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【おとなの週末】日本の国技の魅力をとことん解剖 「大相撲」観戦ガイド

今年1月、稀勢の里が横綱に昇進し、19年ぶりの日本出身横綱誕生に湧く大相撲界。同時に、17年ぶりの四横綱時代に突入し、若貴ブーム以来の盛り上がりを見せている。この平成の世に髷を結い、廻しを締めた力士が裸でぶつかり合う、大相撲の魅力を待ったなしに紹介!

今こそ知りたい大相撲の世界と両国国技館の歩き方

大相撲の歴史に残る数々の名勝負が繰り広げられてきた相撲の聖地・両国国技館。実は現在の国技館は3代目で、初代は江戸時代に相撲が興行されていた両国の寺院・回向院の境内にあった。明治42年(1909)に開館し、火災や震災による焼失と再建を経て、昭和25年(1950)以降は蔵前国技館で本場所を開催。そして昭和59年(1985)に、地上3階、地下2階建ての両国国技館が完成した。 観客席はすり鉢状の造りで、四方から相撲を観戦できる。神聖な土俵は、場所ごとに造り変えるのも大相撲では常識だ。本場所初日の前日には「土俵祭」が執り行われ、行司が祭主となって土俵の中央に穴を開け、勝栗や洗米、塩といった縁起物を鎮めて祝詞を上げ、土俵を清める。

本場所は年6回で、原則として奇数月の第2日曜~第4日曜の15日間連続で開催。本場所以外の月は地方巡業を中心に、部屋稽古や地方合宿をこなす。つまり、力士にオフシーズンはない。本場所では、十両以上は1日1番、幕下以下は2日に1番のペースで取組が組まれ、序ノ口~幕内の各段で計6人の優勝力士を決める。テレビの大相撲中継のイメージからか、「相撲は夕方」と思っている人も多いが、早くも朝8時半から取組は始まっている。十両・幕内は取組前に化粧廻しを締めて土俵入りを行い、横綱は太刀持ちと露払いを従えてひとりずつ土俵入りを披露。ちなみに土俵入りの型は2種類あり、白鵬と日馬富士は「不知火型」、鶴竜と稀勢の里は「雲龍型」で、綱の結び目とせり上がりに違いがある。

実際に国技館に行ってみると、取組以外にも見どころが多いことに驚かされる。まず、入口には人気力士・遠藤のお姫様抱っこパネルや、四横綱の等身大パネルが並び、記念撮影をする人たちでにぎわう。館内グルメも充実していて、国技館名物の焼き鳥や、各部屋のちゃんこ長が監修する「相撲部屋ちゃんこ」が好評だ。構内には、「相撲博物館」や、新弟子たちが通う相撲教習所もあり、まさに相撲のテーマパーク。最近はチケットが取りにくい状況だが、早めに観戦日を決めて、前売り券の発売日に備えたい。

国技館内観

両国国技館の場内中央には、1辺6.7mの土俵が鎮座。そのまわりをぐるりと囲む座席は、正面・向正面・東・西の4方面に区分され、それぞれ1階の土俵に近い場所から順に、通称“砂かぶり”と呼ばれる溜席、桝席、ボックス席が並び、2階はすべて椅子席。天井近くには、幕内優勝力士の優勝額が掲げられている

屋形と土俵

屋形は吊り屋根で、伊勢神宮と同じ神明造り。屋根の四隅を飾る4色の房は、四季と方位を守る神を表す。桜の紋章が入った水引幕を取り付けているのは、相撲は古来、地鎮・鎮魂の奉納神事だった名残。土俵には66個の俵が使用されていて、円形の部分は16個の勝負俵で構成。側面には土俵に上がるステップとして、踏み俵が設置されている

■わかればもっと楽しくなる 相撲基礎用語の解説

勝負規定

 相撲のルールはいたってシンプルで、足の裏以外の体の一部が土俵または土俵外に先についたら負け。頭髪が砂についても負けだが、相手を倒しながら瞬時早く髪がついた時は負けにならない。また、廻しが外れた場合は「不浄負け」といって反則負けとなる。俵に乗った足先やかかとが外に出ていても、土俵外の砂についていなければセーフ。
土俵外の空中に足が飛んで土俵内に戻った場合、土俵外の砂がつかなければ負けとならない。相撲は土俵際がおもしろいのである

決まり手

 決まり手は勝負を決めた技のことで、現在は82手。これ以外に、勇み足など技ではない勝負結果が5つある。圧倒的に多いのは、寄り切りと押し出しで、投げ技、叩き込み、突き落としもよく使われる。今年の初場所では、宇良が65年ぶりに「たすき反り」を決め、話題となった。
めったに出ない珍手の「たすき反り」とは、たすきを肩に回してかけるように、相手を肩に担ぎながら体を反らせて後方に落とす技のこと。ちなみに右のイラストは「下手投げ」

立ち合い

 相撲の勝敗を大きく左右する立ち合い。いかに先手を取るかが重要で、全体重をかけて頭から相手に当たっていく「ぶちかまし」のほか、平手で顔を張る「張り差し」、両手で肩や胸を突く「もろ手突き」、奇襲策の「猫だまし」など、相手の取り口によって使い分ける力士も多い。