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第72回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

最後のV12モデル──メルセデスAMG S65が最終形態へ

フェラーリやランボルギーニのスーパースポーツを除くと、V12エンジンを搭載するラグジュアリーカーはロールス・ロイスやベントレーなどのごく少数モデルに限られる。もはや絶滅危惧種といってもいいだろう。その希少なV12搭載車のうちの一台が、長くメルセデス・ベンツのトップレンジに君臨してきた『S65』だ。しかし、メルセデス・ベンツは3月のジュネーブモーターショーで、メルセデス AMG『S65ファイナルエディション』という名の限定車を発表。車名にあるとおり、現行『S65』の最終型だが、同時に「V12エンジンの『Sクラス』はこれで最後」とのメッセージも含まれている。ついにメルセデス・ベンツのフラッグシップシリーズからV12エンジン搭載車が消えることとなるのだ。

多気筒エンジン時代の終わり。メルセデスのこだわり「V12エンジン」が最終形態に

ヨーロッパを中心に環境性能への厳しさが増すなかで、いまや自動車メーカーにとって低燃費・低排出ガスは至上命令となっている。メルセデス・ベンツでも、中核モデルの『Eクラス』は4気筒が主流となり、最新の『A180』は1.3Lの小排気量だ。電動化の推進とともに、エンジンのダウンサイジングは避けて通ることのできない道なのである。

そうしたなかでも、メルセデス・ベンツはブランドのアイデンティティとして、V12(V型12気筒エンジン)にこだわり続けてきた。1991年に登場したW140型『Sクラス』の最上級グレード『S600』に初めて採用して以来、現在も『S65』シリーズやメルセデス・マイバッハ『S650』にV12エンジンが搭載されている。

最新の『S65ロング』は、最高出力463kW(630ps)、最大トルク1000Nm(102.0kgm)という途轍もないパワーを発生。価格も、同等の装備をもつV8ツインターボの『S63ロング』が2528万円であるのに対し、『S65ロング』は900万円アップの3427万円。パフォーマンスでもステータスでも、最高峰に位置づけられていることがわかるだろう。

そのメルセデス・ベンツの最上級サルーン『S65』から、今回の『S65ファイナルエディション』を最後にV12モデルが姿を消すという。V12搭載の『Sクラス』の終焉は、「多気筒エンジン時代」の終わりが近づいていることを示唆しているように思えてならない。

ハイグロス仕上げのブラックにマットブロンズを合わせたエクスクルーシブな外観

『S65ファイナルエディション』には、「Exclusive collector's item for V12 enthusiasts(V12愛好家のためのコレクターズアイテム)」というキャッチコピーが与えられた。『S65ロング』をベースに、特別な内外装をもつ世界限定130台の特別仕様車である。

エクステリアは、ボディカラーにハイグロス仕上げの専用カラー「オブシディアンブラック」をまとい、フロントバンパーのエアインテッドやリヤディフューザー、サイドシル、そして20インチ“マルチスポーク”アルミホイールにマットブロンズを採用。エグゾーストパイプはハイグロス仕上げで、Cピラーには「AMG」のエンブレムが装着される。

外観と同様にインテリアもブラックが基調。シートはブラックナッパレザーが標準で、カッパー(銅色=あかがねいろ)のステッチをあしらった。インストゥルメントパネルにはカーボンファイバー製トリムを採用し、AMGモデルらしいスポーティさを演出する。また、センターコンソールには、世界限定130台のうちの一台であることを示す「1 of 130」のシリアルプレートが装着される。リヤシートはファーストクラスのような独立式シートで、温度調整やリクライニング機能を装備。やはり温度調節式のカップホルダーも備える。

そのほか、調光機能の「マジックスカイコントロール」を持つパノラマサンルーフを標準装備し、「AMG S 65 FINAL EDITION」の車名があしらわれた専用のAMGインドアカーカバーも付属。さりげない装備だが、このカバーもオーダーメイドで作られる逸品だ。

最高速度300km/h。「One Man – One Engine」のプレートも専用のブラック仕上げ

パワーユニットは当然、6.0L V12ツインターボエンジン。最大出力630hp/4800~5400rpm、最大トルク102kgm/2300~4300rpmを発生し、AMGドライバーズパッケージの装備により最高速度は300km/hに達する。AMGモデルの象徴で、その証明というべきエンジンルームの「One Man – One Engine(ひとりのマイスターがひとつのエンジンを)」のプレートは、通常のシルバーではなく、専用のブラックで仕上げられた。

価格は公開されていないが、メルセデスの最高峰モデルを購入する人にとって、それはあまり重要なことではないだろう。それよりも気になるのは、日本で販売されるかどうか。間違いなくコレクターズアイテムになるが、日本にも数多くの「12気筒メルセデス」が販売されてきた歴史がある。ぜひ、日本のコレクターのために導入を期待したいものだ。

Text by Muneyoshi Kitani
Photo by (C) Daimler AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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