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第61回 | 恋に効く心理学テクニック

心理学は人間関係の役に立たない!?

書店には恋愛ハウツー本が並び、TVはもちろん、各種SNSでは恋愛の専門家が男女の恋心を読み解いてみせる。「恋を実らせるマジックワード」や「合コンで第一印象を上げる必勝テク」など、人間の心理に則したTIPSというのは読んでいて面白いし、いつの時代にも需要があるものだ。

でも、実際のところ、心理学というのは本当に「役に立つ」のだろうか?

生半可なTIPSだけを断片的に学んだところで…

誰もが薄々心に抱いてきたであろうこの疑問について、米ミシガン大学の心理学者ティモシー・ウィルソン氏が興味深い実験を行っている。彼は、被験者を心理分析の基本的なメソッドをレクチャーしたAグループと、一切の予備知識を与えないBグループに分け、それぞれにテストでのカンニングを疑う教師と疑われる生徒とのやりとりが収められた映像を見せたのだ。

Aグループは、人が嘘をつくときにどのような兆候が見られるか、いくつかの事例と傾向を知っている。しかし、生徒が本当にカンニングを行っていたとすれば、確信犯的に嘘をついているわけだ。たとえば、生徒の目が泳いでいたとして、それが嘘をついているからなのか、それとも無実なのに教師の尋問に対して動揺しているからなのか…。この判別は、素人にはとても難しい。

結果として、生徒の有罪/無罪を言い当てられた正答率が圧倒的に高かったのは、Bグループの方だった。つまり、Aグループは事前に与えられた心理学のメソッドを深読みし、かえってミスリードされてしまったわけだ。表情や態度から得られる情報というのは多岐にわたる。生半可なTIPSだけを断片的に学んだところで、それを実際に生かせるようにはならないのである。

結局のところ、コミュニケーションというのは人対人のもので、属人性が高い。まずは予断を持たず、その人を見るところから始めるのが一番なのかも。

Text by Unyo Mura

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