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- 話題のハリウッド女優をスクープ! -

セクハラ、ダメ絶対。グウィネス・パルトロウの勇気

ハリウッドの大物プロデューサーが30年近くにわたって多くの女優にセクハラしていたスキャンダルがアメリカ社会を揺るがしている。これを他人事と思ってはいけない。グウィネス・パルトロウなどセレブたちのセクハラ告発は、世界中の男性に対する警笛でもあるのだ。

ホテルのスイートルームに呼び出されてセクハラを受けたグウィネス・パルトロウ

アメリカに衝撃をもたらした大物プロデューサーのセクハラ報道から1カ月余り。セクハラ問題はその後、ハリウッドからスポーツ界、政界へと広がり、ツイッターでは女性たちがハッシュタグ「#MeToo(私も)」をつけて被害を告発するのがムーブメントとなっている。

今回の問題でよく聞かれるのが「なぜそのときに告発せず、今ごろ名乗り出たのか?」という意見だ。たしかに、セクハラ被害の多くは20年以上前の出来事で、それが今になって表面化することに疑問を持つ人もいるかもしれない。

しかし、考えてみてほしい。渦中の大物映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインは、ハリウッドで大きな影響力を保持していた人物である。

1979年にメジャー映画会社の「ミラマックス」を創業し、2005年にはワインスタイン・カンパニーを立ち上げ、数々のヒット作を送り出してきた。彼が手がけた作品のうち、300本以上がアカデミー賞にノミネートされている。

一方、セクハラ被害者の多くは当時、10代や20代の駆け出しにすぎなかった。グウィネス・パルトロウの場合、1996年公開の『Emma』でワインスタインによって主役に抜擢され、撮影が始まる前にホテルのスイートルームに呼び出されて被害を受けている(下の写真は、それから6年後の2002年に撮影されたグウィネスとワインスタイン)。
(C) Topfoto/amanaimages

グウィネス・パルトロウがセクハラ被害について長年沈黙していたのには理由がある

グウィネスも当時まだ22歳で、ハリウッドで成功することを夢見ていた若手女優だ。いくら声を上げたくても、恐怖から身動きが取れず、恥ずかしさから被害者として名乗り出ることに躊躇もあったに違いない。なにより、エージェントなどの周囲が権力者に楯突くことに反対したはずである。

そうした弱い立場の女性に「なぜそのとき告発しなかったのか?」というのは酷だろう。長年沈黙を強いられてきたのにはそれなりの理由がある。

そしてだからこそ、世界中の女性たちは、グウィネスやアンジェリーナ・ジョリー、テイラー・スウィフトらが勇気を振り絞ってセクハラを告発したことに共感を寄せているのである。

世に蔓延るセクハラの多くは、これと同じ構造にある。男性上司が女性社員にセクハラするのは、男性側がより強い立場にいるからだ。ワインスタインのようにセクハラで地位も名誉もすべてを失うことにならないためには、この問題を他人事と捉えないことが肝要といえそうだ。

Text by Seitaro Ramon

Photo by (C) WENN/amanaimages(main)