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第14回 | 「離婚」を乗り切るための方法

慰謝料、養育費…離婚後のトラブル回避する「離婚協議書」の書き方

互いに納得したつもりで成立した離婚でも、慰謝料や養育費の問題など、その後にトラブルが発生することはよくあるもの。そうしたトラブルを防ぐ役に立つのが「離婚協議書」と呼ばれる書類だ。その内容や、具体的な書き方、注意点について専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
カウンセラー行政書士
武石晃一さん

かつて行政書士として離婚や不倫の法的実務を得意とした経験を生かし、現在は夫婦問題の悩み相談を受ける心理カウンセラーに転身。法律のプロとしての視点と、カウンセリングスキルの両方を生かした相談が好評。著書に『「夫婦」はもっと仲良くなれる—「離婚」の前に考えたいこと・できること』(河出書房新社)など多数。

離婚届を出す前に作成しておきたい「離婚協議書」とは?

話し合いの末、やっと決まった離婚。もし、離婚後のトラブルを避けたいなら、離婚届けを出す前に作成しておくと良い書類がある。それが「離婚協議書」だ。

武石さん「離婚協議書とは、子どもやお金に関することなど、離婚に際して双方が話し合って取り決めた条件を記録し、離婚後の争いを未然に防ぐために作成する書面のことで、法的効力が備わります。離婚に際して必ずしも作成が必要なものではありませんが、慰謝料や養育費などの離婚後のトラブルを防ぐというメリットがあります」

武石さんによると、「母子家庭の8割は、養育費を継続的に受け取れていない」とのこと。金銭を受け取る側はもちろんのこと、支払う側にもメリットは大きいという。

武石さん「男性に多いトラブルは、話し合って決めた金額をきちんと支払っていたにもかかわらず、あとから増額請求されるケースでしょう。慰謝料や養育費の額を“口約束”だけで済ませてしまうと、後から証明することは困難。しかし、離婚協議書があれば証拠となるので、裁判や調停になった場合にも有利になります。とくに、金銭の支払いが長期にわたる場合は揉めやすいため、離婚協議書が重要になります」

離婚協議書に書くべきことは、主に「お金」と「子ども」についての2項目

「離婚協議書」には、具体的にどのようなことを書くのだろうか。

武石さん「離婚協議書では、双方で話し合って決めたことを箇条書きにしてまとめます。記載するべき条件は、離婚原因や子どもの有無など、夫婦によってさまざま。下記は一般的に多いお金や子供に関する事柄を挙げました。弁護士や行政書士などの専門家に相談しながら、必要な項目を取捨選択して作成してください。

●面会交流
親権を持たない方の親が、別れた子どもと接触する権利。面会の際の方法や内容をあらかじめ決めて記載します。

●養育費
子どもを養育する方の親が、一緒に暮らしていない方の親に請求。養育費の月額や、支払い方法、期間などを記載します。

●財産分与
結婚後に夫婦で築き上げたすべての財産を、どのように分配するかを記載します。結婚後の預金、有価証券、車、株や、住宅ローンの負担などもその対象です。

●慰謝料
不倫、暴力行為などの理由で離婚に至った場合に記載します。

これらを記載した書面を2通作成し、双方が署名・捺印のうえ保管します。公正役場に持って行けば、公正証書にすることも可能です」

合意の上で記した事項でも、法的に認められない場合がある点に要注意

最後に、離婚協議書を作成するに当たっての注意点を聞いた。

武石さん「夫婦で話し合って合意した離婚協議書とはいえ、内容によっては認められない場合もあります。たとえば、養育費は子供の権利として保護されているものなので、『養育費は受け取らない』『養育費は支払わない』という内容のものは無効です。また、『子供と面会しない』や『親権者の変更は無効』などの取り決めも、子どもの権利に関わる事柄のため無効になります。もちろん、公序良俗や法律に反している場合も認められません」

最後にアドバイザーからひと言

「言った、言わないでモメないためにも、お金や子どもに関する事柄は証拠を残しておくと安心です」

Text by Mai Tachikawa(Seidansha)

取材協力
武石晃一OfficialWeb

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