商品セレクトへの支持は国境を越え、現在は香港、シンガポール、台湾、日本に計13店舗を展開する。コンセプトは、“Future Classics(未来の定番)”を提示すること。カステルのインタビューを2回にわたってお送りし、クオリティにこだわり、オリジナルのスタイルで洗練されたミドルエイジ像を表現するためのヒントを探る。
この1回目では何が語られるのか?

カステル「ふと足を踏み入れた裏通りの小さな店で、良質なプロダクトと出会えるショッピングの楽しみを感じてほしい」。 パンヤノキ(英語でkapok)が立つ香港の裏通りを歩きながら、直感的にkapokの創業を決めたアルノー・カステル。 ヴィンテージの巨大なテーブルを購入し、旅先で見つけたさまざまなプロダクトを並べて店をオープンした。 Kapok,アルノー・カステル アルノー・カステル アパレルやアクセサリー、フレグランスから生活雑貨、トラベルグッズに至るまで、ジャンルもターゲットも限定しない。 アートや音楽、デザインのイベントも積極的に開催し、静かな裏通りという立地でやがて集客に成功した。 イタリアに古くから伝わる縫い目のない加工技術と、手作業による染色。Il Bussetto(イル・ブセット)の革小物は使い込むことで味わいが深まる。 イタリアに古くから伝わる縫い目のない加工技術と、手作業による染色。Il Bussetto(イル・ブセット)の革小物は使い込むことで味わいが深まる。シックなスタイルに上質な小物を合わせたい。 2006年に初コレクションを発表したデンマーク発のバッグブランド、Mismo(ミスモ)。 2006年に初コレクションを発表したデンマーク発のバッグブランド、Mismo(ミスモ)。洗練された最高品質の素材を選び、クラシックなクラフツマンシップによって多用途性、耐久性、機能性を高いレベルで調和させる。 各店舗の個性がないチェーン展開を嫌い、打ち出すカテゴリーやレイアウトはそれぞれに独自性を持つ。 しかし、バイヤーや店舗スタッフたちは「未来の定番」というキーワードを共有する。 流行とコマーシャルに左右された薄っぺらなスタイリングではなく、自らモノを選ぶ目を持つためのヒントが、そこには隠されているはずだ。 創業時からチームで培ってきた「未来の定番」を見つけ出すための4つのルールをカステルが教えてくれた。 第1のルール:トレンディではないこと カステル「パリや東京などで流行っているものを追いかけたり、今シーズンは水玉、今シーズンは迷彩柄…などのように設定されたトレンドを無条件に追いかけることはしない」 第2のルール:美しさと機能性を求めて世界中を旅する カステル「最近デンマークを旅していて、あらゆるもののディテールへのこだわりに驚かされた。デザイナーものの美しいハンドバッグを見つけることと同じ意識で、ブラシやグラス、鉛筆などシンプルな日用品をセレクトすることが、日常を豊かにしてくれるはずだ」 香港発のアイウェアブランド、Smith & Norbu(スミス&ノーブ)。 香港発のアイウェアブランド、Smith & Norbu(スミス&ノーブ)。チベットのヤクとバッファローの角を用いた眼鏡フレームを制作する。高い耐久性と、セルロイドなど人工素材では実現できない独特な発色が魅力。 世界各地で買い付けを行ってきたkapokチーム。多様なデザインや素材に触れたバイヤーや店舗スタッフの視点から、シャツをはじめとするオリジナルのアイテムも誕生した 世界各地で買い付けを行ってきたkapokチーム。多様なデザインや素材に触れたバイヤーや店舗スタッフの視点から、シャツをはじめとするオリジナルのアイテムも誕生した。 華美な装飾を求めるわけでもなければ、究極的なミニマルデザインにこだわるわけではない。そのバランス感覚が、kapokの提示する「未来の定番」を裏打ちする。 では一体、kapokチームが共有する第3の条件と第4の条件とはどのようなものだろうか? インタビュー第2回では、その条件に迫る。

Text by Ryohei Nakajima

●店舗情報 kapok公式オンラインショップ http://www.ka-pok.com/webshop/ 拠点は香港だが、国内外を問わず送料無料。日本語版も近日中にオープン予定。 Kapok 2014年10月8日にオープンした原宿店 原宿店 東京都渋谷区神宮前6-13-4 tel: 03-5778-3139 横浜店 神奈川県横浜市西区みなとみらい2-3-2 Queen’s East 3F tel: 045-305-6981 kapok japan公式アカウント https://www.facebook.com/kapokjp