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【男の隠れ家】体の基礎は栄養素のトライアングルから 三大栄養素が作る 健康な体

ヒトが通常の生活を送る上で大切なのが栄養素だ。なかでも三大栄養素といわれる「タンパク質」「脂質」「炭水化物」は人間の生命維持活動にとってなくてはならないものである。
三大栄養素を多く含む食材は何なのか、不足すると人間の体にどんな影響を及ぼすのかを知っておこう。

●監修
圓尾 和紀

“日本人の体に合った食事を提案する”フリーランスの管理栄養士。大学、イギリス、大学院で7年間栄養学を学んだ後、総合病院勤務を経て2013年に独立。日本の伝統食を基本にした食べ方を、講演や執筆活動を通じて伝えている。その他、ファスティングの指導、TVや雑誌の出演も。

人間の生命維持に欠かせない
三大栄養素を知ろう

私たちが健康的な生活を送るためには、適度な運動が必要だとか、規則正しい生活を送ることが大切だ、といった様々な要件が挙げられる。さらに重要な要素として、食生活を外すわけにはいかない。しかも単に栄養を摂るだけではなく、栄養のバランスを考えた食生活がとても大事になってくるのだ。

普段口にする食事には色々な栄養素が含まれているが、ここでは、健康な体を作る上で大切な、そして特に人間の生命維持や身体活動などに欠かせないエネルギー源となっている「三大栄養素」について知ろう。

三大栄養素とは「タンパク質」「脂質」「炭水化物」をいう。どの栄養素が不足しても生命活動や身体活動に影響を及ぼす大事なものなのだ。特に現代人はファストフードやコンビニ商品などを過剰摂取する傾向があるため、食生活そのもののバランスが偏りがちだ。また、バランスの良い食事を心がけていても何かが欠けていることもある。そこでこれから解説する三大栄養素を多く含む食材を気にして摂っていくよう意識したい。

筋肉や臓器、そして血液、皮膚など人間の体そのものを作る栄養素
「タンパク質」

タンパク質はよく耳にする誰でも知っている栄養素のひとつだ。筋肉や臓器、血液といった人間の体の組織の大事な部分はタンパク質で構成されている。人間の体重の5分の1ほどをタンパク質が占めている、と聞けばその重要性は理解できるはずだ。

タンパク質は多くのアミノ酸が結合してできていて、食材の中に含まれるタンパク質は体内で消化されアミノ酸に分解される。なかでも体内で作られないため食品から摂らなければならないアミノ酸は「必須アミノ酸」と呼ばれている。必須アミノ酸は肝臓の機能を高めたり、精神の安定作用を持つもの、人間の体の修復に役立つものなど、どれをとっても人間の健康や生命活動には必要不可欠なのだ。

アミノ酸は肉や魚などに含まれる動物性タンパク質、豆腐や納豆などの大豆に含まれる植物性タンパク質があり、バランスの良い必須アミノ酸を多く含んでいる。

しかし、動物性タンパク質ばかりに偏るとコレステロール過剰となり、肥満、脂質異常、動脈硬化などの生活習慣病の引き金になってしまう。多く摂りすぎたタンパク質を体外に排出する際にはカルシウムが大量に必要となるので、骨粗鬆症の心配も出てくる。かといって植物性タンパク質だけだと栄養の偏りが心配だ。さらに、この必須アミノ酸が不足すると体力の低下、貧血、発達障害などを引き起こすので、やはりバランスが大切になってくる。

1日に必要な量は、男性の場合約70g、女性では60gとなっている。

このタンパク質が含まれている代表的な食材は、大きく分けると、肉類、魚介類、卵、大豆食品、乳製品となる。なかでも魚介類の含有量は多い。
(画像左上)牛肉(腱・すじ) 28.3g、(画像右上)煮干し 64.5g、(画像左下)シラス干し 40.5g、(画像右下)イワシ(丸干し)32.8g ※食品100g当たりに含まれるタンパク質の量

脳機能の盛り上げ屋そしてビタミンの運送業
「脂質」

脂質というとあまりイメージが良い栄養素ではないというのが一般的な理解だろう。俗に言う〝アブラ〟なのだ。したがって、摂りすぎると肥満や生活習慣病などの原因となってしまうことになる。かといって不足すると血管がもろくなったり、皮膚障害を起こしたりする。しかし、三大栄養素の中では生み出されるエネルギーの量は最も高く、1g当たり約9kcalとなり、人間にとって大切なエネルギー源となる。身体活動にとってはなくてはならない栄養素なのだ。また、細胞膜の成分を作ったり、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収を手助けするなどといった重要な役割もある。

