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進化したサソリ――アバルト595が全グレード刷新

「山椒は小粒でもぴりりと辛い」とは、体は小さくても才覚や力量に優れ、侮れない存在であることを山椒の実に例えたことわざだ。このことわざを体現しているクルマが、サソリのエンブレムを抱くイタリアの『アバルト500』。世界中で愛されるベストセラーの『フィアット500』のボディに、1.4Lのターボエンジンを搭載した刺激的なホットハッチである。この『アバルト500』がラインナップを刷新し、すべてのグレード名を『アバルト595』に変更。デザインもアグレッシブになり、「ぴりりと辛い」レーシーな雰囲気がより強調されている。

よりホットでレーシーな雰囲気に、内外装がアグレッシブに進化した『アバルト595』

アバルトは1949年にイタリアで設立されたフィアットのチューニングメーカーで、1971年にフィアットに吸収されてからは同社のモータースポーツ部門を担ってきた。現在は、フィアット、アルファロメオ、ジープなどとともにFCA(フィアット クライスラー オートモビルズ)が展開するブランドのひとつとなっているが、その出自からもっともスポーティな位置づけとされている。

このアバルトがマツダ『ロードスター』の兄弟モデル、『アバルト124スパイダー』とともにラインナップするのが、新たに「595」の名を与えられた『アバルト595』だ。最大の特徴は、ブラックアウトされる部分が大きくなった前後パンパーをはじめ、全体的によりアグレッシブなデザインとなったこと。よく見れば、フロントバンパーのエアインテークには「ABARTH(アバルト)」の浮き文字があしらわれている。アバルトならではのレーシーな雰囲気を高めるこの浮き文字は、ワンメイクレース仕様車の「ASSETTO CORSE(アセットコルサ)」からインスピレーションを得たものだという。

さらに、2016年1月に刷新された『フィアット500』に準じてLEDデイランプなどのフロント周りやリヤコンビランプがボディ同色となり、17インチのアルミホイールも新デザインとなっている。また、レッド、イエロー、パールホワイトと、いずれもアバルトらしい3色のボディカラーもグレード別に追加された。
インテリアでは、ステアリングホイールがセンターマーク付きの新デザインになったほか、装備面でも5インチタッチパネル式オーディオ「Uconnect」を採用。TFTメータークラスターの機能を向上させ、グローブボックスやカップホルダーも追加するなど、利便性が向上している。

『アバルト595』のラインナップは3モデル、通好みの「左ハンドル+5速MT」も設定

ラインナップは、ベーシックモデルの「アバルト595」、レザーシートが装備される「アバルト595ツーリズモ」、より走りを高めた「アバルト595コンペティツィオーネ」の3タイプで、「595ツーリズモ」にはソフトトップの「595Cツーリズモ」も用意された。

1.4Lターボエンジンのパフォーマンスもグレードごとに高められている。ベーシックな「595」は、最高出力がこれまでの135ps(MT)〜140ps(AT)から145psに引き上げられ、「595ツーリズモ」「595Cツーリズモ」もタービンがギャレット製の大径タイプになり、最高出力が160psから165psへとアップ。「595コンペティツィオーネ」は最高出力こそ180psのままだが、カーボンシェルタイプのシート、カーボンインサート付のレザー&アルカンターラステアリングホイールが採用され、より“走り”を感じさせる仕様となっている。
うれしいのは、「595ツーリズモ」「595Cツーリズモ」はATモード付5速シーケンシャルと右ハンドルの組み合わせのみだが、「595」と「595コンペティツィオーネ」ではATモード付5速シーケンシャルと右ハンドルのほか、左ハンドルの5速MT車が選べることだろう。「左MT」は通好みで、最近の輸入車ではめずらしい。こうした仕様を用意する心意気は輸入車ファンの心をつかむはずだ。
価格はグレードや仕様によって異なり、293万7600円から381万2400円までとなっている(すべて税込み)。スーパーカーの10分の1ほどの価格だが、新しくなった『アバルト595』の「Fun To Drive(操る歓び)」はスーパーカーに勝るとも劣らない。そこには、交差点をひとつ曲がるだけでもニヤリとしてしまうような「気軽なFun」がある。「ぴりりと辛く」進化したサソリは2017年2月25日より全国のアバルト正規ディーラーで販売中だ。

Text by Muneyoshi Kitani