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【男の隠れ家】毎夜繰り広げられる三線ライブと郷里の味 沖縄パラダイス

日本全国、津々浦々。お国自慢の旨い料理はたくさんある。男の隠れ家がお勧めする、東京で気軽に食べられる郷土料理の店を厳選してご紹介しよう。

沖縄料理に舌鼓を打ち三線ライブで歌い踊る。陽気な南国を満喫しよう。
上/玉城伸吾オーナーのつま弾く三線の音色に合わせて、一緒に歌い踊るお客さんたち。陽気で楽しいライブが続く。右下/店内は沖縄らしい演出で楽しさ満点だ。左下/沖縄の泡盛のカメが並ぶ。

豚肉を煮込んだスープが
沖縄料理の隠し味になる

日本の最南端県・沖縄。沖縄本島は九州と台湾のちょうど中間地点に位置して、石垣島、宮古島などはむしろ台湾に近い。このポジションこそが沖縄の歴史や食文化を決定づけた要因といっていいだろう。

15世紀に統一された琉球王国は、中国の清、明との朝貢貿易で栄え、江戸時代になると薩摩藩の支配を受ける。その結果、日本と中国の政治経済、文化の影響を受けることになった。食文化も同様で、両者の影響を受けつつ、亜熱帯という気候に合わせた独自の食文化を育んできた。太平洋戦争後にはアメリカ軍によりアメリカの食文化の影響も受けた。

「沖縄は国同士の交易で生きてきた国。他県とは一線を画した歴史があります。沖縄料理の代表・チャンプルーは、ご存じ、混ぜるという意味。沖縄はチャンプルー文化なんです」と語るのは、「沖縄パラダイス」の玉城伸吾オーナーだ。7年前に新宿・歌舞伎町の一角にオープンした。料理が美味しいと評判で、「ゴーヤーチャンプルー」がヤフーJAPANランキングで口コミ評価ナンバーワンになったことで知られる。

まずは日本一の味を味わってみた。ゴーヤー特有の苦味が少なく、洗練された味。他店のゴーヤーチャンプルーとの違いを玉城さんに聞いたところ、指さしたのが厨房の大鍋だ。

「ラフテーを煮込んでいます。肉汁が溶け込んだスープをほとんどの料理に使う。スープが命です」

ゴーヤーやスパムなどを軽く炒めスープを入れて煮る。肉汁の旨味が染み込むと同時に、ゴーヤーの苦味が取れて食べやすくなるそうだ。あっさりした味の中に旨味が凝縮された、絶品チャンプルーだった。

沖縄料理といえば、豚肉料理が有名だ。ラフテーは三枚肉(バラ肉)を煮込んだ、中華料理の角煮に近い。てびちは豚足、ミミガーは耳皮、チラガーは顔皮など、あらゆる部位を食して、「ヒヅメと鳴き声以外は全て食べる」といわれている。これは中国料理の影響といえる。    
①泡盛にピッタリの珍味「スクガラス」アイゴという魚の稚魚を塩漬けにした、塩辛の一種。数センチの小さな魚だが、独特の塩辛い風味で酒の肴にピッタリだ。豆腐に乗せて食べる。②必ず作られる家庭料理「ソーミンチャンプル」ゆでたソウメンをニラ、シイタケなどの野菜と炒める。隠し味にシーチキンを入れている。沖縄の代表的な家庭料理だ。③海の宝物は南国沖縄の名物「海ぶどう」沖縄珍味の代表。沖縄の海水で養殖し、大粒でボリュームたっぷりだ。噛むとプチプチと弾けて海の風味が口中に広がる。
泡盛は約30種を揃えている。玉城さんのお勧めは地元で人気の「くら」。「軽くて飲みやすいのに泡盛らしいクセがある」そうだ。
上/沖縄の揚げ菓子・サーターアンダギーが土産に。右/調理場の暖簾にも「島唄」。

老いも若きも男も女も
美味しい料理と酒に酔い
三線ライブに盛り上がる

酒肴となる珍味も多い。スクガラスはアイゴという魚の稚魚を塩漬けして熟成させ、塩辛のように発酵させたもの。豆腐の上にのせて食べる。海ぶどう、島らっきょなど、沖縄らしい食材で作る郷土料理も多い。

