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- 大人のための最新自動車事情 -

愛車で非日常を味わう──40代のサーキットデビュー

愛車との関わり方は人それぞれだろう。所有して愛でる歓び、自分好みにカスマタマイズする愉しみ…。しかし、挙動を御して駆け抜ける爽快感は格別だ。年齢を重ねたカーガイには、ぜひ人車一体で思うまま愛車を操ることを体験して欲しい。そこには非日常の高揚感があり、それは心の青春につながる。とはいえ、責任ある大人が公道で無茶をするのはいただけない。そこでチャレンジして欲しいのがサーキット走行である。「自家用車でサーキットを走れるの?」「金額が高くて手続きも面倒では?」。そんな心配は不要だ。未体験者のカーガイのために、サーキット走行の基本の「き」を紹介しよう。

意外と格安なサーキットデビュー、体験走行ならわずか1500円で走行することが可能

サーキットはフォーミュラーカーやGTカーしか走れない印象があるかもしれないが、じつは驚くほど手軽にそれぞれの愛車で参加することができる。多くのサーキットでは、「体験走行」「サーキットクルーズ」などの名称でイベントを開催しているのだ。

首都圏から近い筑波サーキットを例にとると、2017年は通算17日間の走行会開催日が設定されており、事前に申し込めば気軽に参加できる。料金はサーキットへの入場料と走行料金を合わせて1500円と格安。筑波サーキットマーシャルカーを先導に5周の走行を予定している。

走行可能な車両と装備にも特別な縛りはない。ナンバー付きのクルマ(レース車両及び仮ナンバー車両の参加は不可)で、シートベルトを着用していればOK。乗車定員までならドライバー以外も同乗もできる。走行後は コース上で記念撮影ができるので、SNSで自慢できる写真も撮れそうだ。

サーキットに直接応募しない方法では、オーナーズクラブのサーキットイベントなどもおすすめだ。特に、ライナップにスーパースポーツを擁する高級車メーカーは、オーナー向けに走行会などのイベントを開催していることが多い。

もう少し上級者になれば、ドライビングレッスンに参加するという方法もある。F1グランプリが開催される鈴鹿サーキットでは、国際レーシングコースと国際南コースを使用し、「コーナーレッスン」「講師の先導による入れ替わり先導走行」「フリー走行への講師からのアドバイス」などを受けることができる。こちらも、ナンバー付きの普通乗用車で参加可能だ。

ただし、体験走行と違い、ウェアは長袖・長ズボン、ヘルメットとレーシンググローブの着用といった条件がある。また、保険も一般の任意保険は適用されないケースが多いので、その点も注意が必要だ。料金は鈴鹿モータースポーツクラブの会員なら2万2700円、一般参加なら3万3900円となっている。

サーキット発行のライセンスを取得し、「スポーツ走行」で限界域の走りに挑戦する

もっと本格的にサーキットデビューがしたい人には、スポーツ走行がおすすめだ。スポーツ走行に参加するためには、まず2〜3時間の講習を受けて、そのサーキットを走行するためのライセンスを取得する必要がある。

たとえば、FISCO(富士スピードウェイ)の場合、サーキットを走るためのルール、注意事項の解説、スポーツ走行券の購入法、下見走行などを学ばなければならない。

ライセンス取得料は、レーシングコースなら入会金1万2900円、年会費2万9800円の計4万2700円(税込み)。ショートサーキットなら入会金2100円、年会費1万9000円の2万1100円(税込み)となっている。

また、スポーツ走行は、クルマの性能やドライバーの技量によって「走行できる枠」が決まる。

FISCOのレーシングコースを例にとると、「NS-4」は1周のラップタイムが概ね2分00秒より遅いペースで走行する車両、「S-4」はラップタイムが概ね2分10秒よりも速いペースで走行する車両、「ツーリング」はラップタイムが概ね2分20秒よりも遅く、最高速180km/h以下で走行する車両を対象とした枠だ。

料金はすべてのスポーツ走枠ともに同じで、20分4400円、30分6500円、40分8700円、50分1万800円となっている。

サーキットのスポーツ走行が可能なクルマの種類、用意するウェアやシューズは?

では、スポーツ走行が可能なのはどんなクルマか? 基本的にはナンバーが付いている普通車なら走行可能だが、いくつか条件を満たす必要がある。

まず4点式以上のロールバーと4点式以上のシートベルト、そして車両前後の牽引フックが強く推奨されている。特に軽自動車はこの3点が必須。オープンカーとTバールーフは、一部車種を除いて4点式以上のロールバーが必要だ。

また、ミニバンとSUVは「ツーリング」クラスしか走ることができず、大型SUV、トラック、ワンボックスは、いずれの枠も走行不可となっている。

安全装備に関しては、フルフェイス型もしくはジェット型のヘルメットが必要だ。ウェアはレーシングスーツの着用が強く推奨されているが、それがない場合は、綿製品で肌が露出しない長袖と長ズボン、さらに不燃性下着の着用が望ましい。

靴は、レーシングシューズもしくは履きなれたスポーツシューズ。グローブは手首の露出しないタイプで、指先まで保護されているレーシンググローブがおすすめだ。

事前にクルマを整備しておくことも大切だ。スポーツ走行では、公道と違い常に限界域でクルマを操ることになる。走行時のブレーキトラブルやオイル漏れは大事故につながる可能性があるので、参加前にはしっかり整備と点検を行っておきたい。もちろん、タイヤやブレーキパッドの摩耗、劣化のチェックも重要となる。

言わずもがなだが、車内によけいなものを積んでおくと、横Gで動いて危険を招きかねないため、必ず事前に降ろしておきたい。これらの注意点はライセンス取得の講習でも学ぶはずだ。

サーキットで味わう非日常感は40代が若い気持ちを持ち続けるための妙薬となり得る

筆者も仕事柄、何度かサーキット走行の経験があるが、感動するのはその走りやすさだ。クルマをスムーズに走らせるために整備されているので、路面に凹凸がなく、まるで滑るようにクルマを走らせた記憶がある。

また、公道を走る日常ではけっして味わえない速度域には、アドレナリンが放出され、全神経が研ぎ澄まされたような感覚に包まれたのも印象的だった。

非日常感は、スポーツ走行ならなおさらだが、体験走行でも十分に味わえる。

未知の体験と適度な緊張は、40〜50代にとって自らを鼓舞し、若い気持ちを持続させてくれる妙薬にもなり得る。クルマ好きの大人ならば、一度はサーキットでしか味わえない世界を体験してみてほしい。

Text by Tsukasa Sasabayashi

Model by MINI John Cooper Works GP Concept

Photo by (C) BMW AG