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第36回 | ランボルギーニの最新車デザイン・性能情報をお届け

復元されたミウラSV──なんとオーナーはFIA会長だった

FIA(国際自動車連盟)は世界各国の自動車団体で構成される国際機関である。サッカーでいえば、FIFA(国際サッカー連盟)に相当する。F1グランプリのレギュレーションなど、モータースポーツに関するさまざまな国際ルールを決定しているのも、このFIAだ。現在の会長は、かつてチームマネージャーとしてフェラーリをF1の常勝チームに導き、フェラーリ本社のCEOもつとめたジャン・トッド氏。2019年10月に第9代会長に就任したので、今年で10年目となる。この自動車業界のドンが所有する希少車のうちの一台が、1972年に生産されたランボルギーニ『ミウラSV』だ。先日、13カ月に及ぶレストア作業が完了し、ランボルギーニからオーナーのジャン・トッド氏へと引き渡された。

デリバリーから46年後にポロストリコへとやって来た1972年製造の『ミウラSV』

『ミウラ』については多くの説明は必要ないだろう。1966年にデビューしたランボルギーニ初のミッドシップスポーツカーで、スタイリングを手がけたのはマルチェロ・ガンディーニがチーフデザイナーをつとめていた時代のカロッツェリア・ベルトーネである。

ジャン・トッド氏の『ミウラSV』は、もともと1968年に生産された『ミウラS』が元となっている。この車両は事故で失われ、その後、シャーシナンバー「#3673」を引き継いで1972年に製造された。ちなみに、『ミウラS』は1968年11月に登場した第二世代のモデルで、『ミウラSV』はそれをさらに進化させた最高出力385psの第三世代だ。

ボディカラーはRosso Corsa(真紅)、車体下部とホイールはゴールド。内装にブラックのレザーを組み合わせ、1972年に南アフリカのオーナーのもとに届けられた。それから46年後、その間の経緯は不明だが、この車両はトッド氏の所有となり、サンタアガタ・ボロニェーゼにある「ランボルギーニ・ポロストリコ」の専用施設へとやってきたのだ。

13カ月を費やして元どおりの状態へとレストアされたランボルギーニの歴史的名車

ランボルギーニ・ポロストリコは、歴史的名車のデータやパーツをアーカイブし、オーナーの依頼に応じてレストアを行うほか、自らも名車を再生産するヘリテージ部門だ。

トッド氏の『ミウラSV』がランボルギーニ・ポロストリコにやって来たとき、経年劣化による摩耗や損傷がはっきりと見て取れたという。そこで、ポロストリコの技術者は『ミウラSV』を完全に分解。アセンブリーブック(組み立て表)のデータなどと突き合わせて各パーツの番号や生産履歴を確認するなど、あらゆるディテールの検証を行った。

さらに、レストアにおいても安易にパーツ交換はせず、あくまでも修理を優先。可能なかぎりオリジナルに近い状態で保全するのがポロストリコのポリシーだからだ。そして13カ月後、トッド氏の『ミウラSV』はレストアを終え、元どおりに復元されたのである。

FIA会長は『ミウラSV』だけではなく、フェラーリの現行車種も全台所有している!?

トッド氏への引き渡しの舞台となったのは、2月6日から10日までパリで開催されたヒストリックカーイベントの「レトロモービル(Rétromobile)」。オーナーは自動車業界の大物だけに、ランボルギーニのステファノ・ドメニカリCEOが自らキーを手わたした。

ところで、フェラーリ本社のCEOまでつとめた人物が、なぜフェラーリではなくランボルギーニのヒストリックカーに乗るのか。念のために言っておくと、彼は創業55周年のスペチアーレである『エンツォ・フェラーリ』をはじめ、フェラーリの現行モデルを全車種所有している。『ミウラSV』は、あくまでもそのコレクションのなかの一台なのだ。

Text by Kenzo Maya
Photo by (C) Automobili Lamborghini S.p.A.
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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