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第125回 | 大人のための最新自動車事情

モーガン プラスシックス──19年ぶりの新型は史上最速

ラダーフレームに木枠のカーゴスペースという独特の製法、そして1950年代からほぼ変わらないクラシカルなスタイル。モーガン(Morgan Motor Company)は、英国の伝統的なクルマ作りをいまも守り続ける少量生産のスポーツカーメーカーである。同時に、最近まで外国企業に買収されずに生き残っていた唯一で純粋な英国車メーカーだった。過去形なのは、この3月にイタリアの投資ベンチャーに株式を売却し、外国企業の投資を受けることを発表したからだ。とはいえ、それはネガティブな意味のものではない。モーガンは、その資金をもとに新型車の開発や生産設備の拡充をはかるとしている。その第一弾として、じつに19年ぶりとなる完全新設計モデル『+6(プラスシックス)』が登場した。

トヨタ『GRスープラ』と共通のBMW製ターボエンジンを積む史上最速のモーガン

モーガンの主力モデルは、1936年登場の『4/4(フォー・スラッシュ・フォー)』だ。当時と基本構造を変えないまま、現在も新車として購入することができる。19年ぶりの新型車となる『+6』は、この『4/4』と同じくクラシカルなボディラインを残している。

しかしその中身は先進的で、ワクワクする乗り味を想像させてくれる。モーガンファンを裏切ることなく、時代に合わせた巧みな落としどころを見つけたのかもしれない。

エンジンには、「B58系」と呼ばれるBMW製3.0L直列6気筒ツインスクロールターボを採用。最大出力250kw(335hp)/6500rpm、最大トルク500Nm(369ポンド/ft)を発生し、ZF製のパドルシフト付き8速ATを組み合わせる。昔のモーガンはフォードやローバーからエンジン提供を受けていたが、ここ20年はBMWとの関係が強くなった。パワーとサイズのバランス、燃費とエミッション関係などからBMWが選ばれたようだ。

注目すべきは、このB58系がトヨタ『GRスープラ』やBMW『Z4』に搭載されるものと共通の気筒当たり0.5Lのモジュラーエンジンであること。つまり、『+6』は最新スポーツカーである『GRスープラ』『Z4』の従兄弟や再従兄弟のようなモデルになるわけだ。

ヨーロッパは排ガス規制が大幅に強化され、燃費性能も重要となる。その点でも、『+6』はCO2排出量170g/km、燃費は約13.5km/Lとなっており、上々といえるだろう。

このルックスで最高速度は267km/h。注目は新設計のプラットフォームと軽量ボディ

しかし、『+6』の最大のアピールポイントは、なんといっても「CX-Generation(CXジェネレーション)」と名づけられた新設計のプラットフォームにある。「CX」はローマ数字で「110」を意味し、この呼称はモーガン社の創業110周年にちなんだものだ。

プラットフォームはアルミ製で、2000年登場の『エアロ8』などと同様に接着による接合方法が採用されている。進化した接着剤はかつての概念を覆すもので、リベット留めなどに比べて飛躍的に高い剛性が得られるようになった。結果として、過去に採用したアルミ製プラットフォームに比べてねじり剛性が100%以上も向上しているという。むろんキャビン後部を構成するサブフレームは伝統的な木製だ。これはモーガンとして外せない要件で、批判の声も挙がらないということは、ほとんどのユーザーが納得しているのである。

ドライウェイトは、3.0Lの最新ターボエンジンを搭載しながら既存モデルとほとんど変わらない1075kgを実現。『+6』は、0-100km/h加速が約4.2秒、最高速度267km/hという史上最速のモーガンとなったが、それも軽量ボディがあってこそのものだろう。

価格は日本円で約1300万円から。将来的にモーガンにもハイブリッドモデルが登場?

モーガンは、いずれのモデルでもオープントップで走るのが正道だ。とはいえ、ハードトップも付属しており、それも複合素材で極めて軽量に作られている。ハードトップのデザインは、1960年代のロードレーサーからインスピレーションを得ているようだ。

室内はコクピットが前後200mm長くなり、ラゲッジルームも一応装備する。インパネには丸形のクラシカルなメーター類が並び、スピードメーターとレブカウンターはセンターに配され、TFT液晶ディスプレイも設置。もちろん、インテリアの素材やカラーは、従来のモーガン車と同じく、オーナーの好みに合わせて幅広い選択肢が用意されている。

ABSの装備と2種のドライビングモードが選べるようになっているが、将来的にはハイブリッドモデルや自動運転の導入、そのほかの電子デバイスを採用することも計画にあるという。モーガンにとっては、それこそブランドの将来を左右するモデルなのだ。

『+6』は生産が始まったばかりで、一台一台がハンドメイドで作られるために週6台ペースというのもモーガンらしい。それでも年内に200台が、来年以降は300台がロールアウトする計画だ。最初の50台は発売記念モデルのフル装備仕様で、価格は8万9995ポンド(約1300万円)から。標準仕様はその後に受注される。あり余るパワーを抱えながら高原のドライブウェイを優雅に流してみたい。素直にそんな気にさせてくれる一台だ。

Text by Koji Okamura
Photo by (C) Morgan Motor Company
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
The All New Morgan Plus Six オフィシャル動画
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