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塩分過多はNG! ウォーキングが改善に効果!? 頻尿を招く生活習慣

1日の排尿回数が7回を超えると生活に支障があるとされる“頻尿”の症状。病気が原因で起こる場合のほか、日々の習慣によって引き起こされる場合もあるという。専門医に頻尿を招く生活習慣について聞いた。

■今回のアドバイザー
北上中央病院 泌尿器科 副院長
菅谷公男さん

筑波大学医学専門学群卒業。筑波大学、秋田大学、旭川医科大学、ピッツバーグ大学と琉球大学で泌尿器科全般と排尿の基礎研究を行い、排尿障害治療と泌尿器超音波診断(エコー検査)が専門。現在勤めている、北上中央病院泌尿器科では泌尿器疾患全般の診療を行っている。

こまめすぎる水分の摂取が日中の頻尿を引き起こす可能性も

菅谷さんによれば、頻尿の原因には、病気由来のものと生活習慣が原因となっているものの2種類が考えられるという。

菅谷さん「頻尿を招く生活習慣のひとつに、水分の摂りすぎがあります。マスコミは熱中症や脳梗塞予防としてこまめな水分摂取を勧めますが、夏場にはそれを真に受けて、水分を大量に摂取したり、水分摂取を勧めたりする人が多くなります。しかし、もともと頻尿気味の人や、夜間頻尿の人は体内の水分量がもともと多いことが排尿回数に影響しているので、ムリに水分を摂取する必要はないんです」

また、塩分の摂りすぎが頻尿につながることもあるそう。

菅谷さん「塩分を摂取すると、それと同時に体内の塩分濃度を下げるために水分を溜め込みます。水で過剰に摂取した塩分を薄めて尿として排出するため、トイレの回数が増えてしまうのです。また、塩分の摂りすぎで高血圧状態がつづくと日常的な頻尿と夜間頻尿を招く原因となります」

病気が隠れていなくとも、とても厄介な頻尿によるトラブル

水分や塩分の摂りすぎが招く頻尿。しかし、ただトイレが近いだけでは済まされないケースもある、と菅谷さん。

菅谷さん「頻尿の状態が続くと、常にトイレの場所を気にして移動にかかる時間と排尿の間隔を意識して生活をしなければならなくなります。その結果、集中力が低下してイライラを感じやすくなってしまうのです」

頻尿のために、長距離の旅行や長時間の会議や仕事に弊害が生まれ、経済的な損失が生じて生活の質が落ちてしまう可能性があるのだ。

菅谷さん「また、ストレスが頻尿につながるケースもあります。心因性頻尿は緊張感が引き金になるので本人も自覚していることが多いのですが、治療が難しいのが現状です。抗不安剤などを治療に用いますが、環境そのものを変えなければならないことも。もし、排尿回数が多くて困る状態が数日続くようなら、医療機関を受診したほうがよいでしょう」

排尿回数に不安を感じる人は、まず水分量を減らす。夜のウォーキングも効果的

一般に、1日8回以上トイレに行きたくなるのが頻尿のサインという。では1日7回以下でも、なんとなく不安を感じる人はどう対策をとるべきだろうか?

菅谷さん「まずは水分摂取量を減らしてみてください。清涼飲料水でも、アルコール類でも量を減らすことが先決です。この対策後に排尿回数が減れば、これまでが水分の摂りすぎだったことがわかります」

また、夜に果物をたくさん取るのも、水分摂取と同じなので気をつけよう。

「夜間頻尿が気になる方にも共通しますが、就寝前にお風呂にゆっくり浸かって汗をかくのもひとつの方法。そのほか、夜のウォーキング習慣を身につけると、体が適度に疲れて睡眠深度を深めるので、夜間の尿意解消にも効果的です」

最後にアドバイザーからひと言

「頻尿のほかに、残尿感や下腹部・会陰部の不快感があれば、重大な病が隠れている場合があるのですぐに医療機関を受診しましょう」

Text by Miki Ohnuki(Seidansha)