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- 40男が嗜む逸品 -

横浜美術館が収蔵する“シュルレアリスム作品”のすべてを見せる展覧会

横浜・みなとみらいにある横浜美術館で「横浜美術館コレクション展 全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真」が2017年12月から2018年3月まで開催される。

そもそも「シュルレアリスム」とは何か?

1989年に開館した、3年に一度開催される「横浜トリエンナーレ」の会場としても知られる横浜美術館。同館は開館以来シュルレアリスムの作品を収集してきたという。今回は3つある展示室をフルに使い、開館以降初めて同館の所蔵するシュルレアリスム作品をほぼ一挙に紹介するという「横浜美術館コレクション展 全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真」を開催する。

「シュルレアリスム」(フランス語でsurréalisme)という言葉はよく耳にするが、いったいどんな意味があるのか? 『大辞林』で意味を調べてみた(『大辞林』での表記は「シュールレアリスム」)。

「理性の支配をしりぞけ、夢や幻想など非合理な潜在意識の世界を表現することによって、人間の全体開放を目指す二〇世紀の芸術運動。ダダイスムを継承しつつ、フロイトの精神分析の影響下に一九二四年に発刊されたブルトンの『シュールレアリスム宣言』に始まる。画家のダリ・キリコ・エルンスト、詩人のアラゴン・エリュアール・滝口修造らが有名。超現実主義」
イヴ・タンギー《風のアルファベット》1944年 横浜美術館蔵
そんなシュルレアリスムを代表するマグリット、デルヴォー、ダリ、マン・レイ、エルンスト、アルプ、ミロ、マッソン、クレー、タンギーといった作家から、ベルメール、シュティルスキー、ヴォルスといった少々マニアックな作家の作品まで、油彩画、コラージュ、彫刻、版画、写真など様々な手法で表現された国内約10作家、海外約40作家、約300点を堪能することができる。

海外作家のほか、写真家・石内都の作品も特集

写真展示室では、2014年に日本人で3人目となるハッセルブラッド国際写真賞を受賞し、ニューヨーク近代美術館など世界の名だたる美術館に作品が収蔵されるなど国際的に評価の高い写真家・石内都の作品を紹介する。石内が育った横須賀をとらえた代表作「絶唱、横須賀ストーリー」55点を展示する。また石内が撮影の際に使用した地図や書籍などの資料も展示される(同館では企画展「石内 都 肌理と写真」も同時開催している)。
石内 都《絶唱、横須賀ストーリー #30》1976-77年 横浜美術館蔵/©Ishiuchi Miyako
石内 都《絶唱、横須賀ストーリー #58》1976-77年 横浜美術館蔵/©Ishiuchi Miyako
収蔵されているシュルレアリスムに関わった作家の作品を可能な限りまとめ、展示・紹介される「横浜美術館コレクション展 全部みせます!シュールな作品 シュルレアリスムの美術と写真」は、日本における商業写真発祥の地のひとつという横浜の街を舞台に、2018年1~3月に開催される写真の祭典「PHOTO YOKOHAMA 2018」のパートナーイベントでもあるので、カメラ片手に横浜を散歩してみてほしい。

日常の私たちを支配している「意識」から離れ、普段は感知できない潜在意識や、自分の意識の外側にあることを表現する作品を楽しめば、思いもよらなかった自分を発見できる可能性がある。先入観や思い込みから心を解き放ち、自由に作品を鑑賞したい。

Text by Tamotsu Narita

 

※トップ画像クレジット:パウル・クレー《攻撃の物質、精神と象徴》1922年 横浜美術館蔵