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新型BMW M5──四輪駆動となった5シリーズの頂点

2016年、BMW M GmbHでプロダクト・マネジメントのトップに立つカルステン・プリース氏は、Mモデルに関して「今後もできる限り後輪駆動を維持する」と公言した。しかし、先日デビューした第六世代にあたるBMW『M5』は、ついにMモデルとして初の四輪駆動を採用している。Mシリーズ史上最強最速と謳われるこのクルマは、どのような進化を遂げたのか。その詳細を見ていこう。

モータースポーツに由来する「M」の持つ挟持とこだわりは走行性能に強く現れる

BMWのなかでも、特に高性能なスポーツモデルだけが冠することができる「M」のエンブレム。このMが「Motorsports(モータースポーツ)」に由来するのは人口に膾炙されたことだ。それだけに、そのこだわりは走行性能に強く表れる。

心臓部には、V型6気筒以上にこだわるMの伝統を守り、最新の「V型8気筒4.4Lターボエンジン」を採用。特別に調整された「8速M ステップトロニックトランスミッション」が組み合わされた。ギア数が多いことで、スムーズなシフトチェンジと高回転域の回転数を抑えることを可能にしている。

このパワーを地面へと伝える足回りは、前輪がダブルウィッシュボーン、後輪がマルチリンク式サスペンションの可変ダンパーだ。日常遣いの快適さとサーキットでのパフォーマンスを両立する。

また、「Mステップトロニックステアリング」は、状況やドライビングに合わせて「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」の3種類に切り替えが可能である。

Mモデルとして初の四輪駆動を採用しつつ、FRという伝統にこだわるBMW『M5』

動力性能は、最高出力441kW(600hp)/5600-6700rpm、最大トルク750Nm/1800-5600rpm。0-100km/h加速は3.4秒、0-200km/h加速は11.1秒を実現している。

最高速は250km /hに抑えられ、ほかのハイブランドのスーパースポーツと比較すると少し見劣りする印象。しかし、オプションの「Mドライバー」のパッケージを選択すると305km / hまで引き上げることができる。

最大のトピックスは、なんといっても四輪駆動の採用だろう。「M xDrive」では、駆動方式を「4WD」「4WDスポーツ」「2WD」から選択可能。 基本設定は、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)をアクティブにした4WDだ。

4WDモード以外にも、ドライ路面でのサーキット走行を想定した「4WD Sport」モードを設定。そして、「今後もできる限り後輪駆動を維持する」としたカルステン・プリース氏の言葉通り、後輪駆動に設定できる「2WD」モードも採用している。伝統を踏襲し、FRへのこだわりを見せた格好だ。

新型『M5』はヨーロッパでは受注が開始され、価格は日本円にすると約1556万円

エクステリア面でも伝統を踏襲。キドニーグリルを中心に据えた面構えは、キープコンセプトだ。

Mらしいスポーティーさでは、フロントバンパーの両サイドでは大型エアインテークが存在感を示している。リアには、4本出しのエキゾースト・テールパイプと新デザインのリアディフューザーなどが採用された。

また、アルミニウム製ボンネットフードとフェンダー、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製ルーフなど、軽量化にも努めている。

インテリアはベースである『5シリーズ』に準じているが、スポーツシートには「M5」のロゴが輝いている。このちょっとした特別感が所有の歓びを満たしてくれるのはいうまでもないだろう。
すでに欧州では受注が開始され、デリバリーは2018年春が予定されている新型『M5』。販売価格は11万7900ユーロ。本稿執筆時点では1ユーロ=約132円なので、日本円では約1556万2800円となる。

日本での発売時期はアナウンスされていないが、BMWファンなら、それまでに少しでもユーロ安になっていることをと願うに違いない。

Text by Tsukasa Sasabayashi