資産運用入門! まずは財布を把握すべし
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資産運用入門! まずは財布を把握すべし

資産運用の話になると、必ずといっていいほどよく耳にする“3つの財布ルール”。自分の財産の中から「生活費」と「もしものときのプール資金」を確保し、余ったお金を運用にあてるという方法だ。しかし、その金額や割合は定かではない…。雑誌やTV、ラジオなど多彩なメディアで活躍するファイナンシャルプランナー・菱田雅生さんに実際のところを聞いてみた。

■今回のアドバイザー
 ファイナンシャルプランナー
 菱田雅生さん

早稲田大学法学部卒業後、山一證券入社。山一證券自主廃業後、独立系FPに。以後16年にわたり、相談業務、原稿執筆、セミナー講師などに従事。2008年、ライフプランや資産運用のコンサルティング会社「ライフアセットコンサルティング」設立。著書『ライフプランがあなたの資産を殖やす』『超・資産形成入門』など。
http://www.la-consul.com/

投資の世界でよく聞く“3つの財布ルール”は有効か?

全財産を3分割して、余ったお金を投資に回す“3つの財布ルール”はよく聞くが、ぶっちゃけ投資につぎこんでいいのは資産のうち何割くらいなのだろう?

菱田さん「ん? 1~2カ月分の生活費をのぞいて、全額を投資に回しても大丈夫ですよ」

えっ!? い、いや、でも、もしものときのために、まとまったプール資金も必要なのでは?

菱田「ケガや病気などで大金が必要になることはまずありませんし、仮にあったとしても即日支払いを求められることはないでしょう。株式や債券などに投資していても、4~5営業日あれば現金化は可能ですから、1週間ほど待ってもらえばいいだけ。『今すぐ払え、絶対だ』なんて言われたとしたら……詐欺です、たぶん」

日本円の預貯金にこだわってもメリットはない

とはいえ、運用していたものを途中で売ってしまうと、値段が下がることもあるのでは?

菱田さん「もちろんあります。でも、いまは、日本の物価は昨年に比べて約3%も上昇していて、昨年100万円で買えたものがいまは約103万円になっている状況です。その間、100万円の預金はほぼ100万円のまま。つまり、円で持っている資産は実質的に目減りしているわけです。見た目の金額は変わりませんが、実質的な価値を考えたら、正直こちらのほうがヤバいんですよ……」

車の購入や教育費も、現金化することを念頭に「運用しちゃっていい」と菱田さん。

菱田さん「ただし、こうした投資の仕方をする場合は中長期的なスパンで、リスクに備えた“分散投資”のポートフォリオ(組み合わせ)で運用するのが基本。間違っても、短期決戦のFXなどに手を出してはいけませんよ!」

“錬金術”のイメージ的にはまさにFXだが、バクチ色が強いため、「なくなってもいい」と思えるお金を自分が納得できる金額分だけ用意して楽しむのが鉄則だ。

未来の資産を20年で2倍に育てる運用利率は?

では、預貯金の代わりに利用したい商品とは? 

菱田さん「安全性と優位性を考えるなら日本の国債がベストですね。2年満期で0.1%前後、10年満期でも0.5%前後と低い水準ではありますが、0.02%といった預金の金利よりはマシです」

では、たとえば今後20年で資産を2倍に増やしたいとする。その場合は、ポートフォリオの全体を何%で運用すればいいのだろう?

菱田さん「その場合は年3.5%程度の運用が必要です。超低金利の現状を考えると難しいようにも感じますが、案外そうとも言い切れません。というのも、『国内債券、国内株式、外国債券、外国株式』という代表的な4資産に分散投資をしたポートフォリオの推移を調べると、直近の20年でお金は3倍に増えており、これは利率に換算すれば年5.7%の運用に相当するんですよ」

各人のポートフォリオ次第だが、バブル崩壊後でも5.7%が実現したなら、3.5%の達成はそれほどリスクのある話じゃなさそうだ。投資=ギャンブルのイメージは根強いが、頭を切り替えて臨むのがマネー通への第一歩となるだろう。

最後にアドバイザーからひと言

「もしものためのプール金は無意味! 円預金にこだわらず、賢く運用しましょう」

Text by Takumi Arisugawa