脂質は大きく「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分けられ、「飽和脂肪酸」はバターや、肉の脂身など動物性脂肪に多く含まれている。この飽和脂肪酸を摂り過ぎると、血液中にコレステロールや中性脂肪が増えてしまい、そうなると、動脈硬化や心疾患などの危険性が高まることになる。一方「不飽和脂肪酸」にはオレイン酸などが含まれていて、その含有量はオリーブ油などの植物性油脂の方が動物性のものより上回っている。オレイン酸は酸化されにくく、ガンの要因になりづらいという。さらに動脈硬化の原因になるとされる悪玉コレステロールを減らすといわれている。

脂質が含まれる食べ物としては、肉類、魚介類のほかにナッツ類、油・マヨネーズなどがある。1日の脂質の必要量は成人男性で約55gとなり、1日に必要なエネルギーの25%前後を脂質で摂るようにするのが良いとされている。ちなみに日本人の食生活の脂質の平均摂取量は25%と理想的で、動物性、植物性脂質の割合もベストバランスだという。
(画像左上)バター 81.0g、(画像右上)クルミ 68.8g、(画像左下)ゴマ 54.2g、(画像右下)牛バラ肉 50.0g ※食品100g当たりに含まれる脂質の量

炭水化物が分解されたブドウ糖だけが脳や筋肉、血液にエネルギーを送っている
「炭水化物」

炭水化物というと、なんだかダイエットの敵のような扱いを受けているイメージがあるが、実は人間の体にとって欠くことのできない重要な栄養素のひとつなのだ。

炭水化物は「糖質」と「食物繊維」に分けられ、先に述べたダイエットは糖質制限のことを指す。糖質は体の中に入るとすぐに消化・吸収されてエネルギーに変換される。そのため不足すると疲労、不眠、体力不足となり、生命維持活動にも危機を招くことにもなる。特に脳や神経系は基本的に炭水化物が体内で消化・分解されたブドウ糖だけをエネルギー源とするので、その一点でも大変重要なのが分かるだろう。故にただ単純に糖質だけを制限するダイエットは大変危険なことが分かる。さらに筋肉の量が減ったり、代謝機能に障害が出たりする可能性もある。ただし過剰に摂取することも肥満に繋がり、生活習慣病の原因にもなりかねないので注意が必要だ。エネルギーとして使われないブドウ糖はグリコーゲンとして肝臓等に蓄積され、その都度ブドウ糖になって体内の放出されてエネルギーとなる。

食材としては白米、パン、根菜類などに糖質が多く含まれる。

一方、食物繊維は炭水化物の一種だが、消化されないので腸内の有害物質を取り込み排出を促進したりするため、腸内の環境を整える作用がある。さらに糖質・脂質などの吸収の緩和作用があることも知られている。食材の中ではキノコ、海藻、果物、根菜類に多く含まれている。不足すると便秘になったり肥満などの生活習慣病の原因にもなる。また過剰に摂取すると必要な栄養素の体内吸収を妨害することがあるが、通常の食生活を維持していれば食物繊維の過剰摂取を招くことは希だ。
(画像左上)薄力粉 75.9g、(画像右上)トウモロコシ 70.6g、(画像左下)もち 50.3g、(画像右下)食パン 46.7g ※食品100g当たりに含まれる炭水化物の量

■五大栄養素ってなに?

「タンパク質」「脂質」「炭水化物」の三大栄養素に「ビタミン」「ミネラル」を加えたものが一般に五大栄養素といわれている。ビタミンは体内の代謝を手助けする働きがあり、健康な体を維持する役目を担う。ミネラルもビタミンと同様に代謝を助ける役目があり、さらに一部のミネラルはエネルギーとなる。どちらも必要量は少量なので微量栄養素とも呼ばれる。

■コンビニ食品の裏側ラベルで栄養バランスを知る

コンビニで買った食品の成分表を見て三大栄養素のバランスをチェックしてみよう。炭水化物(C):脂質(F):タンパク質(P)のエネルギー比率が60:25:15が理想。写真の成分表を欄外の計算式で算出したものを円形グラフに表示した。正三角形に近いほどバランスが良いということになる。(例)写真の成分表のタンパク質は 4.5g×4÷248×100=約7.3%となり理想の比率のおよそ半分しか含まれていない。