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- 40代から始めるジム・トレーニング -

ポイントは“拮抗筋”。より効率よく鍛える筋肉の組み合わせを知ろう

筋トレで初心者にありがちなのが、一度に全身を鍛えようとすること。これは時間がかかるだけでなく、基礎体力がなければ有効なトレーニングにならない。筋肉を鍛えたい場合は、互いに相性の良い部位同士を組み合わせる「筋トレ・セット」が基本だ。詳しい話を専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
ボディビルダー
山本義徳さん

1969年3月25日生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。ボディビルダーのほかタレント、トレーニング指導者としても活動。著者に『体脂肪を減らして筋肉をつけるトレーニング』(永岡書店)、『「腹」を鍛えると』(辰巳出版)、『サプリメント百科事典』(辰巳出版)、『かっこいいカラダ』(ベースボール出版)など30冊以上。

互いに作用が異なる“拮抗筋”を組み合わせ鍛えるのが「筋トレ・セット」の基本

まずは筋トレ初心者がおぼえておきたい、互いに相性の良い筋肉の“見極め方”について聞いた。

山本さん「ポイントは”拮抗筋”です。拮抗筋とは、ある動きに対して逆の動きをする筋肉のことです。たとえば、上腕二頭筋は肘を曲げるのに対し、上腕三頭筋は肘を伸ばします。このように、逆の作用をする筋肉のことを拮抗筋と呼びます。

ある筋肉を鍛えているとき、拮抗筋はリラックスします。肘を曲げようとするとき、同時に肘を伸ばす筋肉が働いてしまっては困るからです。リラックスするということは、回復の促進につながります。そのためトレーニング効果も高くなるのです。この仕組みを意識して、『上腕二頭筋と上腕三頭筋』、『大胸筋と広背筋』、『大腿四頭筋とハムストリング』のように、拮抗筋を組み合わせたトレーニングプログラムを作れば、より効率的にトレーニングをすることができるのです」

「筋トレ・セット」には欠かせない“回復”に関する正しい知識も要チェック

筋トレで忘れてはならないのが、“鍛えっぱなし”でトレーニングを終えないこと。筋肉をしっかり休ませるところまでが「筋トレ・セット」となる。とはいえ、複数の筋肉の組み合わせで鍛える際の休憩は、どれくらいを目安として考えればよいのだろう。筋肉の成長には“超回復”と呼ばれる期間が必要とも聞くが?

山本さん「誤解されがちですが、筋肉が発達する仕組みは“超回復”ではなく、正しくは『ストレスへの応答反応』です。超回復というのは実は、体内のグリコーゲンの回復の話なんです。それが日本では間違って伝えられ、半世紀もの間、筋肉は超回復によって発達すると間違って信じ込まれてきました。

筋肉が発達する『ストレスへの応答反応』とした場合に必要な回復の時間は、筋肉の大きさを目安に考えてください。トレーニングメニューによって具体的な時間は異なりますが、基本的に脚や背中のように大きな筋肉は回復に時間がかかり、胸や腕のように小さな筋肉は回復に時間がかからないと考えてよいでしょう。大きな筋肉を高頻度でトレーニングすると全身的な疲労も高まり、筋肉の発達に支障が起こります。小さな筋肉は回復が早いため、ある程度は頻度を高めても問題ありません」

40代男性であれば、まずは僧帽筋を鍛えるべき。有効な拮抗筋はどこ??

最後に、デスクワークが多い40代男性に、まず鍛えてほしい筋肉を聞いた。

山本さん「スマホやパソコンを使う時間が長いせいか、40代男性は猫背気味になっていることが多いようです。また、肩こりからくる目の疲れもあるのではないでしょうか。

猫背を治し、肩こりを軽減してくれるのが、僧帽筋のトレーニングです。肩を上げ下げしたり、肩甲骨を寄せたり広げたりする動きをすることで、姿勢も良くなり、肩や目の疲労も取れてくると思われます。僧帽筋の拮抗筋は、広背筋と前鋸筋ですから、トレーニングの際にはこれらの筋肉も一緒に鍛えると、より効果を期待することができるでしょう」

最後にアドバイザーからひと言

「拮抗筋をポイントにしたトレーニングメニューなら、短い時間でも着実に筋肉を鍛えることができますよ」

Text by Miku Nakamura(Seidansha)