資金よりも重要だった!?地方移住希望者が見落としがちなポイント
- 第二の人生はのんびり田舎暮らし、地方移住の始め方 -

資金よりも重要だった!?地方移住希望者が見落としがちなポイント

会社に属さない働き方や自由な暮らし方が注目される昨今、40代男性のなかにはアーリーリタイアを真剣に考えている人も少なくないだろう。リタイア後、地方へ移住して悠々自適な暮らしをするには、どんな準備が必要になるのだろうか?

■今回のアドバイザー

一般社団法人 移住・交流推進機構(JOIN)
田染賢一郎さん

企業と自治体が協力し、新たな移住・交流ビジネスの創造、地域の活性化を目的とした組織、移住・交流推進機構(JOIN)事務局に在籍。

地方移住で重要なのは移住先の選定

地方移住を真剣に考えれば考えるほど、必要な費用の総額に目を奪われがちで、移住先については「沖縄でオーシャンビューの家に住みたい」「北海道で野菜を育てたい」といったような、漠然としたイメージで決めてしまってはいないだろうか? これは移住が失敗する人によくあるケースだと移住・交流推進機構(JOIN)事務局の田染賢一郎さんはいう。

「例えば、“豊かな自然のなかで生活したい”という思いから移住したものの、実際は苦手な虫や生き物が多く、理想的な暮らしからは遠かったなどということもあります。移住先の選定をする際は、まず地方でどのような暮らしをしたいかのイメージを明確にした上で、イメージに合う自治体を探すことが大切です。自治体によっては、『おためし移住ツアー』などを行っているので、参加すると移住後のイメージがつかみやすいでしょう。また、季節を変えて何度も移住希望先を訪れ、その土地の人や風土、環境を知ることが失敗しないポイントです」(田染さん、以下同)

移住先を選定するにあたっては、移住系ウェブサイトでの情報収集や、『移住・交流情報ガーデン』といった移住相談窓口での相談、移住イベントに参加して自治体職員と直接話をするなどして、移住希望先のイメージをつかむといいそうだ。ちなみに、移住イベントについては、JOINのウェブサイトに各自治体から寄せられた情報が掲載されている。

田染さんによると、移住には他にも注意すべきポイントがあるのだとか。

「地域によっては、上下水道・ガスといったインフラがそろっていない、雪や台風などの気象条件への対応が必要など、想定外の費用が発生することもありますので、多方面から検討する必要もあります」

交通インフラが整った都市部で生活していると見落としがちだが、地方では運転免許証がないと、生活に苦労するケースもあるそうなので注意が必要だろう。将来設計のひとつに地方移住を入れているなら、今のうちから移住希望先に足繁く通いつめることが、なによりも大切な準備になる。まずは旅行がてら、いずれ定住するかもしれない地域の四季を楽しんでみてはいかがだろうか。

地方移住の初期費用を抑えたいなら助成制度を活用しよう

気になる費用面についてだが、移住先や住まいなどによって大きく異なるため、一概にいえるものではないと田染さん。そこで、初期費用を抑える方法を教えてもらった。

「自治体によっては空き家に要件を満たすリフォームなどをすると、かかった経費の一部を助成する制度があり、初期費用を抑えることができます」

リフォームの助成制度について、いくつか調べてみると、確かに自治体で差異があるようだ。2016年度の少し古い情報になるが、例えば、秋田県湯沢市の場合は、湯沢市空き家バンク(*1)に登録された空き家を利用して市外から移住・定住しようとする方に対し、空き家の改修にかかる経費の一部を助成する。売買の場合は、改修費用の2分の1以内(上限額100万円)を、賃貸の場合は、改修費用の2分の1以内(上限額50万円)が対象となる(参考例のため、詳細は自治体(湯沢市空き家改修事業補助金)に問い合わせが必要)。
※上記は2016年度にJOINサイトに掲載された情報。2017年度の情報は6月末に掲載予定となっている

「地域の人々と良好な関係を築くことにより、困難に直面した際には色々と助けてくれたり、農作物の御裾分けをいただけたりします。また、ご自身の特技・知識など、都会で培ったものを移住先で発揮できれば、より充実した地方暮らしになるのではないでしょうか」と田染さん。

都市部より不便の多い地方の生活に何より大切なのは、助け合いの精神やコミュニケーション能力。知識やお金以外にもあると、肝に銘じておきたい。

(*1)『空き家バンク』とは、自治体が地域住民から空き家情報を収集し、移住希望者へ情報提供しているもの

Text by Yoshiharu Nako (KOUMUTEN)