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- 40歳 会社員を辞める生き方 -

アーリーリタイア経験者に聞く「家族や親せきをどう説得した?」

「アーリーリタイアして、悠々自適な生活を」。20~30代の男性のなかには、今からそんな生き方に憧れを抱く人。40~50代の男性のなかには、実際に知人・友人でアーリーリタイアを実践したという人もいるだろう。実際、アーリーリタイアをすると、どんな生活変化が起こるのだろうか? リタイア後の生活やいかに…?

そこで今回は45歳で、実際にアーリーリタイアを行った男性・山中一人さん(現在48歳)にインタビュー。きっかけや現在の生活などについて、詳しくうかがった。

アーリーリタイアへの想いは40代になり加速

会社員時代は総務・経理系のオフィスワークだったという山中さん。始業30分前に出社して仕事に取り掛かるも、毎日4時間ほど残業する日が続き、土日いずれかの曜日は休日出勤する日々が常態化していたという。

そうした就労環境について、入社当時はそれが当たり前で、疑うことはなかった山中さんだったが、変化が訪れたのは40歳になったころ。

「気力・体力ともに落ち込み、仕事の為に全身全霊を傾けるという情熱が維持できなくなりました。20代の頃から続く朝のつらさ、そのレベルが質的に違う感じなんです」。そう当時を振り返る山中さん。そこから、アーリーリタイアへの思いを一気に募らせることとなる。

「とにかく子どもの頃から集団が大嫌いだったので、無人島でひとり暮らしをしたいとか、1日中海辺で寝ころぶ生活がしたいとかそんな妄想ばかりしてましたね。なので、学生の頃からすでに、サラリーマンになったとしても一生勤め続けるのだけは絶対に嫌で、いつかはサラリーマン以外の人生を送ろうと思っていました。ただし、当時はまだアーリーリタイアという言葉は無かったので、ただ、個人投資家として家に居ながら、株の売買益だけで食べて行ける生活が出来ればいいなと思っていましたが、それが結局今で言うアーリーリタイアという事なんだろうと思います」(山中さん、以下同)

社会人になった山中さんは、とにかくお金を貯めることに専念。そのお金を原資に、株で資産を殖やそうと、20代はひたすら倹約的な生活を続けた。30代で結婚しマイホームを購入。子どもにも恵まれ、出費が増えるとこれまで通り貯金は進まず。「結局20代で貯めた種銭が命金となってこれが資産蓄積の原資になりました」と山中さん。アーリーリタイアを考えては経済的な不安を思い浮かべる人も少なくない。やはりその不安通り、若いうちからお金を貯める・殖やすことが賢明であることは間違いなさそうだ。

アーリーリタイアしても変わらぬ生活を約束することが説得の鍵

現在は株の運用益で生活費を工面しているという山中さん。アーリーリタイアに関し、もっとも不安を抱き、反対するであろう存在は、家計の紐を握る奥様。どう説得したのだろう?

「ほとんど毎日のように会社のグチを言い続けて心身共に会社勤めがもう限界である事を理解してもらうように努めました。家計面では、サラリーマンの時は、会社からの給料を右から左に渡していましたが、その金額と同額を渡すので、生活には支障が出ない事を強く確約しました」

アーリーリタイアをしても、変わらぬ生活ができること。そして、何があっても生活は守る信念があること。こうした説得を5年程続けたという山中さん。最後は奥様も「今まで良く持ったね」と、快く了解してくれた。奥様同様に気になるのが、隠し通すことが難しそうな「親への説明」。が、こちらも奥様同様に長い期間を経て説明し理解を得たという。

人の気持ちを動かすには、やはり真剣な熱意が重要。アーリーリタイアの下地作りには、長期戦となる心構えが必要となりそうだ。

Text by Daisuke Suzuki(KOUMUTEN)

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