レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星
- オトナだからこそ味わいたい!極上の逸品 -

【ご予約前に】岸田シェフが語るカンテサンスが3つ星を取れる理由

ミシュランガイド東京発刊以来、毎年三ツ星を取り続けている品川のフレンチ「カンテサンス」。ランチもディナーも連日人気を博すこのレストランのオーナーシェフであり、東京のフレンチを牽引し続ける岸田周三シェフに聞く”カンテサンスを楽しむ秘訣”とは。

2013年8月、レストランは白金台から御殿山に移転した。店舗面積は以前の約1.6倍になったが、席数は30席と変わらず。ウエイティングスペースやパウダールームなどに加え、席間や動線もゆったりとスペースがとられ、より快適な空間に生まれ変わった。そして、「理想の店というのは求めはじめたらキリがないけれども、できうる範囲で僕が追及したのは料理人としての理想」と語る岸田シェフが、一番注力したのはキッチンだという。 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 ウエイティングルーム。ゆったりとしたスペースの天井にはドイツ人照明デザイナー、インゴ・マウラー氏の作品「ツェッツル(紙切れ)」 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 ホールからダイニングへと続く廊下。個室は2室設けられ、いずれもダイニングを通過せず、廊下から直接出入りできる 白金台時代から「万全の料理を提供するための体制を整えたい」と切望していたところ、2012年にオーナー会社だったグラナダから独立し、オーナーシェフとなったことで道が拓けた。お客さまの見えるところに優先されがちな投資を、オーナーであれば、キッチンの充実化のためにまわすことができる。 御殿山の新店舗は天井が高く、熱がこもらない。新たに調理機材も導入し、いま、思う存分自分の理想とする料理が生み出せる環境を整えられたという。 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 8年連続三つ星を獲得し、東京のフレンチ界を牽引する岸田周三シェフ レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 原木シイタケとセップ茸のビスキュイ。岐阜県で食べた生の原木シイタケの「感動的なおいしさをお客さまにも感じてほしい」と編み出された さて、こうした岸田シェフの料理ありきの姿勢は、店内にもよく表れている。たとえば、ダイニングルーム。ご覧のとおり、花、絵画、シャンデリアといった装飾品は一切ない。窓はカーテン越しに外光をほのかに感じるだけで、そのカーテンが開けられることはない。ちなみに、音楽も流れない。それはつまり、すべての五感を料理に集中してほしいという願いから。ただし、これはストイックということとは違う。むしろ真逆で、これらはすべて料理を“貪欲に”楽しんでもらうための演出なのだ。 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 ダイニングルーム。『カンテサンス』のイメージカラー、ダークブラウンを基調に、シンプルながらラグジュアリーにまとめた。 メニューは昼も夜もおまかせコース1本。オープン当初、大きな話題を集めた「白紙のメニュー」は今も健在で、やはりその白地からは抑えきれないワクワク感が立ち上る。『カンテサンス』ではおなじみの、御影石のショープレートも然り。さぁ、ここにいったいどんな料理が運ばれてくるのか。その期待感は、どんなリピーターでも薄れることはないだろう。 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 食事前のちょっとしたお楽しみ。『カンテサンス』おなじみの「Menu carte blanche(白紙のメニュー)」 おまかせのみの『カンテサンス』は、それゆえに顧客管理が徹底され、いつどんな料理を出したのか、すべて記録が残されている。「リピーターのお客さまも多いので、新しい料理を開発し続けることはやはり大変です。でも、それが僕によい刺激を与え続けてくれているのだとも思いますね」。 レストラン カンテサンス,ミシュランガイド東京,三つ星 「ブリ刺しを食べたときの食感とおいしさをフランス料理にしてみたい」との思いから生まれたひと品。ブリは60度の低温でコンフィにし、ヘーゼルナッツやアンチョビ、パセリなど香りの強いものを合わせた。 つとに知られているように、岸田シェフはパリの三つ星レストラン『アストランス』のシェフ、パスカル・バルボに師事し、最後は同店のスーシェフ(副料理長)を務めて帰国した。プロデュイ(素材)、キュイソン(火の入れ方)、アセゾネ(味付け)を徹底的に追及した結果の、おまかせのみというメニューや、低温長時間ローストという独特の火入れ法には、誰もが驚き、フレンチの新たな潮流だと華々しく喧伝された。そして、オープン9年目の今年、2015年。そのキュイジーヌ・コンテンポレーヌ(現代的な料理)の“コンテンポレーヌ”はどのような形で存在しているのだろうか。 つづいて、岸田シェフの料理哲学を紹介する。

Photographs by Koji Kita(内観、シェフ) Text by Tomoko Kawahara

Top Image:御影石のショープレート