デヴィッド・フィンチャー,David Fincher,セブン,SE7EN
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サイコ・ミステリーの鬼才フィンチャーのMust See 4

最新作『ゴーン・ガール』が話題となっているデヴィッド・フィンチャーは、いまやハリウッドを代表するサイコ・ミステリーの名手でもある。そこでこの年末年始、彼の過去のミステリーを見直してみてはどうだろうか。ここでは、絶対見逃せないフィンチャー・ミステリーの傑作を4本紹介。

デヴィッド・フィンチャー,David Fincher,セブン,SE7EN 『セブン』(1995 ) まるで警察に挑むかのように、キリスト教の“七つの大罪”をテーマに次々に猟奇殺人を犯すサイコキラー。ベテラン刑事(モーガン・フリーマン)と共に捜査に当たった若手刑事ミルズ(ブラッド・ピット)は、取り憑かれたように捜査にのめり込んで行く。銀残しの手法を使ったダークでスタイリッシュな映像、救いのない衝撃的なラストシーン。スタンリー・キューブリックの『シャイニング』と凌ぐといっても過言ではない傑作にして、サイコ・サスペンスの金字塔である。“ミステリーのフィンチャー”のイメージを決定付けたと共に、若手イケメン俳優として人気が先行していたブラッド・ピットの俳優としての格を上げた出世作でもある。
デヴィッド・フィンチャー,David Fincher,パニックルーム,PANIC ROOM 『パニック・ルーム』(2002) 離婚したばかりのメグ(ジョディ・フォスター)は、11歳の娘サラ(クリステン・スチュアート)と共に以前富豪の老人が住んでいた邸宅に引っ越してきた。そこへ強盗が押し入り、二人は緊急避難用の密室、いわゆる“パニック・ルーム”に逃げ込む。だが、パニック・ルームにこそ、老人の隠し財産があると狙っていた強盗団は様々な手口で襲いかかる。ヒッチコック的手法を用いた密室サスペンスは、精度の高さが信条のフィンチャーの演出力が堪能できる。『ゴーン・ガール』に抜かれるまでは、約3,005万ドル(約30億円)という米国でのオープニング週末興業記録を持っていたヒット作でもある。(『ゴーン・ガール』は、約3800万ドル)
デヴィッド・フィンチャー,David Fincher,ゾディアック,ZODIAC 『ゾディアック』(2007) 1969年、カリフォルニア州。カップルを狙った連続殺人事件が起こる。新聞社に“ゾディアック”(王道十二宮の意)を名乗る犯行声明文が届く。全米を震撼させた未解決事件を、事件に翻弄された男たちの視点から描くクライム・サスペンス。暗澹たる男の世界を得意とするフィンチャー・ワールドで、ジェイク・ギレンホール、ロバート・ダウニー・Jr、マーク・ラファロなど実力派が思う存分、技量を発揮する見事なアンサンブルも見所だ。ちなみに、この犯人は、クリント・イーストウッド主演の『ダーティ・ハリー』(71年)の連続殺人犯“スコルピオ”のモデルである。
デヴィッド・フィンチャー,David Fincher,ドラゴン・タトゥーの女,THE GIRL WITH THE DRAGON TATTOO 『ドラゴン・タトゥーの女』(2011) ジャーナリスト、ミカエルは、富豪の老人から40年前に失踪した少女の捜索を依頼される。ドラゴンの刺青をした天才ハッカーの若い娘、リスベットと共に捜索を進めるうちに富豪一族の秘密に辿り着く。スウェーデンで映画化されたスティーグ・ラーソンのベストセラーミステリー小説を新ジェームス・ボンドで再注目された英国の演技派ダニエル・クレイグ主演で映画化。陰鬱な北欧の雰囲気を重視したオリジナルと比べ、スタイリッシュな映像とキレのいい編集でエンタテイメント感がアップ。リスベット役のルーニー・マーラーは、全裸も厭わない体当たり演技で一躍トップ女優の仲間入りを果たした。

Text by Atsuko Tatsuta