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DS 7クロスバック――パリ発の「走る宝石」デビュー

「そろそろプレミアムSUVがほしい」「かといって街中でよく見かけるSUVではつまらない」。そんな人は、2017年3月にパリでお披露目され、ジュネーブモーターショーで正式にデビューを飾った『DS 7クロスハック』の日本上陸を待つといいだろう。車名でもわかるように、『DS 7クロスバック』は、これまでDSのフラッグシップを担ってきた『DS 5』の上位に新たに追加されたブランドの頂点を担うモデル。そして、同時に、どのプレミアムSUVにも似ていない唯一無二の存在感を放つ、最上級のクロスオーバーでもある。

点灯時や消灯時に1灯ずつ回転するライト…高級SUVらしい演出の『DS 7クロスバック』

『DS 7クロスハック』はヨーロッパのプレミアムマーケットをターゲットとするSUVだ。ボディサイズは4570×1890×1620mmと、Dセグメントよりもややコンパクトだが、想定されるライバルは、アウディ『Q5』、BMW『X3』といったところだろう。

エクステリアで目を惹くのは、コンセプトカーの『Divine DS 』『DS E-TENSE』のデザインモチーフを採用し、新世代のDSアイデンティティを表現したフロントマスク。六角形のメッシュグリルと切れ長のヘッドライトが印象的だ。

このヘッドライトは「DSアクティブLEDヴィジョン」と呼ばれるフルLEDのコンビネーションランプで、初代『DS』と同様に、ステアリングの動きに応じて照らす方向を変えてくれる。また、車速によって市街地、駐車場、高速道路などの走行状況を検出し、5つの点灯モードを自動的に切り替える機能も装備。これによりドライバーの視界が向上するだけではなく、外からも確認しやすくなるという。

さらに、DSならではの「演出」も施されている。複眼ライトの片側3灯が、点灯時や消灯時に1灯ずつ、ぐるりと180度回転するのだ。ライト本来の役割には関係のない機能に思えるが、そもそもDSの拠点であるパリの別名は「ville de lumière(光の街)」。これは、まさにパリ発のプレミアムSUVらしいこだわりの演出なのである。

レザー、ウッド、メタルパネル…フレンチらしいさじ加減の『DS 7クロスバック』の内装

インテリアの仕様にも、「フォブール(ウッド)」「リヴォリ(メタル)」「オペラ(エナメル)」「バスティーユ(ファブリック)」と、それぞれパリにちなんだ名称がつけられている。

写真はファーストロット限定仕様の「ラ・プルミエール」。面積の広い1枚レザーをふんだんに使ったダッシュボードやシートに用いられているワインレッドのレザー、嵌木細工のようなウッドパネル、「クルー・ド・パリ」と呼ばれる彫り模様が入ったメタルパネル…こうした素材の組み合わせにも、フレンチらしいさじ加減が効いている。14個のスピーカーを備えたオーディオシステムもフランスの高級メーカーであるフォーカル・エレクトラ製だ。
パワーユニットは、ガソリンエンジンが高圧インジェクションによる1.6Lターボ(THP225)、1.6L(THP180)、1.2Lピュアテックエンジン(THP130)の3種類。ディーゼルエンジンは、2.0L(BlueHDi180)のディーゼルターボ、1.6L(BlueHDi130)のディーゼルターボの2種類が用意された。

これらのモデルは2018年に本国で発売されるが、2019年には「THP225」に100psほどの電気モーターと13kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたPHEVも登場予定だ。システム出力300ps、450Nmを発生し、EVモードで60km走行が可能だという。

プレミアムSUVらしく先進の“半自動運転”システムを搭載する『DS 7クロスバック』

プレミアムSUVだけに、走行面でも充実した新機能が装備されている。注目は「ADAS」と呼ばれる先進運転支援システムだ。

「DSコネクティッド・パイロット」は、巡航速度を30km/hに設定すれば、運転支援ブレーキやスタート&ストップ機能と連動して0-180km/hで作動するアダプティブ クルーズ コントロール。さらに、高速道路を走行時に作動するレーン保持機能、赤外線センサーによって歩行者や動物を検知する「DSナイトビジョン」、最新のパーキングアシスト機能、ドライバーの瞼の動きをモニターして居眠り運転になる前に警告を出す機能も備わる。

極めつきは、「DSアクティブスキャンサスペンション」という新開発のリアマルチリンク式サスペンションだろう。これは、カメラが5m先の路面状況を判断し、4輪のダンパーがそれぞれ最適な減衰力を発揮してフラットライドを実現する電子制御サスペンションで、シトロエン伝統のハイドロサスにも通ずるものがある。

フレンチブランド由来のラグジュアリーなエクステリア、高級ラウンジのようなインテリア、そして先進技術による安全性と快適性を併せ持つDSの新たなフラッグシップモデル。『DS 7クロスバック』は、プレミアムSUVとしてはもちろん、「いいモノ」感を味わえるファッションアイテムとしても魅力的だ。

価格は未定だが、発売は欧州が2018年1月、日本上陸は2018年の前半になりそうだ。この「走る宝石」を手にするまでまだ1年以上かかるが、それだけの時間を待つ価値は十分にあるだろう。

Text by Taichi Akasaka