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- 40代からの身近な病気 内容と対策を知っておこう -

その残尿感、前立腺炎の可能性も? スッキリしない残尿感の正体とは

排尿後もスッキリしない残尿感。頻尿は生活習慣を変えれば改善されることもあるが、膀胱がスッキリしない残尿感には病が隠れているケースがほとんどだという。そこで、専門医に残尿感と病の関係について聞いた。

■今回のアドバイザー
北上中央病院 泌尿器科 副院長
菅谷公男さん

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学、秋田大学、旭川医科大学、ピッツバーグ大学と琉球大学で泌尿器科全般と排尿の基礎研究を行い、排尿障害治療と泌尿器超音波診断(エコー検査)が専門。現在勤めている、北上中央病院泌尿器科では泌尿器疾患全般の診療を行っている。

自分では対処が難しい“残尿感”に隠された病とは

そもそも、残尿感はどのような状態なのだろうか? 頻尿との違いについても聞いた。

菅谷さん「頻尿は、排尿回数が多くて困る状態。そのため、排尿を我慢すれば排尿回数を減らすことが可能です。しかし、残尿感は『排尿後も膀胱が完全に空になっていない感じがする』という、膀胱感覚の症状なので自分で対処することができません」

それでは、残尿感がある病気には、どのようなものがあるのだろうか?

菅谷さん「残尿感がある疾患には、膀胱炎や前立腺炎、膀胱結石、尿管下端の膀胱壁近くに尿管結石ができたり、膀胱内に異物が入っていたりします。これらの疾患は、実際に残尿がなくても“残尿感”があります。一方、前立腺肥大症や尿道狭窄、脳・脊髄などの膀胱を支配する神経に損傷を受けて排尿障害になってしまう “神経因性膀胱”の症状の場合は、実際に残尿量の多さも特徴となります」

なかには頻尿の症状を伴う疾患もあるという。頻尿と残尿は切っても切れない関係なのだ。

40代男性は要注意!“慢性前立腺炎”

残尿感がある病のなかでも、特に40代男性に多いものがあるという。

菅谷さん「40代男性で残尿感が見られる疾患として代表的なのが、慢性前立腺炎です。慢性前立腺炎は、頻尿と残尿感がおもな症状ですが、頻尿のみや残尿感のみ、という場合もあります。また、前立腺炎には尿の出の悪さや、尿の切れの悪さ、残尿感などの排尿障害があるため、排尿が終わってもすぐには便器から離れられない状態になります」

慢性前立腺炎の具体的な治療法とは、どのようなものなのだろうか。

菅谷さん「頻尿や残尿感の原因が膀胱炎や慢性前立腺炎の場合であれば、抗生物質を中心とした治療がおこなわれます。症状によっては、消炎剤や頻尿・尿失禁治療薬を追加することもあります。

頻尿のみならず、残尿感があるようならば、何らかの泌尿器疾患の可能性が考えられるので、泌尿器科を受診したほうがよいでしょう。軽い慢性前立腺炎であれば、自然に改善することもありますが、何度も繰り返し罹っていると難治性の慢性前立腺炎になってしまうので、注意が必要でしょう」

最後にアドバイザーからひと言

「現在、残尿感があるという男性は慢性前立腺炎の可能性が高いです。泌尿器科を受診しましょう」

Text by Miki Ohnuki(Seidansha)