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- 舌の肥えた肉好きへ 間違いのない名店 -

自分で選ぶA4で、只者ではない焼肉接待を──銀座「炭火焼肉 有田牛」

明日への活力、働く男のパワーフードとも言える焼肉。それが接待となると、大衆店に向かうというわけにも行くまい。そこで有名銘柄牛、高ランクをウリにした店が検討されるわけだが、それこそ“一味違う”店を探すことに腐心している幹事の方も多いだろう。銀座コリドー街にある「炭火焼肉 有田牛」は、一頭買いにより希少部位まで余すことなく提供するばかりでなく、全国で初めて“自分で目利き”して肉を選ぶことができる店となっている。

和の雰囲気の中で食す、本当にうまい焼肉

白木を使った、和の雰囲気の店内の個室はすべてテーブル席。なかには焼肉店とは思えない、古民家のような雰囲気の1室も用意されている「炭火焼肉 有田牛」。店名にもなっている「有田牛」は松坂、神戸のような産地の名前を冠したのではなく、宮崎の有田牧畜産業で育てられた黒毛和牛であることからの「有田牛」。地元では認知されているようだが、流通量はそこまで多いものではない。焼肉として提供しているのは、関東ではこの店だけというから、それもやむなしだ。

また、有田牛は、別名EMO(エモー)牛ともされ、その別名の由来はEarth(大地に)Medicine0(薬はゼロ)を目指したことから。飼料は完全無農薬で栽培された穀物、牧草を自家配合したものを使用。地下100mから組み上げている地下水を引いた牛舎は、過密飼いを避けるため通常より広く、天井の高さによる風通しと日光を確保しているという。そのような環境で育てられた牛の肉は、一体どのような味がするのか?

「あっさりとした、自然な牛肉本来の味わいが特徴です。通常、牧場と精肉加工する場所は異なりますが、有田牧畜産業は繁殖から精肉まで一貫して行っており新鮮なまま店まで届くというのも特徴ですね。当店では肉部分のうまさも堪能していただくため、ランクはA-5ではなくあえてA-4にこだわっています。また、一頭買いなので希少部位も常に用意しておりますし、ホルモンについては臭みがないため塩味で出すこともできます。苦手とされてきたお客さまにも『この店で初めてホルモンが美味しいと感じた』という評価もいただいているんですよ」(店長の石田さん)

ここまで聞いて、黙って帰る手はない。この店で人気、オススメの部位をいただいてみよう。
・至高の厚切りタン 3000円
タンの中でも特に脂肪が多く柔らかい希少な部位「タン元」を、贅沢に厚切りしたのがこちら。“普通の”タンの「コリコリ」とした食感もそれはそれでうまいが、この厚切りタンの食感はプリンプリンのなまめかしい柔らかさがまさに大人の食感である。もちろん、臭みなく濃厚な「有田牛」ならではの味わい。予約の際には、まずこの厚切りタンのあるなしを確認する常連が多いというのもうなずける。
・国産牛ネギ包みタン塩 1900円
一般的なネギタン塩の刻みネギは、焼きあがるまでには結局溢れおちてしまい、そのもどかしさがひとつのストレスになりがちだ。この店では串にて巾着状に閉じることで中にねぎを閉じ込めており、そのストレスがない。もちろん、上質なタンにたっぷりのネギは、美味しく無いわけがない。
・シャトーブリアン 3800円
極め付けの希少部位といえるシャトーブリアン。赤身肉にカテゴライズされていながら、適度なサシが入り柔らかいのが特徴だ。では「有田牛のシャトーブリアン」はどうか。もちろん、柔らかさ、脂肪の入り具合は言うことなし。しかし、なにより凄みを感じたのは脂肪の甘みと赤身のうまみが渾然一体となった「肉のうまみ」だ。ちなみに、コースでは同店最上位のもので提供もされる。
・レバー 700円
「臭みが無い」という惹句があっても、結局は「臭みが極端に少ない」にとどまるのが普通。しかし、有田牛のレバーはまさに言葉の通りであった。臭みは無く、やわらかくホロホロと崩れる食感の後に甘さだけが残る。レバー嫌いにも、ぜひ試していただきたい。

同店のコースは4000円から1万4000円までの5種。接待で人気なのは7000円のコースに、飲み放題90分2000円をつけたプランだという。

自分の目で見て指定買い! 全国初の「選べる」焼肉とは?

有田牛の名は、その味で確かに記憶にとどまった。しかし、この店の特徴は提供する肉の質のみにとどまらない。全国で初めて「自分で肉を選べる店」なのである。

「例えば、同じシャトーブリアンでも切り分けた部分によってサシの具合などがそれぞれ微妙に違うものです。この店には有田牧畜産業で約100gずつのブロック化された真空パックとなって冷蔵で届きます。それをお客さんの前に並べてお好きなものを選んでいただき、厨房で切り分けてから提供するという趣向です。もちろん、厳選したものですので質にそうばらつきはありません。しかし調理の直前になってパックを開けますので、間違いのない新鮮な肉を味わえる保証にもなっているかと思います」

もちろん、接待中にいちいち選ぶのが面倒であれば、すべてお任せすることもできる。しかし、接待の場を和ませるつかみとしては、ずらりと並んだ肉のインパクトは使えるに違いない。

銘柄牛、希少な部位、というだけではもはやインパクトを感じない。そんな焼肉好きな接待相手にも、しっかりと印象に残すことができるはずだ。

Text by Masayuki Utsunomiya