pixta_26848315_S_R(2)
- 痩せる!ランニングダイエットで効果を出すコツ -

【マラソン】走った後のクールダウン&ケア方法、どうすれば?

「健康のために」という気持ちで始める人が多いマラソンだが、そんな当初の目的に相反して、マラソンが原因で体を壊してしまうランナーも少なくない。健康にマラソンを続けるためのクールダウン&ケア方法を、Japanマラソンクラブの宮川誓代表に伺った。

■今回のアドバイザー
Japanマラソンクラブ総支配人
宮川 誓

運動指導歴25年。都内スポーツクラブでフィットネスクラブでの指導や、屋久島『フィットネスセンター』の開設、支配人兼トレーナーなどの経験を経たのち、2007年よりJapanマラソンクラブにおいて、市民ランナーへの指導に特化して会員制のスクール事業の確立を進め2017年より代表に。健康運動指導士、JADA(中高年齢者雇用福祉協会)健康講師としても全国各地の行政、公官庁や企業において健康管理の講演・保険指導、運動指導活動も並行して行っている。一般社団法人日本ライフタイムスポーツ協会認定ジョギングマスターインストラクター。JMCランライフ株式会社代表取締役。

完走後の疲れた体はすぐに休ませてはいけない!?

市民スポーツの中でも故障する人が多いとされるマラソン。「ランナー障害」という言葉もあるほどだが、マラソン後はどのように体をクールダウンするのが正解なのだろう?

宮川さん「マラソンは長距離・長時間の持久的運動です。大会出場後はもちろん、日常の練習後でもクールダウンは欠かせません。具体的には、走った後にすぐに座り込んで動かないのではなく、少しウォーキングを続けること。軽く動き続けながら徐々に体をリラックスさせ、心身をまず落ち着かせていくことが重要です。ただ歩くだけでもよいですが、筋肉の使い方を反転させリラックスさせる『後ろ歩き』もよいですよ。

心拍数を落ち着かせた後は、「なるべく早く体を冷やす」のが肝要だという。

宮川さん「銭湯や健康ランドなどで水風呂に浸かれたら最高です。冷水シャワーを主に下半身にまんべんなく一定時間当て続けるだけでもOK。走った後に違和感のある個所や痛めた個所などには、氷嚢やアイスパック、アイスバンテージなどで速やかに強めのアイシングを行って下さい。マラソンのあとはシャワーで済ませず、疲れを軽減させるお風呂(お湯)に入ることをオススメします」

炎症を放置せず、とにかく冷やすべし!

このようなクールダウンを行うことで、マラソン後の体を次のような症状から守ることができる、と宮川さん。

宮川さん「長時間、長距離を走った後は、体温も上がっていて体は興奮状態です。心拍数、呼吸数、体温を下げるためには、体を興奮状態からリラックスさせ交感神経優位から副交感神経優位の状態に戻していく必要があります。また、いわゆる『ランナー障害』と呼ばれる症状の多くは、腸脛靭帯炎、アキレス腱炎、足底腱膜炎などの炎症です。単純で同じ動作を長時間続けることで、関節や筋肉、靭帯、腱などの結合組織に炎症が起きてしまいやすいのです。炎症を防ぐための最も有効な方法は冷やすこと。体が熱いまま放ってくと、筋肉は硬くなり、弾力を失います。炎症は慢性化すると疼痛(普段は平気だが、走りだすとうずくように痛む)を感じるため、マラソンを楽しむことが難しくなってしまいます」

ビールの前に…ノンアルコールドリンクで水分補給

体をゆっくりと落ち着かせること、炎症を冷やすことの他、ストレッチやマッサージといったケアも体の負担を軽減するのに効果的だ。

宮川さん「マラソン後には入念なストレッチを行いたいところですが、長時間走った後の筋肉は、ずっと同じリズム・角度で収縮を繰り返していた後なので、強い力で関節の角度を変え筋肉をストレッチしようとすると攣ってしまう場合があります。そのためにも、ウォーキングや入浴などで体をまずほぐすことが大切。体を緩めてからストレッチをしてください。

体をケアするストレッチは、静的なストレッチ(スタティックストレッチ)といわれる。筋肉をじんわり伸ばし、呼吸を吐いてリラックスしながら、最低20秒くらいはじっとして筋肉を弛緩させていくと、疲労回復、筋肉痛の軽減につながるそうだ。

宮川さん「さらに、ストレッチと合わせて、セルフマッサージもオススメです。筋膜リリースといって、筋肉を覆っている膜を外から圧してほぐすアプローチが有効です。専用のローラーなどのアイテムもありますが、テニスボールや野球のボールなどでお尻や腿、ふくらはぎなどをコロコロしてあげるだけで、身体が軽く感じすっきりします。男性はあまりやる人が少ないようですが、マッサージオイルをふくらはぎや腿に優しく擦り込むセルフマッサージもいいですね」

また、誘惑に抗うのは至難の技だが、「走った後にすぐビール!」もNGなのだそう。

宮川さん「運動後にビールを飲みたい気持ちは分かりますが、すぐにアルコールを身体にいれるのは危険な場合も。運動中に十分に水分を摂っていたとしても、終了後にも汗がしばらく止まらないこともあります。そんなときにアルコールを摂ると、脱水に拍車がかかり危険です。終了後は速やかに水分補給と糖質、たんぱく質の補給を心がけて。使ったエネルギー=糖質を補給する意味でも、オレンジジュース、スポーツドリンクを速やかにとってください。マラソン大会に出ると、完走後にもらうバナナやみかん、スポーツドリンクを貰えることがありますが、これらはお土産ではなく迅速に飲んで食べましょう!」

最後にアドバイザーからひと言

「クールダウンやケアは、トレーニングと同じくらいの重要。楽しいはずのマラソンで体を壊したりしないためにも、走ることは体に負荷をかける運動であることを理解して、ケアを怠らないようにしてください」

text by Takumi Arisugawa