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- 大人ライダー向けのバイク -

ブリンコに注目せよ──バイク+自転車の革新的ギア

40〜50代のライダーなら、「BULTACO(ブルタコ)」を覚えている人がいるかもしれない。かつて競技用オフロードモデルで世界に名を馳せたスペインのバイクメーカーである。このブルタコが2014年に電動バイクブランドとして復活。翌年から販売を開始したのが、電気モーターを搭載したバイクのような自転車であり、自転車のようなバイクの『Brinco(ブリンコ)』だ。

電動・人力・電動アシストの3つで走行できるトライアルバイクのような電動自転車

ブルタコといえば、スペインを拠点にトライアルやエンデューロ、モトクロスといったオフロード系の競技車両を製造し、1960年代から70年代にかけて一時代を築いたメーカーである。政情不安と経営不振によってメーカーとしての幕を閉じたのは1983年のことだった。

2014年に「ブルタコが復活した」というニュースが報じられると、世界中のバイクファンが驚いたものだが、さらに衝撃的で意外だったのは、そのマシンが電動アシスト自転車だったことだ。

スペイン人はモーターサイクル好きで、革新的なアイディアに賛辞を惜しまないお国柄で知られる。復活の第一弾となった『ブリンコ』は、メーカー側いわく“バイクと自転車のハーフ”。フレーム部分に1kW/hのリチウムイオンバッテリーを搭載し、電動、人力、その両方を組み合わせた電動アシストとして走行する。

そのかつてないライディングスタイルに加え、軽量フレーム、トライアル風のフォルムは、アクティブな性能を予感させるには十分。その存在感はまさに革新的といえるだろう(下の写真は『ブリンコR ランドローバー ディカバリーエディション』)。

『ブリンコ』は山野を駆け回るアクティブライディングが可能な新しいスポーツギア

『ブリンコ』は動力として、最高出力4hp(3kw)、最大トルク6kg-mのパワーを発揮する電気モーターを後輪ハブに搭載。同時に、自転車のようなクランクペダルによって人力を伝えることができる。

しかし、なによりその特徴は、電動アシスト自転車としてではなく、山野を駆け回るアクティブライディングが可能な「新しいスポーツギア」であることだ。

近年のトライアルバイクは非常に進化し、スポーツとして先鋭化している。そのため維持・管理にかなりのコストがかかり、手軽に愉しめるバイクとは言い難くなっているのが実情だ。一方、手軽な電動アシスト自転車には、スポーツライディングが愉しめる車両がまだそれほど存在しない。

『ブリンコ』は、これらのニーズを補って余りあるポテンシャルを秘めている。そこにはかつてのトライアル車の設計ノウハウが随所に取り込まれており、すぐにでもフィールドに持ち出したくなるほどだ。

たとえば剛性の高さが明らかな多角異型断面のフレームとスイングアーム。そして、トライアル車からフィードバックされたと思われるディメンションと前後ディスクブレーキ…。サスペンションはフロントにインバートタイプのフォークで、リアはサブタンク付きのダンパーを持ったモノショックだ。

ハンドルやサドルも自由度の高いライディングスタイルが可能な設定となっている。さらに、自転車と同じようなペダルは、クイックターンなどの際、ライダーにとってコントロールしやすい位置にできるメリットもあるという。

『ブリンコ』の価格は約53万円〜57万円、並行輸入なら日本でも入手することが可能

モーターのバッテリーは、約2時間のフル充電で約30kmの走行が可能。リモコン操作でロック・アンロックするキーレスエントリー用のリストバンドも付属し、スマートフォンの設定で連動させればバッテリー残量がリアルタイムにチェックできるのも面白い。

モデルはサスストロークや最高速度などが異なる4タイプがあり、価格は4000〜4300ユーロ(約53〜57万円)。残念ながら、日本にはブルタコの正規ディーラーがないため、手に入れるにはヨーロッパから並行輸入する必要がある。

とはいえ、今は流通や決済システムの進化によって世界中からあらゆるモノを購入できる時代だ。『ブリンコ』を入手するのも難しくはないだろう。

余談だが、1990年代後半から10年余りに渡ってMotoGPのトップライダーとして活躍したセテ・ジベルナウは、「ブルタコ」創業者であるフランシスコ・ブルトの孫にあたる。スペイン人のモーターサイクル好きはここでも証明された形だ。

Text by Koji Okamura

Photo by (C)Bultaco Motores