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- あなたにもいつか「親のこと介護のこと」 -

7割が「ない」と回答 調査で判明!40代「親の介護」のリアルな気持ち

ふとした時に感じる、親の老い。いつまでも元気だと思いたいものの、前に比べて体力が落ち、足腰が弱くなった親を見ると頭をよぎるのが「介護」のこと。そうなったとき、誰がどんな方法で世話をしようと考えているのか? アンケートから単身者のリアルを読み解く。

■介護を民間サービスに任せるのは「まったく抵抗がない」

親が「要介護」になったときにどうするか、親や配偶者と具体的に話し合ったことがあるだろうか 。自分や身内が世話をするのか、または介護施設に世話を頼むのか? 自分の想いと、親の希望は一致しているのか? つい「話が現実味を帯びてから」と後回しにしがちだが、40歳を超えたあたりから、ちらほらと周囲で「親が施設に」「親の介護が」という話が出始める。とくに単身者は相談する相手が少なく、不安を抱えがちだ。多くの人は、やがて来るかもしれない介護の現実をどうとらえているのだろうか?

そこで、今回は20~50代の全国252名の単身者男女に、インターネットによる独自調査を実施。親の介護に対する考えを調べてみることに。
Q:介護経験のない方にお聞きします。もしも親に介護が必要になった場合、その面倒を見るべき人は誰だと考えていますか?(単数回答)

介護医療系の民間サービス 27.8%
長男や長女などの第一子とその配偶者 19.4%
子どもとその配偶者のなかで時間的余裕を持つ者 16.7%
子どもとその配偶者全員で均等に 13.9%
親族全員 13.9%
親と仲の良い知人・友人 0%
その他 8.3%

回答の1位は、民間サービスへの委託となった。どの程度の介護が必要かにも よるのだろうが、専門的な知識を持つ者に任せることが一般的な考えになりつつあるようだ。それは次の「心情」を問う回答結果からも見て取れる。

Q:親の介護を、家族以外の人(デイサービスやヘルパー、老人ホームなど)に任せることについて、あなたの心情に当てはまるものをお選びください(単数回答)

非常に抵抗がある 6.3%
少し抵抗がある 23.4%
あまり抵抗はない 20.3%
まったく抵抗はない 50.0%

「まったく抵抗はない」という回答者が半数にものぼり、「あまり抵抗はない」と合わせると全体の70%以上が、家族以外に介護を任せてもよいと考えていることがわかる。

■抵抗はないけれど、情報不足 で不安がいっぱい

外部に任せることに「抵抗はない」という回答は多い ものの、実は詳しい情報を得られておらず、不安を抱えていることが次の結果 から見えてきた。

Q:親の介護についての不安として、あなたの心情に当てはまるものをお選びください( 単数回答)

かなり不安である 54.7%
まあまあ不安である 17.2%
少し不安である 20.3%
まったく不安はない 7.8%

半数以上が「かなり不安」という結果になった。ここで「まったく不安はない」と答えた人にフリーコメントで理由を尋ねたところ、過去に介護経験のある人が多かった。では、多くの人は一体、何に不安に感じているのだろうか?

Q:「かなり不安である」「まあまあ不安である」「少し不安である」と選んだ方に質問です。あなたの不安の中身として当てはまる ものを以下からすべてお選びください(複数回答)

かかる費用を工面できるかどうか 69.5%
介護をしながらも自分の望む生活が続けられるか 61.0%
介護に必要な期間がどれくらいになるのか 57.6%
親が望む方法で介護できるかどうか 50.8%
介護施設を希望しても受け入れてもらえるかどうか 47.5%
介護と今の仕事が両立できるかどうか 47.5%
親族や家族など自分以外で介護に協力的になってくれる人がいるかどうか 28.8%
親が介護施設に入ることを望んでくれるかどうか 23.7%
その他 5.1%

費用や時間への不安のほか、「自分の人生が変わってしまうことへの不安」も多いのがわかる。介護施設に任せるとしても、時間もお金もかかるため 、今まで通りの暮らしができなくなることは大きな不安要素だ。生活に影響が出てしまうと、介護にかかる費用の捻出も難しくな。介護と仕事をどう両立させるかは大きなテーマになるだろう。

■不安でも、親と話し合っている人はほとんどいない

親の介護を考えると不安でいっぱいになる。それを解決するために必要なのは、まず親の願望を知り、自分の要望を伝えてすり合わせ、その上で施設の種類や費用などを調べることだが、以下で「具体的な話し合いはされていない」という現実がわかる。

Q:あなたは親と、もしも「介護が必要になった場合」について、話し合ったことはありますか?(単数回答)
ある 29.7%
ない 70.3%

介護に対する漠然とした不安はたくさんあっても、非常にシリアスな話題のため、親に直接切り出せない人は多いだろう。ここで「ある」と答えた人には、フリーコメントで「それはどのような話し合いになったか?」と尋ねたところ、多くが親のほうから「自分はこうしたい」と希望を伝えているようだ。

●「ある程度の歳になったら、デイケアや施設に世話になる」と自ら言っている。
●「最期をどのように迎えたいか、延命措置はどの程度希望するか」などの話をしたことがある。
●結婚する時、住む場所について話し合った際に、ゆくゆくは介護を見越した話になった。
●「私達は施設に入る。お前らの手は煩わせない」と、常日頃言われている。

ただし、親と話し合っていても、介護施設に入居する際の費用や、施設不足により待機する可能性など、親自身が介護の現実を知らない場合もある。なかには「被介護者の認識の甘さは大きな問題である」と苦言を呈するコメントもあった。

Q:もし介護をする必要が生じた場合、次のどの情報を知っておきたいですか?(複数回答)

介護にかかる大まかな費用 84.4%
介護施設の場所や種類 67.2%
介護保険について 65.6%
介護が必要な病気や症状 42.2%
介護に必要な技術 34.4%
その他 4.7%

介護する側はもちろん、実は介護される側も情報不足、ということはあるだろう。いきなり介護について切り出しにくいのであれば、たとえば親に「一緒に将来のことを勉強しよう」と声をかけてみるのはいかがだろうか。介護について知っておくことは、いずれ自分のためにもなる。どんな老後の迎え方があり、施設で暮らすための費用はどれくらいかかるのかなど、本やネットをもとに親と学んでみることが、共に介護について話し合うキッカケとなるかもしれない。

(文:富永明子)