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- 「離婚」を乗り切るための方法 -

離婚時の「親権獲得」は母親が有利…父親が親権を取るための方法は?

親権の行方は離婚の際によくあるトラブルのひとつ。子供の将来が心配なのは男親も同じだが、実際には父親が親権を勝ち取るケースはかなり少ない。なぜ母親が有利なのだろうか? 母親が有利な理由と、父親が親権を取る方法を弁護士の本橋美智子さんに聞いた。

■今回のアドバイザー
本橋総合法律事務所・弁護士
本橋美智子さん

1975年東北大学法学部卒業。第一東京弁護士会所属。相続、離婚、成年後見などの相談や事件を多く扱っている。著書に『男性のための離婚の法律相談』(学陽書房)、『新版 要約離婚判例』(学陽書房)など多数。

親権獲得は「どちらがより子供の面倒を見てきたのか」が争点

一般的に、親権争いでは母親が有利になるケースが多いという。そもそも、親権を獲得するには何がポイントとなるのだろうか?

本橋さん「一番重要なのは『子供と一緒に過ごした時間の長さ』です。親権獲得の際に争点になるのが『どちらが主たる監護者なのか』、つまり『どちらがより子供の面倒を見てきたか』が最も重要になります。今の日本の現状として、父親に比べて母親の方がより子供に時間を割いているというケースが圧倒的に多いため、結果的に母親が親権を取ることが多くなっているのです」

妻の不倫が原因で離婚しても「母親の能力がない」とはならない

親権獲得で重視されるのが「子供と一緒に過ごした時間の長さ」なら、仕事に打ち込んできた父親ほど不利になるということになるが…。父親が親権を取る方法はあるのだろうか?

本橋さん「難しいのは事実だと思います。子供の面倒を見てきたのかが重要になるので、子供を放置したなどのひどいケースを別にすれば、妻の不倫が原因で離婚する場合も『不倫した妻=母親としての能力がない』ということにはなりません。争点は『どれだけ一緒に過ごしてきたのか』ですから、やはり重要なのは普段から子供と直接関わっているかどうか。ただし、仮に共働きだったとしても、育休取得のしやすさなども含め、どうしても母親の方が子供に費やす時間が長くなります。こういった現状に対して私自身も納得ができない部分がありますね」

子供と交流を深めれば離婚後に父親が親権を獲得できるケースも

しかし、離婚時に親権を獲得できなかったとしてもあきらめる必要はない。過去には親権が母親から父親に変わったケースもあるという。

本橋さん「実際にこんな事例がありました。協議離婚で母親側が親権を取ったのですが、父親の家が近いこともあり、頻繁に面会交流を重ねていると、ある日突然、子供たちが父親の元へ来てしまったのです。そのため、子供たちの『父親と一緒に暮らしたい』という気持ちを考慮し、親権者変更の調停を行って父親に親権が移りました。離婚後に交流を深めれば、また違った展開もありうるという好例です」

最後にアドバイザーからひと言

「父親の親権獲得は難しいですが、諦めずに子供たちと触れ合う時間を増やすことで、獲得の可能性は上がります」

Text by Shogo Fuse(Seidansha)