pixta_31450695_S_R(2)
- 40代から始めるジム・トレーニング -

まずは「肩」と「股間」から! プロが教えるストレッチの秘訣

トレーニング前の準備運動というイメージが強いストレッチ。しかし運動不足が気になっている人なら、たった2か所のストレッチだけでも十分な運動効果や代謝アップなどが期待できるという。詳しい話をパーソナルトレーナーに聞いた。

■今回のアドバイザー
株式会社フィットネス・ゼロ代表
内田英利さん

日本大学卒業後、立命館大学に進学。立命館大学在学中に運動生理学などを学び、その後、米国の栄養学修士課程を経る。全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会(NESTA)認定講師、日本成人病予防協会認定講師、健康管理士一般指導員、健康運動指導士。京都造形芸術大学非常勤講師。大相撲の貴乃花親方との共同開発プログラム「シコアサイズ」を販売。株式会社フィットネス・ゼロ代表取締役。パーソナル・フィットネススタジオ「コア・フォレスト」運営責任者。マラソン歴17年。ベストタイムは2 時間45 分01 秒。年2回のグアムでのランイベントには、2010年から7年続けて、ツアー参加者のペースメーカーとして出場。

まず「肩関節」と「股関節」を動かすことで、自然と体全体の刺激に

運動前に行う“ストレッチ”。ケガの予防につながるだけでなく、トレーニングのパフォーマンス向上など様々な役割があるという。

内田さん「運動不足やデスクワークなどで同じ体勢が続くと、関節の可動域が狭まってしまい、刺激される筋肉の細胞の数も減ってしまいます。ストレッチで関節の可動域を広げることにより、眠っていた筋肉の細胞を目覚めさせる役割があるのです。活動する細胞の数が増えれば代謝も上がるほか、運動パフォーマンスも向上します。もちろん、凝り固まった筋肉をほぐす効果もあるので、運動前のケガ予防としても欠かせません。

特に運動不足が気になっている人なら、ストレッチをする際には、まず『肩関節』と『股関節』の2点を中心に動かしましょう。他の関節が1~2方向にしか動かないのに対し、肩関節は8方位、股関節は6方位に動く体のコア(幹)を支えて要となる関節。この2か所の関節を全方位に動かせば、自然と他の関節や筋肉も動くので全身をくまなく刺激することができるのです」

肩関節は8方位、股関節は6方位 ゆっくり動かすだけでOK

内田さんに、まず行いたい肩関節と股関節のストレッチの手順を聞いた。肩関節のストレッチを行えば上半身全体、股関節のストレッチを行えば、下半身全体のトレーニングになるというから、ぜひおぼえておきたいところだ。

内田さん「まずは、上半身のストレッチです。肩関節を以下の8方位に順番に動かしていきましょう。

(1)腕を前に挙げます。
(2)前に挙げた腕をそのまま下ろして、後ろに持って行きます。
(3)次は腕を横に挙げます。
(4)横に挙げた腕を体に近づけて、脇をしめます。
(5)脇をしめた状態で、肘から先を体の外側に向けます。
(6)同じく脇をしめた状態で、肘から先を内側に向けます。
(7)次は腕を真横に水平に挙げ、そのまま前に持って行きます。
(8)同じく真横に水平に挙げたまま今度は後ろに持っていきましょう。

この8方位に肩関節を動かすことで、肩の前後、盛り上がりの部分、肩の奥の筋肉、胸、背中、体幹と、上半身の全体的なトレーニングになります。

下半身の場合は、股関節を以下の6方位に動かしていきましょう。

(1)足を真っ直ぐ伸ばしたまま、前に挙げていきます。
(2)同じく、足を真っ直ぐ伸ばしたまま後ろに持っていきましょう。
(3)次は足を横(体の外側)に挙げていきます。
(4)今度は、ボールを蹴るように足を体の内側に持っていきましょう。
(5)次は、膝を曲げて股関節の動きを意識しながら足を外向きに回します。
(6)同じく、膝を曲げた状態で股関節の動きを意識しながら内向きに回します。

この6方位に股関節を動かすことで、太腿の付け根と前後、内腿、お尻の横、お尻の奥、股関節を安定させる筋肉などが刺激されます」

運動不足の人はストレッチするだけでも、十分な効果がある

内田さん「普段忙しくて運動ができない方や、急にトレーニングを始めるのは不安な方であれば、肩関節と股関節のストレッチをするだけでも十分な成果が期待できます。細胞を膨らませたり縮めたりして刺激を与えることをストレッチといいますが、それよりも負荷をかけると『筋トレ』になります。そのため、運動し慣れていない方の場合は、低負荷の『ストレッチ』でも十分トレーニングになるのです。お風呂あがりなど、体が温まっている時に実践すると良いでしょう」

最後にアドバイザーからひと言

「運動不足に陥りがちなビジネスマンこそ、しっかりストレッチをして筋肉に刺激を与えましょう」

Text by Mai Matsubara(Seidansha)