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- 「離婚」を乗り切るための方法 -

妻の不倫が原因の離婚。男性側から慰謝料を請求するための手順は?

最近の離婚の原因として増えているという「妻の不貞行為」。妻が不倫をしたことが理由で離婚を決めた夫は、どのようにして慰謝料を請求すべきなのだろう。詳しい手続き方法を弁護士の本橋美智子さんに聞いた。

■今回のアドバイザー
本橋総合法律事務所・弁護士
本橋美智子さん

1975年東北大学法学部卒業。第一東京弁護士会所属。相続、離婚、成年後見などの相談や事件を多く扱っている。著書に『男性のための離婚の法律相談』(学陽書房)、『新版 要約離婚判例』(学陽書房)など多数。

妻の不貞行為が立証できれば、慰謝料請求が可能に

本橋さんによれば、もちろん夫の側から妻に慰謝料を請求することはできるというが、不倫した妻に慰謝料を請求するには、妻の不貞行為を立証できるかがポイントになるという。

本橋さん「妻の不貞行為が発覚して、夫が離婚を決断した場合、まず妻が不貞行為を認めているのかどうか、不貞行為をした証拠(写真や通信記録など)がどの程度あるのかを確認しておく必要があります。妻の不貞行為が立証できてはじめて、妻とその相手男性に慰謝料請求が可能になるからです。

また、離婚の決断をしないまでも、相手の男性に対して慰謝料請求したいケースもあるでしょう。その場合には、今後の婚姻関係にどのような影響があるか、事前によく検討しておく必要もあります」

離婚をせず慰謝料だけを請求することも可能。ただし、オススメはできない

男性の側から慰謝料を請求する手続きは、基本的に離婚調停の手続きに含まれる。離婚をせず妻に慰謝料だけを請求することも法的には可能というが、やはりリスクは高くなるようだ。

本橋さん「不貞行為を行った妻に対し、慰謝料請求する方法は2つ考えられます。まずひとつは、離婚調停の申立てをし、調停の場で離婚慰謝料を請求する方法、もうひとつは、離婚とは別に不貞行為そのものによる慰謝料請求をする方法です。

ただし後者の場合には、請求する行為自体が婚姻破綻の予兆と見られる上、妻から離婚申立てされる可能性も高いので、適切な方法とはいえません。

また、妻との協議離婚のひとつの条件として、慰謝料を請求することも考えられますが、当事者間で不貞行為による慰謝料額を話し合うことは、感情的になりがちですし、互いの精神的負担も大きいので、避けたほうがよいでしょう」

妻に対し請求できる慰謝料の金額はケースバイケース。金額的には男性よりも低くなる傾向

離婚慰謝料の額は、妻が不貞行為した場合の方が夫の同様のケースと比べると、低くなる傾向があるという。

本橋さん「理論的には、不貞行為をした妻であろうと、夫であろうと、離婚慰謝料は同額のはずです。しかし、実際の判例において、夫が支払う場合の相場は、おおよそ200〜300万円といわれていますが、妻が専業主婦であったり、パート勤務で収入が少ないケースだと、夫と比較して、離婚慰謝料を支払う額は、低くなることが多い傾向があります」

最後にアドバイザーからひと言

「妻に対する離婚慰謝料請求をする前に、できれば夫婦間で離婚についてどう考えているのか、話し合ってみるのも大切です」

Text by Akihiro Fukuda(Seidansha)