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BMW G310R──普通二輪免許で愉しめる現代の単コロ

BMWモトラッドが2017年6月にリリースした新モデル『G310R』がバイク通の間で、大きな話題となっている。普通自動二輪免許で運転できる排気量の単気筒エンジンに軽量ボディ、ヒラヒラと操れる操作性が大きな特徴で、こうしたことから21世紀の“単コロ”として評判を呼んでいるのだ。

超軽量ボディに高出力エンジンを搭載したBMWモトラッド初の単気筒スポーツモデル

単コロとは単気筒エンジンを搭載するバイクのこと。BMWモトラッドにとって初の単気筒マシンとなる『G310R』は、革新に満ちた“スポーツモデル”。まず注目すべきは、そのスタイルや装備よりも、搭載するエンジンだ。

新開発の排気量313ccの液冷単気筒エンジンは、4バルブDOHC(ダブル・オーバーヘッド・カムシャフト)に電子制御燃料噴射システムを装備する。これだけなら目新しくないが、最大の特徴は、通常のエンジンは前傾しているのに対し、『G310R』は後方に傾斜したシリンダーを備えていること。さらに、シリンダー・ヘッドの向きを180度回転させてインテークを前側に配置し、排気は後方としていることである。

このレイアウトによって、車体の重心位置がより低くなり、フロントホイール方向へと移動。こうしたことから、『G310R』はより俊敏で、コントロールしやすいバイクに仕上げられているのだ。そして、最高出力25kW(34ps)/9500 rpm、最大トルク28Nm/7500 rpmを発生するエンジンと158.5kgの極めて軽い車両重量との組み合わせは、秀逸のひと言につきる。

この車両重量だが、BMW『RnineT』が222kg、ヤマハ『SR400』が174kg、250ccのヤマハ『MT-3』でさえ165kgあることを考えれば、いかに『G310R』が軽く、その軽量ボディに高出力・高回転(単気筒)エンジンを載せているかがわかるはずだ。

充実の装備に国産バイク並みの低価格、コストパフォーマンスが高いBMW『G310R』

スタイリングは、ロードスターモデルの『S 1000 R』の流れを汲み、また、アスリート・ファミリーの血筋を引くもの。逆三角形が印象的なヘッドランプを配する小柄なフロントマスク、ダイナミックな造形のフューエル・タンク・トリム、そしてラジエーターを覆うエッジーなシユラウドと、現代的なネイキッドスタイルとなっている。なかでも目を引くのは、単気筒エンジンの仕様とは思えないマフラーの造形だ。このマフラーが力強さを演出する。
装備面では、ABS(アンチロックブレーキシステム)を標準装備。フロントには直径300mmシングルディスクにBYBRE(バイブレ)製の対向4ポッドラジアルマウントキャリパーを備える。リヤは直径240mmのシングルディスクだ。ちなみに、このバイブレというブレーキシステムは、Brembo(ブレンボ)によるBRIC市場やアジア市場向けのブランド。「知る人ぞ知る」というべき充実の装備である。

そして、もうひとつ忘れてはならないのが、『G310R』のコストパフォーマンスの高さだ。車両価格は、じつに国産バイク並みの58万円から(税込)。これはアジア市場に向けた戦略価格といっていいだろう。

コンパクトなボディと軽い車重により、『G310R』は取り回しがしやすく、一度走り出せば意のままにバイクを操れる面白さをライダーに享受してくれる。また、単気筒ゆえのスリムなボディによって、ワインディングではまさにヒラヒラとコーナリングが愉しめるに違いない。初心者はもちろん、女性ライダーやベテランライダーもバイクとの一体化が愉しめる『G310R』は、まさに現代の単コロなのだ。

Text by Katsutoshi Miyamoto