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プジョー3008──新たなベンチマークとなる注目SUV

「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー」は、欧州の5カ国以上の国で発売され、年間5000台以上の販売が見込まれる車から選ばれる。過去には、アルファロメオ『147』、フィアット『ニューパンダ』、フォルクスワーゲン『ポロ』『ゴルフⅦ』、プジョー『307』『308』、オペル『アストラ』、日本車では、トヨタ『ヤリス(日本名ヴィッツ)や日産『リーフ』などが受賞した。ライナップからわかるように、伝統的に小型車の受賞が多いのが特徴だ。そして2017年、その栄誉に輝いたのがプジョー『3008』である。

『3008』は、プジョーの日本市場における成長を加速させる使命を担った重要なモデル

新型『3008』は、5ドアハッチバックである『308』をベースとしたSUVモデル。現在のプジョーにとって、SUVは成長を牽引する大事なモデルだ。たとえば、2016年にデビューした新型『2008』 は最も力強い成長を見せた一台で、特に日本市場では前年比39%もの伸びを達成した。そして、『3008』は、その流れをさらに加速させる使命を担っている。それだけに、デザイン、パワートレイン、インテリアなど、それぞれにこだわりが詰まった一台となった。

エクステリアでは、Aピラーからリアスポイラーまで続くブラックダイヤモンドルーフが外観のプレミアム感を演出。ワンランク上の車格を思わせる。印象的なのはフロントマスクだ。直立したフロントフェイスと大型グリル、長くフラットなボンネットによって、先代モデルよりもスタイリッシュさが増した。また、高いウェストラインとワイドなプロテクター、大径18インチアロイホイールにより、全体的なバランスが統一され、ベースとなる『308』よりも洗練された印象を受ける。

ドライバー目線でデザインされた『3008』の新世代のコクピット「New i-Cockpit」

車内で特筆すべきは、ドライバーファーストを目指した新世代のコクピット「New i-Cockpit」だろう。アンビエンス(室内環境)調整機能により、画面(カラー)、パフューム(香り)、 間接照明照度、サウンド、ドライバースポーツパックなどから3つをドライバーの好みの環境としてメモリーできる。

スピードメーターやタコメータを表示する「デジタルヘッドアップインストルメントパネル」は、高画質12.3 インチデジタルディスプレイを採用した。標準的なメーターディスプレイモードから表示情報をカスタマイズできるパーソナルモードまで、4つのモードから目的に合わせて表示パターンを選択可能。躍動感あるデジタルグラフィクスで情報を表示してくれる。また、インストルメンタルパネルを含め、前方視界を確保するためにステアリングホイールの形を円形から上下をフラットにした楕円形に変更。これにより、足元のスペースも最大限確保されている。

SUVはアウトドアグッズなどを積む機会も多いと思うが、そういった意味では、ラゲッジルーム容量の拡大もうれしいポイントだ。容量は通常使用時で520L。先代より88Lも広くなっている。使い勝手も進化した。開口部と一体のラゲッジフロア、サイドの張り出しが少ないスクエアなスペースは実用性が高い。ワンタッチラゲッジルームフラット機能、前方可倒式助手席バックレスト、ハンズフリー電動テールゲートなど、細かい配慮が目立っている。

「猫脚」も健在、新プラットフォーム「EMP2」が実現した『3008』のしなやかな走り

車両自体は『308』をベースにしているが、心臓部はパワーアップされている。エンジンは1.6Lターボチャージャー付き直列4気筒。最高出力は121(165ps)kW/6000rpm、最大トルクは240(24.5kgm)Nm/1400-3500rpm。出力とトルクの数字自体は、特筆すべき値ではないかもしれないが、SUVの概念を覆すパワフルでしなやかな走りが印象的だ。その理由は、新プラットフォーム「EMP2」が実現したボディにある。CセグメントのSUVとしては軽量な1460㎏、加えて、プジョーのお家芸のひとつ、猫足と呼ばれる熟成されたサスペンションも相まって、充実した走りを実現した。

エンジンに組み合わされたパドルシフトでギアチェンジができるEAT6(6 速エフィシェントオートマチックトランスミッション)も忘れてはならない。このトランスミッションは、従来の機械式制御ではなく電気信号でシフト制御を行う。簡単でスムーズなシフトチェンジが先進的なドライビングに一役買っている。

SUVとしても充実した機能が搭載された。「アドバンスドグリップコントロール」は、駆動輪へのエンジントルクとブレーキを制御して滑りやすい路面での走行をサポートするトラクションコントロール機能だ。ESC (横滑り防止装置)のオン・オフに加え、「スノー」「マッド(泥、ぬかるみ)」「サンド(砂地)」など、路面状況に合わせて走行モードを選択できる。また、急な下り坂で繊細なブレーキングをすることなく約5km以下の低速で降りることができる「ヒルディセントコントロール」も新しく追加された。

『3008』の価格は354〜400万円、夏頃にディーゼルモデルが販売されることも決定!

価格は354万〜400万円と、タイプによって異なる。日本でのラインナップは、『3008 Allure(アリュール)』と『3008 Allure LEDパッケージ』の2タイプだ。加えて、限定80台の『3008 Allure DEBUT EDITION(デビュー エディション)』と限定180台の『3008 GT Line DEBUT EDITION』が準備された。夏頃には、ディーゼルモデルの『3008 GT BlueHDi』が加わることも決まっている。ディーゼルモデルのパワートレインは、出力180ps、トルク400Nmを発生させる2.0Lクリーン・ターボディーゼルにEAT6(6 速エフィシェントオートマチックトランスミッション)を組み合わせており、ガソリンモデルを凌駕する力強い加速が期待できそうだ。

CセグメントSUVは、国産車ならマツダ『CX-5』、輸入車ならBMW『X1』、メルセデス・ベンツ『GLA』など人気車種がひしめくカテゴリー。そのなかでも、『3008』は注目を集め、また、このカテゴリーをさらに活性化させる一台になることは間違いないだろう。

Text by Tsukasa Sasabayashi