MINIクロスオーバー画像01
- スーパーカーブランド【MINI】 -

2代目となったミニのSUV、『MINIクロスオーバー』

2016年11月18日、LAオートショーでワールドプレミアムを飾った『MINI Countryman(カントリーマン)』。耳馴染みがない車種名かもしれないが、もしピンときたなら立派なMINIフリークだ。『MINIカントリーマン』は海外名。日本では『MINI crossover(クロスオーバー)』と呼ばれている。MINIブランド初のSUVモデルとして、世界で54万台以上を売り上げた初代『MINIクロスオーバー』の2代目となるモデルである。

外観はブランドの特徴を維持し、室内空間は正統進化と遂げた『MINIクロスオーバー』

初代『MINIクロスオーバー』は、4ドアに大きなバックドア、5人分の座席、オプションで4WDを備えたMINI初のSUVで、多彩性、機敏性、高級感により高い支持を得た車だ。第2世代は、それらをさらに強調させた正統進化を遂げた。

エクステリアデザインでは、短いオーバーハング、大型のホイール・ハウス、下に向かって広がる車幅など、ブランド特有のデザインアイコンを維持しつつ、前モデルより全長を20cm拡大させた。初代との変更点で目立つのは、フロントマスク、特にヘッドライトだろう。従来のMINIで採用されてきた円形ではなく、わずかにアシンメトリーな丸いラインが、フロントグリルと合わせてMINI特有のフロントマスクを演出している。

室内は快適性が向上。運転席と助手席の頭上と肩まわりの空間がさらに広くなり、座席の調節可能な範囲も拡大した。後席は3つの座席が配置されている。また、初代と比べて後部のドア開口部が広がり、乗り降りがしやすくなった。

オプションではあるが、手を触れずにバックドアを開閉できる「電動バックドア操作」も便利。また、ラゲージルームの端に椅子として使える取り出し可能な台を設置した「MINIピクニックベンチ」もユニークだ。

エンジン別に5モデルをラインナップ、『MINIクロスオーバー』は全車クーパー仕様

ラインナップは、1.5L 3気筒ガソリンエンジンの『MINIクーパー クロスオーバー』のほか、2.0L 4気筒ガソリンエンジンの『MINIクーパーSクロスオーバー』、2.0L 4気筒ディーゼルエンジンの『MINIクーパーDクロスオーバー』、そのエンジンの出力とトルクを向上させた『MINIクーパーSDクロスオーバー』、そして、1.5L 3気筒ガソリンエンジンにモーターを組み合わせたプラグインハイブリッドの『MINIクーパーS E クロスオーバー ALL4』の5モデル。プラグインハイブリッドは、MINIブランド初である。

それぞれのエンジンに組み合わされるのは、6速ステップトロニック付きトランスミッション。『MINIクーパーD クロスオーバー』では、オプションで8速ステップトロニック付きトランスミッションも搭載可能で、『MINIクーパーSD クロスオーバー』ではこれが標準仕様となる。

足回りでは、先代と同じく4WDをオプションで設定可能。4WDなら、悪天候や走行条件が悪いときでも安定した走行安性を担保し、加速やカーブでの機敏性も向上する。また、サスペンションには、オプションで電動ダンパーを搭載。同じくオプションの「MINIドライビングモード」を搭載すれば、「ミッド」「スポーツ」「グリーン」の車両調整ができるようになる。

MINI初となるプラグインハイブリッドモデル『クーパーS E クロスオーバー ALL4』

特に話題になっているのが、MINI初のプラグインハイブリッド『MINIクーパーS E クロスオーバー ALL4』だ(下の写真)。電気モーターとエンジンモーターを緻密に制御し、出力65kW/88psの電動モーターが後輪に動力を伝達。最大出力100kW/136ps、最大トルク385Nmの3気筒ガソリンエンジンは、6速ステップトロニック付きトランスミッションとつながっており、前輪に動力を伝える。簡単にいえば、『MINI クーパーS E クロスオーバー ALL4』は前輪がガソリンエンジン、後輪がモーターで駆動する4WDというわけだ。

プラグインハイブリッドだけに、燃費性能も優秀で、EUテストサイクルにおける平均消費量は2.1L/100km。ちなみに、最高速度125km/hまでなら完全なEV走行も可能である。

じつは、『MINIクロスオーバー』の歴史は古い。1960年代に登場したクラシックMINIのモデルに、すでにこの名前が付けられている。それが、『Austin Seven Crossover(オースティン セブン クロスオーバー)』。現在と同じく、多様な形で利用可能な室内空間を備えており、特に木製のフレームカバーを備えた「ウッディ」として知られるバージョンは、熱狂的な人気を得た。そして、50年以上の歳月を経て、同じ車名で再び人気を博している『MINIクロスオーバー』。近年のBMWグループ全般にもいえることだが、歴史を重ねたからこそ持ちうるヘリテージをいかんなく発揮できることは、ブランドが持つ強さであると感じずにはいられない。

Text by Tsukasa Sasabayashi