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- 「離婚」を乗り切るための方法 -

慰謝料だけじゃない! 覚えておきたい財産分与の基本

離婚時に慰謝料と同じくらい気になるのが「財産分与」。しっかり理解しておかないと、泣き寝入りということにもなりかねない。そうならないためにも、対象となる資産や分与の方法などについて弁護士の本橋美智子さんに聞いた。

■今回のアドバイザー
本橋総合法律事務所・弁護士
本橋美智子さん

1975年東北大学法学部卒業。第一東京弁護士会所属。相続、離婚、成年後見などの相談や事件を多く扱っている。著書に『男性のための離婚の法律相談』(学陽書房)、『新版 要約離婚判例』(学陽書房)など多数。

原則的には折半、分与の対象は結婚後にできたすべての財産

まずは。財産分与の基本について本橋さんに教えてもらった。

本橋さん「結婚後にできた財産は、現金、不動産、有価証券、家具・家電など、名義に限らずすべて財産分与の対象となります。ただし結婚前から持っていた財産と、相続や贈与などで個人が受け取った財産は、分与の対象にはなりません。財産分与は原則的には折半になります。よく『専業主婦は実質収入がないけれども、その場合も折半する必要があるの?』という質問を男性から受けますが、これも折半が基本です。というのも、専業主婦は家庭を支えることで、夫の仕事に協力していると解釈され、財産は夫婦の共有財産と見なされるからです」

泥沼化しやすい不動産、どうやって1/2に分ける?

本橋さんによれば、財産分与でもっとも揉めやすいのが不動産だという。

本橋さん「結婚後、自宅を購入してそれを分与するとなった場合、ひとつしかない不動産をどうやって分ければいいのかという問題があります。子どもが通う学校の問題などもあって、夫婦のどちらかがそのまま住み続けたいと思うケースも多いようです。とはいえ、不動産を現物で分けるのは事実上不可能。そうなると、やはり売却して得た金銭を半分に分けるか、どちらかが所有権を取得して金銭を相手に支払うという形になると思います」

家のローンが残っている場合は、どうやって分与するの?

家のローンが残っている状態で離婚をするケースも少なくないはず。分与する自宅にローンが残っていた場合はどうすれば良いだろう。

本橋さん「例えば自宅を売るにあたって、価値が1000万円で、ローンが1500万円分残っているというような状態を“オーバーローン”といいます。この場合、売値よりも債務の方が多く、マイナスの財産となってしまうので、一般的には財産分与の対象外となります。ローン債務者が男性の場合ですと、今まで通り返済していかないといけません。よく『ローンの半分を妻に支払わせることはできないですか?』という質問も受けますが、現在の家庭裁判所の実務では、なかなか難しいようです」

最後にアドバイザーからひと言

「将来の退職金や年金なども財産分与の争点となる可能性があるので、よく弁護士に相談しましょう」

Text by Mitsuo Okada(Seidansha)