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アルツハイマーのリスクも!? 話題の「睡眠負債」を返済する方法はある?

最近よく耳にする『睡眠負債』。慢性的な睡眠不足や不眠症など、何かと睡眠トラブルを抱えている現代人だが、睡眠負債が蓄積されることで深刻な疾病や精神状態を引き起こすことがあるという。睡眠負債の詳細と解消法を専門家に聞いた。

■今回のアドバイザー
医学博士
白川修一郎さん

睡眠評価研究機構代表。国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所客員研究員。江戸川大学睡眠研究所客員教授。日本睡眠改善協議会理事長・主な著書に『ビジネスパーソンのための快眠読本』(ウェッジ)など。

集中力、認知機能の低下から、抑うつ症状のリスク上昇まで…。恐ろしい睡眠負債の弊害!

そもそも“睡眠負債”とは、一体どういった状態をさすのだろう?

白川さん「“睡眠負債”とは、睡眠時間の不足や、質的に悪化した睡眠により、睡眠の役割が適切に働かない生活が続き、それが解消されずに蓄積している状態を示す言葉です。

この睡眠負債の蓄積によって、集中力・注意維持の低下や記憶・学習・認知機能の低下、感情制御機能の低下など、脳機能への影響があると考えられています。日々の生活や仕事になんらかの支障があることは間違いありません。また、創造性・論理的思考力の低下や意欲、自己評価の低下、精神性ストレスの蓄積、抑うつ症状のリスク上昇など精神的な面にも影響し、自殺リスクも上昇するとされています。さらには、アルツハイマー型認知症発症リスクの上昇などが知られています。適切な睡眠時間は、健康な精神状態を保つために必要不可欠なのです。

身体機能への影響では、高血圧の発症リスクや突然死のリスク上昇、乳がん・結腸直腸癌の発症リスク、肥満、タイプ2型糖尿病の発症リスクの上昇、機能性便秘や過敏性腸症候群のリスク上昇などが報告されています」

適切な睡眠時間は7時間。睡眠負債の解消法は、睡眠状態を記録し把握すること

悪い影響ばかりの睡眠負債。白川さんによれば、溜まった負債を“返済”する方法もあるという。

白川さん「睡眠負債の解消法は、適切な睡眠時間と質の良い睡眠を確保することです。どうしても睡眠時間が不足した場合には、早いうちに睡眠負債を返済しましょう。

まずは自分の睡眠状態、睡眠習慣を日々記録し、日中の状態(パフォーマンス、気分、眠気など)を把握すること。睡眠状態や日中のパフォーマンス状態が悪化しているなと感じたら、早急に睡眠を確保するよう努めてください。

睡眠負債解消の第一歩は、睡眠履歴と日中のパフォーマンスを見直し、自分の睡眠を理解すること。そして、睡眠と3食の時間を規則的にとり、朝にしっかり外光を浴びるなど生体リズムの規則性を保ち、7時間程度の睡眠時間を確保しましょう。また、QOS(睡眠の質)の向上も重要。寝つきの良さを工夫すれば睡眠の質もあがるので、寝る前にスマホやPCをいじらない、寝る前にぬるめのお湯に入り、アロマの香りで心身をリラックスさせる、などとともに睡眠環境を整備することも大切です」

気づきにくい睡眠負債。睡眠は生活習慣のベースだということを忘れずに!

睡眠負債解消のために気をつけておくべきことは、なんだろうか?

白川さん「睡眠負債は日々のことなので、意外に気づき難いものです。毎日1時間の睡眠負債でも10日間蓄積すれば、午後5時の脳と体は深夜と同じような働きしかできない状態になります。睡眠は基本的生活習慣のベースだということを忘れず、負債を貯めないような生活を心がけましょう」

最後にアドバイザーからひと言

「睡眠負債の解消に興味を持った方は、関連書籍を読むなど、より多くの知識を得るようオススメします」

Text by Akeno Kataoka(Seidansha)