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第6回 | 男の隠れ家 powered by éditeur

世界農業遺産 和歌山 みなべ・田辺 梅のふるさとを訪ねる

国内随一の梅の産地として名高い和歌山県
みなべ・田辺地域が世界農業遺産に認定された。
登録名は「みなべ・田辺の梅システム」。
歴史の中で培われた伝統的農業、
農村文化、農業景観が世界に認められたのだ。
その価値をいま一度見詰め直す。

撮影◎遠藤純
文◎仲武一郎

時代を超えて受け継がれる美しい里山景観と梅文化

紀州石神田辺梅林を大蛇峰の展望台から望む。江戸時代からほぼ変わらず続く光景だ。写真左下には石神集落が見える。

急峻な山肌に開かれた一目三十万本の梅林

里山は新緑に輝いていた。急峻(きゅうしゅん)な山肌は一面の梅林だ。紀州田辺観梅協会の会長・石神忠夫さんと共に坂道を登って行く。ご自身も梅農家だという石神さんの足取りは軽い。会話しながらでは息が切れてしまうほどの速さだ。

2月、梅の花が一斉に花開く。梅林には多くの花見客が訪れる。

 

紀州石神田辺梅林(きしゅういしがみたなべばいりん)は、その広大さから「一目三十万本」とうたわれ、みなべ・田辺地域を代表する梅林のひとつだ。田辺市街地から会津川の流れに沿って景勝地として知られる奇絶峡(きぜつきょう)へと向かい、そこからさらに15分ほど車を走らせた山間に広がる里山である。2月の観梅期になると梅林は無料で開放され、多くの花見客で賑わう。

石神さんに案内され、標高400mの大蛇峰(おおじゃみね)へと登った。展望台から望む景色は雄大そのもので、すり鉢状の地形の底の石神集落を取り囲むように梅林が広がり、はるか太平洋まで遠望できる。

6月、梅の収穫の様子。梅の木の下にネットを張り、完熟して落ちてくる実を傷を付けないようにそっと受け止める。



当地が世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」として認定されたのは昨年12月のことだ。

ご存じのように和歌山県は梅の一大産地だが、その中でもみなべ・田辺地域は国内生産の約50%を占めるほどの生産量を誇る。最高級品種として名高い「南高梅(なんこううめ)」の生まれ故郷でもある。その名は当地の南部(みなべ)高校(南高)とのゆかりから命名されたものだ。

みなべ・田辺地域では梅の加工も盛んだ。日本人に馴染み深いのはやはり梅干しだろう。最近では健康に配慮した低塩梅干しや梅の成分を生かした健康食品が現代人の食生活に取り入れられている。

自然を大切にしたこの地域の生産活動が、人々の暮らしを支え、一方で独特の美しい景観を形成しながら独自の梅文化を育んできた。

「この梅林の斜面は平均約30度、場所によっては約40度の場所もあります。それが機械化を阻み、伝統的な農業が受け継がれました。またそれゆえに、人々は健康や食生活にも気をつけています」と石神さん。江戸時代から高品質な梅を作り続けてきた農業システム、それが世界農業遺産「みなべ・田辺の梅システム」なのだ。

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男の隠れ家 2016年7月号 『梅のふるさとを訪ねる』
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世界農業遺産とは?
世界農業遺産
次世代に受け継がれるべき重要な伝統的農業(林業や水産業を含む)、農村文化、農業景観などを全体として認定し、その保全と持続的な活用を図ることを目的に、国連食糧農業機関(FAO)が2002年に開始した枠組みで、これまでに世界15カ国で36地域が認定されている。日本でもこれまで「みなべ・田辺」を含めて8地域が認定されている。
観光情報
紀州田辺観梅協会
紀州石神田辺梅林を訪れる人々をもてなすかたわら、ご自身も梅林を営む紀州田辺観梅協会会長の石神忠夫さん。先人から受け継いだ伝統的な農業を守り続けている。

紀州田辺観梅協会
(田辺市観光振興課内)
TEL:0739-26-9929
ぷらむ工房(岩本食品)
紀州みなべで梅干しを作り続けて100余年の老舗、ぷらむ工房(岩本食品)を訪ねた。ガイド付きで実施されている工場見学(随時)では、醤油樽に梅が漬け込まれている様子をはじめ、梅干しができるまでの工程を見ることができる。工場に併設されているショップでは様々な梅製品を販売している。

住 所 :和歌山県日高郡みなべ町晩稲1187
電 話 :0739-74-2406
営業時間:8:30〜17:15 年中無休
カフェ・ド・マンマ
海を見渡す海岸沿いにある洒落たイタリア料理店「カフェ・ド・マンマ」は、梅干しとイタリアンを組み合わせた料理を提供することで知られる。「紀州鶏つくねと梅のピッツァ」(1300円)、「ベーコンとキノコと梅のピッツァ」(1200円)など、窯焼きピザと梅の相性は抜群。その他の料理にも梅干しが隠し味に使われている。GWや夏休み、観梅期の2月には「梅干しバイキング」(200円)も楽しめる。ご当地グルメの和歌山県産の梅甘露煮をトッピングした「和歌山ポンチ」(680円)も提供している。

住 所 :和歌山県日高郡みなべ町埴田1590-40 
電 話 :0739-72-2361
営業時間:月~金10:00〜17:00 
     土日祝9:00〜18:00
定休日 :水

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