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- 大人ライダー向けのバイク -

モンスター821──あの頃に憧れた眩しきドゥカティ

「ネイキッド(Naked)」とは「裸」を意味し、カウルなどの外装がなく、エンジンが剥き出しとなった外観を特徴とするバイクを指す。そのネイキッドバイクのアイコンモデルが、イタリアのバイクメーカー、ドゥカティの『モンスター』だ。世界中に多くのファンを持ち、40代以上のライダーには昔、大人が乗るこのバイクに羨望の眼差しを向けた人も多いはずである。2017年11月、この大ヒットシリーズにアップデートが施された『モンスター821』が登場した。

世界が驚いたネイキッドバイク、1990年代の日本で巻き起こった“モンスターブーム”

今あるネイキッドバイクの象徴的モデルを挙げるとすれば、ドゥカティの『Monster(モンスター)』で間違いはないだろう。1992年10月のケルンモーターショーでベールを脱いだ『モンスター』は、その革新的なデザインコンセプトによって大きな衝撃を与えることになる。


1990年代初頭、当時のバイクはレーサーレプリカやスーパースポーツなど、カウルの付いたモデルが全盛の時代だった。そこへカウルを持たず、それでいて先進的なデザインを纏い、高性能エンジンを搭載して登場したのが、スポーツ・ネイキッド・バイクの『モンスター』である。世界が驚いたのも無理はない。

日本国内でも『モンスター』のコンセプトに追随するメーカーが数多く現れたが、当時の国産バイクでは“本家”に太刀打ちできず、そのため都市部を中心に“モンスターブーム”が巻き起こるほどであった。

この初代『モンスター』がケルンモーターショーに登場してから、2017年10月でちょうど25周年となった。そのアニバーサリーイヤーを記念してバージョンアップが施されたのが、今回発表された『モンスター821』である。

初代のラインを受け継ぎながら、デザインコンセプトを見直した『モンスター821』

『モンスター821』の大きな特徴は、初代から変わらない『モンスター』の本質であるボディラインを忠実に受け継ぎつつ、スリムかつコンパクトな“本来のスポーツ・ネイキッド・バイク”へとデザインコンセプトを見直した点にある。

特にフューエルタンクの形状には細心の注意が払われ、先代モデルよりも軽やかでモダンな印象に仕上げられた。また、タンクと同様に初代との繋がりがよくわかるのは、再度採用されたタンクの固定・解放ができるアルマイトアルミニウム製のアタッチメントクリップだろう。昔の『モンスター』を知る人にとっては、思わず手触りを愉しみたくなるほどの造りに仕上げられている。

現代的なデザイン要素としては、『モンスター1200』『モンスター1200R』からインスピレーションを受けた“U字型”LEDポジションライトを備えた丸形ヘッドライト 新しい形状のサイレンサーを採用している点がある。

丸形ヘッドライトは初代モデルを彷彿とさせるアイコンであり、ドゥカティ・ネイキッドの大きな特徴だ。ちなみにLEDはリアライトにも採用された。

装備面では、ギアポジション・インジケーターと燃料計を備えたTFTカラー液晶ディスプレイや、「スポーツ」「ツーリング」「アーバン」の3つの走りが設定可能なドゥカティ・ライディング・モードといった機能が搭載される。

“眩しきモンスター”を手に入れるチャンス、カラーは当然“ドゥカティ・イエロー”

パワーユニットには、ドゥカティならではのテスタストレッタ11°L型2気筒デスモドロミックが採用され、排気量821ccの水冷エンジン。最高出力は80kW(109ps)/9250rpm、最大トルク86Nm(8.8 kgm)/7750 rpmを発揮する。

ユニークなのは、L型2気筒エンジンのシリンダーヘッドにメイン・トレリス・フレームが装着され、エンジンがシャシーのストレス・メンバーとしても機能するように設計されていることだ。

このコンセプトはモータースポーツ直系で、量産モデルに採用されるのは初めてのこと。この構造により、コンパクトかつ軽量なエンジンでありながら、太いパイプ径による高いねじれ剛性をもたらし、バイクのパフォーマンスを限界まで引き出すことが可能となっている。
『モンスター821』の価格、日本での発売時期は未定だが、先代モデルの価格が138万2000円〜だったことを考えると、それを下回ることはないだろう。

いずれにせよ、あの頃に大人たちが見せびらかしていた“眩しきドゥカティ・モンスター”を手に入れるチャンスがついに来たのである。選ぶカラーは当然、復活した“ドゥカティ・イエロー”だ。

Text by Katsutoshi Miyamoto

Photo by (C) Ducati Motor Holding S.p.A