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カスタムMINI──自分だけの一台に仕上げる愉しみ

輸入車の勢力地図に2016年、変化が起きた。正規ディーラーによって構成される日本輸入車組合が1988年にモデル別販売台数の調査を開始して以降、ずっと首位を走ってきたフォルクスワーゲン『ゴルフ』が、初めてその座から陥落したのだ。『ゴルフ』に代わって首位に立ったのは、BMW傘下の『MINI(ミニ)』。人気の秘密は、ファッショナブルな外観に加え、ライフスタイルに合った選び方のできる豊富なボディバリエーションにあるという。しかし、忘れてはいけないのが、MINIならではのカスタムカルチャーである。MINIは“吊るし”で乗るのではなく、カスタマイズによって自分好みの一台に仕上げていくことに一番の魅力があるのだ。

MINIは、他人とは違う「オーナーの個性を表現する土台」として非常に優れたクルマ

現在のMINIは、2001年にBMW傘下となって生まれ変わった「新生MINI」の3世代目にあたる。

当初は『MINI 3ドア』のみだったが、その後、SUVの『MINIクロスオーバー』、オープンモデルの『MINIコンバーチブル』、さらに5ドアの『MINI 5ドア』、ひと回り大きいステーションワゴン風の『MINIクラブマン』と、ラインナップを拡充。BMWジャパンは、この多彩なボディバリエーションこそが日本市場においてMINIブランドが高い成長を遂げられた最大の理由としている。

しかし、MINIの高い人気は、けっしてラインナップの豊富さだけが理由ではないように思う。たしかに、ファッショナブルな内外装やBMW譲りの走行性能に加え、ライフスタイルに合ったモデルを選ぶこともできるのは魅力的だが、なによりMINIらしい愉しみ方といえるのが「カスタム」である。

「MINIは、『オーナーの個性を表現する土台』としても非常に優れたクルマです」と話すのは、正規ディーラー「MINI 大田」でアフターセールスマネージャーを務め、MINIのカスタムエキスパートとして知られる橋本直樹さんだ。

「ノーマルでもデザインが素晴らしく、そのままでも十分ですが、MINIのオーナーには『他の人とは違うデザインにしたい』『走りを高めた仕様にしたい』という方がたくさんいらっしゃいます。カスタムすることで、さらに魅力的かつ個性的なクルマに仕上げ、オーナー自身を引き立てることができるのです」

人気が高いのはボディやルーフにデカールやストライプを施すエクステリアのカスタム

MINIのカタログを見ると、ボディカラー、ルーフカラー、デカール、ストライプ、ホイール、シート素材、インテリアカラー、インテリアパネル…と、じつにさまざまな選択肢が用意されている。

しかし、MINIの場合、「人とは違うクルマに乗りたい」というニーズが高く、MINI大田ではこれらの純正パーツに加えて、多数の社外パーツや海外仕様のアクセサリー、オリジナルパーツを提供。なかでも「わかりやすい差別化」として人気を集めるのが、ボディにデカールやストライプを施すエクステリアのカスタムだ。

「純正アクセサリーにもデカールやストライプはありますが、当店ではオーダーメイドであらゆるデザインやカラーに対応しています。最近では、マットブラックのデカールやストライプが人気で、ルーフに貼る『ユニオンジャックルーフデカール』もマットブラックが注目されていますね」

近年、メルセデス・ベンツやポルシェでは外装をブラックモノトーンに仕上げるカスタマイズが流行しているが、MINIのオーナーの間でも、グリルやウィンドウ下端のクロームのモールをブラックに塗装するカスタムが人気となりつつあるという。

「フェンダーマーカーがつくUS仕様のフェンダーアーチ、さらにドイツと英国でしか設定のない特別なパーツなど、海外仕様の純正パーツも人気の高いアイテムです。また、限定車だけに採用されたパーツを注文して装着する方もいらっしゃいます」

ちなみに、橋本さんのおすすめは「ハーマンカードン」のツイーターキットだそうだ。これは、メーカーオプションであるオーディオの高音用スピーカー部分だけを後付けするもので、Aピラーに装着されるツイーターは、音質が向上するのはもちろん、インテリアのアクセントにもなり、非常に満足感が高いという。

「ホイール」「サスペンション」「マフラー」をカスタマイズしてMINIの走りを高める

走りの面でカスタムの中心となるのは、主にホイール、サスペンション、マフラーだ。もともとMINIは走りのレベルも高いクルマだが、さらに上を求めるオーナーが多いのだという。

「サスペンションは『ビルシュタイン』や『アイバッハ』、マフラーなら『レムス』が人気です。車高やテールパイプの変更によるドレスアップ効果を目的に装着される方もいらっしゃいます」

ただし、いくらMINIがカスタムして愉しむクルマといっても、オーナーには騒音規制や環境規制など、法令遵守が求められる。また、MINIのカスタムショップのなかには、BMWやMINIで「DMEチューニング」と呼ばれるコンピュータの書き換えを行うところもあるが、これはMINI大田では行っていない。

「当店は正規ディーラーですので、違法改造や保証対象外になるようなカスタマイズはいっさい提供していません。取り扱うパーツはすべて車検対応となっています。正規ディーラーならではの高い作業クオリティを心がけおり、スタッフたちも自分のMINIにさまざまなパーツを装着し、実際に試しています」
MINIのオーナーは40歳前後が中心だが、上は引退して悠々自適の生活を送る70代までと、幅広いファン層を持つ。それらの人たちが、数万円のデカールに始まり、ホイール、サスペンション、マフラーをすべて交換して100万円近くの改造費をかけるなど、さまざまなカスタマイズを愉しんでいるのだ。

これほど多彩なパーツが提供され、自分好みにカスタマイズすることのできるクルマは滅多にない。オンリーワンが価値を持つ時代だけに、2017年、MINIの人気はさらに高まりそうだ。

Text by Muneyoshi Kitani