「昔の沖縄は長寿だったけど、戦後ジャンクフードが入って駄目になった。昔の沖縄料理は〝命薬〟といい、病気になると食べ物で治した。健康に良い料理が多かった」

沖縄のおじい・おばあの元気の源、それが独自の食文化を発展させた沖縄料理だったのだ。

酒はもちろん泡盛だ。ロック、水割りもよいが、シークワーサー割りにすれば、南国らしい味を楽しめる。

店内は泡盛を飲んで沖縄の郷土料理を食べて、元気いっぱいの若者たちで毎晩、満杯になる。客の8割が予約客で、週末には予約が取れないといわれる人気店だ。その理由は毎晩行われるライブにある。

この夜も21時を過ぎた頃、玉城さんが座敷中央のステージに立ち、三線を手にした。週末の金曜と土曜日にはエレキギターの伴奏も付く。

「私がイーヤーサーサーと言ったら、ハーイヤと合いの手を入れてね」

玉城さんの三線に合わせて、店内のお客さんが合の手を入れる。初めは控えめに、だんだんとボルテージが上がっていった。最初の歌は「遊庭(アシビナー)」。続いて「海の声」「島人ぬ宝」。途中から手を上げて左右に振る客の姿も。そして沖縄式乾杯で「アリッカンパーイ!」、続いて「オジー自慢のオリオンビール」「島唄」とみんなで大合唱だ。お客さんも立ち上がり一緒に歌い踊る。

玉城さんが三線のテンポを速めたりゆっくりさせたり、自在にその場の雰囲気を盛り上げる。実は玉城さん、若かりし頃は文学座に入り、俳優をしていた。エンターテインメントに長けているのも頷ける。

美味しい沖縄料理を食べて泡盛を飲んで、三線の音に合わせて歌い踊る。沖縄気分を新宿で満喫できる。憧れの沖縄は遠くてなかなか行けないという人に、ぜひお勧めしたい。
右上 子供も大人もみんな大好き!「ポークたまご」スパムの薄切りを卵で優しく包んだ一品。ご飯のおかずにも酒肴にもなる家庭の味だ。スパムは戦後にアメリカ軍とともに沖縄に入ってきた食材でポーク・ランチョンミートの缶詰。沖縄料理ではよく使われている。卵との相性も抜群だ。/左上 泡盛で仕込む「ラフテー」豚肉の三枚肉(バラ肉)を、泡盛と自家製の特製ダレで約3時間煮込んだ。沖縄の角煮は皮付きのまま煮込むことが特徴で、中華料理の影響を受けている。皮の周辺のコラーゲンがたっぷりと含まれ、大きな塊が箸で簡単に切れるほど柔らかい。/左下 コラーゲンたっぷりの健康食「てびち」豚足の煮込み料理。骨の周りに肉とコラーゲンたっぷりの脂肪が付いている。ちょっとグロテスクだが、食べ始めると美味しくて箸が止まらない。
おばあの味といえば「ゴーヤーチャンプルー」混ぜて炒める沖縄料理チャンプルーの代表。ゴーヤーに豆腐、スパム、卵などを入れて炒める。ゴーヤーがたっぷりだが、スープを加えることにより、苦味が少なく感じる。最後に卵を加えることで、さらに苦味が取れて美味しく、食べやすくなっている。
ラフテーとカツオの出汁が決め手「沖縄そば」はコシのある八重山産。肉汁スープをベースに昆布、沖縄産荒鰹節で出汁を取る。あっさりとしてコクもあるスープだ。泡盛に漬けた島とうがらし・コーレーグス(画像左)を入れると、また別の味わいに。
画像右/みんなで「カリー!かんぱーい!」隣のお客さんとも「乾杯!」。画像左2点/誕生日パーティのクライマックス。バースデーケーキの持ち込みもOK。誕生日のお客さんには特製グラスの生ビールをプレゼント(要予約)。
おきなわぱらだいす

東京都新宿区歌舞伎町1-2-16
第一オスカービル3F
☎03-3202-1639 営業時間/月〜木・日17:00〜24:00(23:30LO)、金土17:00〜翌2:00(1:30LO) 定休日/年末年始 アクセス/JR「新宿駅」より徒歩5分