目黒イタリアン「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」「処女牛の炭火焼きステーキ」
- 舌の肥えた肉好きへ 間違いのない名店 -

ミシュランも唾を飲んだ、処女牛という官能

本年度版の『ミシュランガイド』から開始され話題を呼んだ「ビブグルマン」(星はつかないがコストパフォーマンスの高い食事を提供する調査員おすすめのレストラン)。

そこに選ばれた、目黒のイタリアン「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」の「処女牛の炭火焼きステーキ」は、A4ランクの上質なサーロインを、「網の上で焼く」「温かいライトの下で休ませる」を繰り返しながら、焼き色にムラが出ないよう、じっくり約1時間かけて焼き上げた逸品。

表面からでは確認できない中身の焼き加減、焼き上がりのタイミングを見極めるのは、オーナーシェフの井上裕一さんの“指”にかかっている。「この左手の親指と人差し指だけで弾力を確かめて頃合いを見ている」と、井上さんは職人の顔を見せる。 目黒のイタリアン「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」オーナーシェフの井上裕一さん ステーキは単品(5,800円※2名分)で注文することもできるが、焼き上がるまでに時間がかかるため、コース(5,000円※2名~)で注文するのがベター。 「そのときに自分が飲みたいものを仕入れる」とシェフがいう、イタリア産のワインを飲みながら、自家製パン付き前菜盛り合わせ3種類、手打ちパスタ1品をゆっくり味わって、焼き場で焼かれるステーキを待つ。 目黒のイタリアン「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」 このじれったい時間が、期待感を一層高めてくれるのだ。 そして、いよいよメインディッシュの登場。皿に盛り付けられたミディアムレアの桃色の断面からは、脂がにじみ出て艶っぽく、色気すら感じさせる。ナイフを入れるとサクッと切れ、ひと口食べるごとに肉汁がジュワッと広がり、溶けていくよう。 目黒のイタリアン「アンティカ ブラチェリア ベッリターリア」の「処女牛の炭火焼きステーキ」 「もう少しこのまま……」とその儚さを惜しみつつ、食感と旨味に目を閉じる。 その一瞬の出会いは、クライマックスを飾るにふさわしい悦びを与えてくれる。

Text by Issi Akagi