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第7回 | あの人のオススメの車

東儀秀樹 ご自慢の「愛しのクルマ」

ACカーズ ACエース[1954/イギリス]
製造開始年/1953年
排気量/1991cc
エンジン/ブリストル製直列6気筒

「長い歴史を持つクルマたち
その物語を引き継いでいきたい」

自宅ガレージにはACエースをはじめ、74年製ジャガーのE-TYPEオープンカー、ベンツ280SL、70年製フェラーリDINOなど、稀代(きだい)の名車が光をたたえてずらりと並んでいる。

歴史あるクルマとの出会い
それは人との縁にも似て…

雅楽師・東儀秀樹さん(56歳)のガレージに並ぶ5台のクラシックカー。「幼い頃からの夢、それは赤いスポーツカーに乗ることだったんです」

その中の1台、英国製ACエースを見つめる眼差しはクルマ好きの少年そのもので、相当なこだわりがうかがえる。幼少期は父親の仕事の都合で海外暮らし、当時からよくミニカーで遊んでいたという。そして社会人になったある日、ついに古いベンツ380SLを手に入れる。これが東儀さんとクラシックカーの初めての出会いだった。時を経てポルシェ911カレラを購入。その後、フェラーリ355、ポルシェターボ996、フェラーリ360スパイダーに乗り、往年の名車にのめり込んだ。そしてイタリアのクラシックカー・ラリー「ミッレミリア」に、1954年製のACエースで参戦する。「1600㎞を4日間走り、ゴールの瞬間にエンジンが止まった。長いラリーでクルマも限界でしたね」

屋内からガラス越しにクラシックカーが見える。品があって、美しくて「愛おしいという気持ちがしっくりくる」と東儀さん。ミッレミリアには1957年以前に生産されたクルマのみ出場できる。



それ以来、同志のような気分になり、さらにクルマが好きになったという。エンジン音に耳を傾け、ハンドルの振動から調子を読み取り、水温や油圧を常に気にする。

ACエースを操る。パーツを取り換えて塗装し直し、シートを替えた。また、手袋も海外で買ってくるこだわりようだが、「これに乗って息子とラーメンを食べに行きますよ」

 

「曲線的な美しさ、丁寧なデザインと遊び心などは、現代車ではあり得ない。このクルマは世界に3台しかないワークスカーで、世界中の人が欲しがったんです。でも、前のオーナーのイギリス人男性が亡くなり、ご主人をとても愛していた奥様が〝次の買い手があまり近い所に住んでいると夫を想い出して悲しくなるから〟と、遠く日本に住む僕に譲ってくれたのです。クラシックカーには長い歴史と物語がある。それを引き継いで大切に乗っていきたいです」

東儀さんが評議員をする「RALLY NIPPON」は2013年、台湾で実施。東日本大震災でたくさんの義援をしてくれた台湾の人たちへ、大会を通じて感謝の気持ちを伝えた。
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男の隠れ家 2016年10月号 東儀秀樹 あなたのクラシックカー見せてください!
新しいモノが続々と登場し、新品であることが良かれとされる時代。そう、クルマもしかり。しかし、今回の特集ではあえて古いクルマ、いわゆるクラシックカーにスポットを当てる。様々な規制でこれら古いクルマを維持管理していくのが大変な世の中になった。しかし、ここでは声を大にして言いたい。いま、古いクルマこそ新しい! 古いクルマこそ格好いいのだ! さあ、50人の少年ご自慢の「愛しのクルマ」をご覧あれ!

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プロフィール
東儀秀樹(とうぎ ひでき)
1959年東京都生まれ。雅楽師。奈良時代から雅楽を世襲してきた楽家に育つ。高校卒業後に宮内庁楽部に入部。篳篥(ひちりき)をはじめ、琵琶、鼓類、歌、舞、チェロなどを担当。日本伝統文化の紹介と国際親善の役割の一翼を担う。54年式のACカーズ ACエースを筆頭にジャガーX16、MG MGAなどの車を所有。自らが立ち上げたクラシックカーラリー「RALLY NIPPON」にも毎年参戦している。

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