171218 (15)
- 「離婚」を乗り切るための方法 -

子どもがいるケースで考える「円満離婚」の定義とは?

泥沼の裁判沙汰になるケースも多々ある離婚問題だが、一方で「円満離婚」という言葉もよく耳にする。ところで「円満離婚」の条件とはいったい何なのだろう? 子どもがいる家庭の場合を例として、専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
行政書士
高橋健一さん

行政書士高橋法務事務所代表。過去15年間での相談実績は1万件を超え、海外からも依頼者が訪れるほど定評があり「円満離婚の仕掛人」という異名をとる。著書に『子どもの幸せを守る円満離婚のカンドコロ』(飛鳥新社)がある。

“円満離婚”の指標として、まず考えるべきなのが子供への影響

高橋さんによれば、円満離婚のひとつの指標として “子どもに不利益を与える離婚か否か”にある、という考え方があるという。

高橋さん「いわゆる『円満離婚』に法的な定義はありません。そのため、当事者ごとに認識も異なることになりますが、子どもがいる家庭の場合、お子さんの幸せを軸に円満離婚を考えるとすれば、以下の3つの条件を満たす必要があるといえるでしょう。

1:離婚という事実が、将来を通じ子どもに悪影響を及ぼすことを両親が理解する
2:子どもに与える悪影響から、両親が決して目を背けずに真摯に向き合う
3:継続して親としての責任を果たしていく

離婚の理由は人それぞれでしょうが、子どもにとっては理由の如何を問わず辛いこと。親の離婚によって子どもが不利益を被ることなど、あってはなりません。離婚後のトラブルを防ぐ『公正証書』を作成する過程で、両親ともに内省し、この条件を満たすよう努めることこそ、子どもの幸せを守る円満離婚を実現する“勘所”といえるのではないでしょうか」

当事者同士の意識も大切。まずは自分自身を冷静に見つめなおそう

反対に、円満離婚を妨げる要因となるのが、利己的な考え方。円満離婚を目指すためには、まず自分自身を振り返り、冷静になる必要があるとも。

高橋さん「離婚協議の最中は、相手への怒り、憎しみが渦巻いています。しかし、冷静に話し合いを進めるうえで『元夫婦としての葛藤感情と排すること』は極めて重要です。泥沼にならないためには、当事者が自分自身と向き合い、夫婦生活において自分の至らなかった点を直視して、被害者意識から抜け出さなければなりません」

自分の欠点と向き合うのはもっとも辛い作業だが、円満な離婚を目指すならば避けては通れないのだ。

「この場合でも、被害者はあくまで子どもだということに気がつけば、過去の蒸し返しをして罵り合う展開も避けられます。冷静に話し合いを進めるためにも、弁護士や行政書士など当事者と利害関係がない専門家に相談することをオススメします」

円満離婚を心がければ、トラブル回避だけでなく自分の成長にもつながる

まず当事者に対して“親としての責任とは何か”という問いを投げかけているという高橋さん。皮肉な話だが、離婚がキッカケとなり親としての自覚に目覚める当事者も少なくないという。最後に、円満離婚がもたらすメリットについても聞いた。

高橋さん「子どもがいない夫婦の離婚は、極端な話をすれば恋人が別れるのと同じで、離婚後も関係を続ける必要はありません。しかし、子どもがいるとなれば話は別。離婚後の養育費支払いはもちろん、子どもの成長に両親が関わっていけるような状態を保つことができれば、子どもへの悪影響を最小限に留めることができるでしょう。

また、離婚後も子どもとの面会交流を通してお互いの関係を維持することで、共同で子育てをしていくことが可能になります。すなわち、夫婦の別れが親子の別れにならずに済むのです。たとえ離れて暮らしていても、子どもの成長に関わり続けることで親としての成長も望めるのではないでしょうか」

最後にアドバイザーからひと言

「40代の男性にとって、離婚をするということはキャリアを含めて人生における大きな傷にもなりかねません。傷を致命傷にしないためにも、自分にとって大切なものが何か、あなたを必要としているのは誰かなどをよく見極め、ソフトランディングできることを祈っています」

Text by Miki Ohnuki(Seidansha)