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これが最後の『モンキー』――50周年記念モデル登場

2017年は、ホンダ『モンキー』の初代モデルにあたる『モンキーZ50M』がデビューしてから50周年にあたる。それを記念して、初代のカラーリングイメージを踏襲した原付レジャーモデル『モンキー50周年アニバーサリー』が発売された。モンキーは、現在の40〜50代が10代だったころに慣れ親しんだ原付きバイクで、その醍醐味は改造にこそある。当時はショップだけでなく、個人レベルでもエンジンをチューニングして愉しんでいたのだ。すでに、ホンダはモンキーの生産終了をアナウンスしており、このアニバーサリーモデルが「最後のモンキー」となりそうだ。

現在の40〜50代にとって、バイク文化そのものだったホンダ『モンキー』のカスタム

モンキーの誕生は、1961年に東京都日野市にオープンした遊園地「多摩テック」の乗り物として製作された『モンキーZ100』に端を発する。このモデルは子どもたちに「操る楽しさ」を芽生えさせ、行列ができるほど人気となった。

そして、ホンダは1967年、公道走行可能な『モンキーZ50M』を発売。モンキーの市販化を後押ししたのは、当時の日本国内で巻き起こった空前のレジャーブームだった。そのため、モンキーはクルマに積めるバイクとして、ハンドルが折りたためる構造を採用する。今も残る“レジャーモデル”のジャンル名はここから始まったのだ。

以来、モンキーは小柄で愛らしいデザイン、粘り強く扱いやすい4ストローク50ccエンジンにより、バイクの初心向けモデルとして、あるいはセカンドバイクとして、長く愛されるバイクとなった。

なかでも、若者の人気を集めたのは、モンキーのカスタムだ。エンジンのボアアップをはじめ、オイルクーラーの装着、そして知る人ぞ知る「ヨシムラの手曲げマフラー」…。ネットオークションを見てみると、現在もフルカスタムのモンキーが100万円以上の価格で落札者を待っているほどだ。

その昔、ハーレーダビッドソンに外観を似せた「モンキー・ダビッドソン」というカスタムバイクがあったのを覚えている人もいることだろう。モンキーはもはやバイクではなく、若者の、そしてバイク好きの文化でもあったのだ。
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特別感に溢れ、大人の男の所有欲を満たすバリバリの『モンキー50周年アニバーサリー』

『モンキー50周年アニバーサリー』(メイン写真)は、初代モデル『モンキーZ50M』のカラーリングイメージを踏襲し、燃料タンク側面やサイドカバーを主体色の「パールサンビームホワイト」に塗装。フロントやリアのフェンダーは「シャスタホワイト」というカラーリングだ。フレームやフロントフォーク、スイングアーム、さらにヘッドライトケースや燃料タンク上面のストライプは「マグナレッド」のツートーンのカラーリングとなっている。

シートには初代モデルを模したチェック柄シートを採用。また、発売50周年を記念して、燃料タンク側面に復刻デザインのウイングマークバッジ、上面には記念ステッカーがつけられている。さらに、サイドカバーには50周年記念エンブレム、シート後部には50周年記念ロゴ、メインキーにも50周年記念マークが施された。特別感に溢れ、所有感を満たすバリバリの50周年記念モデルとなっている。

初代モンキーにあったリアのリジットサスは採用されていないが、小さなボディーをよりコンパクトにできる折りたたみ式ハンドルやワイドなブロックパターンタイヤもそのまま。エンジンスペックなど主要装備はモデルチェンジ前と変更はない。

ホンダが『モンキー』生産終了を発表、より価値が高まった「ファイナル モンキー」

この『モンキー50周年アニバーサリー』が発表された後、残念なニュースが飛び込んできた。

3月24日、東京モーターサイクルショー2017のプレスカンファレンスにおいて、ホンダモーターサイクルジャパンの加藤社長が『モンキー50周年アニバーサリー』と『モンキー50周年スペシャル(くまモンをイメージした、黒と赤の特別仕様)』をもって、モンキーの生産を終了する、と明らかにしたのである。

どうやら、モンキー生産終了の理由は、欧州の二輪車規制「EURO4(2016年適用)」や「EURO5(2020年適用)」による排出ガスの規制値の強化、燃料蒸発ガス規制の導入・規制値強化が背景にあるようだ。これにより、小排気量の内熱機関のバイクはもはや生き残れず、2030年の原動機付きバイクは電動バイクになっている可能性が高い。

『モンキー50周年アニバーサリー』の本体価格は35万2080円(税込み)で、生産台数は1800台(シリーズ合計)。買うなら今しかなく、フィギュアコレクターのように2台買って1台はカスタムして乗り、1台はノーマルのまま手元に置いて眺めるのもいいだろう。これは、それだけ価値のある「ファイナル モンキー」なのである。

Text by Katsutoshi Miyamoto