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第34回 | ITが働き方を変える?最新ビジネスハック事情

話題のChromebook。仕事用に使えるか1週間試してみた

最近では家電量販店でも、よく見かけるようになった「Chromebook(クロームブック)」。WindowsやMac OSを搭載したノートPCに比べかなり安価なことから、気になっている人も多いだろう。実際のところ、Chromebookの使い勝手はどうなのか。Chromebookの基礎知識とともに、仕事用として1週間ほど試用してみた感想をレポートしよう。

費用対効果の高さから企業の導入も進む「第三のOS」

そもそもChromebookとは、Googleが提供する「Chrome OS(クローム・オーエス)」を搭載したノートPCの総称だ。最初のChromebookが登場したのは2011年のこと。以来、主に教育市場やデジタルデバイド解消が課題となっている発展途上国を中心に、ユーザー層を広げてきた。

WindowsやMac OSといった先行するメジャーOSを搭載したノートPCに比べ、Chromebookの大きなメリットとなっているのは、なんといっても費用対効果だろう。OSのライセンス料が格段に安いほか、ハードウェアに求められる性能もさほど高くはないため、国内販売されているコンシューマー向けの機種でも、3万円程度で購入できる。アプリにかかる費用もメジャーOSに比べ低いため、導入だけでなく運用コストも低く抑えることが可能だ。

そのため最近は、ビジネスの世界でもChromebookが注目を集めている。東急ハンズやイオンといった大企業が、Windows7のサポートが終了する2020年までに、社内のPCをChromebookへ置き換える方針を打ち出したことは、ニュースでも話題となった。

Webブラウザ内で動くアプリやサービスを使うのが前提

Chromebookの「Chrome」と聞いて、Googleが提供するWebブラウザを思い出す人も多いだろう。実際、Chromebookに搭載されたChrome OSは、ChromeブラウザをセンターとしてGoogleの各種サービスを利用するためのOSである、といっても過言ではない。デスクトップのイメージはWindowパソコンに近い。Chromeブラウザの使い勝手もPC版と同様だ。

Googleアカウントを持っていれば、Chromebookのセットアップは、かなり簡単だ。初期設定時に自分のGoogleアカウントを登録すれば「Gmail」や「Googleカレンダー」など普段利用しているサービスを、ブラウザ経由ですぐに利用できる状態になる。逆に言えば、Chromebookを利用するためにはGoogleアカウントが不可欠となる点には注意が必要だろう。

もちろん「ドキュメント(文書作成)」や「スプレッドシート(表計算)」、「ドライブ(オンラインストレージ)」といった、Googleが提供するビジネス向けのサービスも利用可能。

特に「G Suite」を利用している人なら、WindowsやMac OS搭載機とほぼ同様の感覚で仕事ができるはずだ。ちなみに今回試用したのは、教育市場向けに販売されている約3万円の機種だったが、ブラウザ内で動作するサービスやアプリについては、作業中に大きなストレスを感じることはなかった。

機能は制限されるが「ワード」や「エクセル」も利用可能

仕事で使うPCとして、マイクロソフトの「ワード」や「エクセル」が使えるかどうかは、特に気になるところだろう。この点に関しては、10点満点で「6点」くらいの使い勝手というところだ。

もちろんWindowsやMac OS向けのアプリはインストールできないが、実はChromebookは、Android向けのアプリを「Google Play」からダウンロードして利用することが可能になっている。

つまり、Android用の「ワード」や「エクセル」なら、Chromebookでも利用できるわけだ。PC版に比べ機能は貧弱だが、閲覧やちょっとした編集なら問題ないレベルである。

ちゃんとOneDriveとも連携するので、外出先で簡単な作業をする程度ならChromebookのOffice環境もなかなか実用的だと感じた。

用途を明確にすればビジネスでも十分な活用が可能

外出先で利用するPCという点で言えば、OSを含め全体的に省電力志向になっているため、バッテリーの持ち時間が長いのもChromebookの大きなメリットだ。試用したPCの場合は、最大で約7時間超のバッテリー駆動が可能だったため、外出先で電源を探すことはほとんどなかった。

OSの起動時間もWindowsやMac OSと比べ、体感で倍くらい早い。取り出してからすぐ使える状態になるのも、持ち歩くPCとして大きなメリットといえるだろう。

1週間ほど試用した感想だが、職場で「G Suite」を導入している人なら、Chromebookはビジネス用としてWindowsやMac OSに匹敵するポテンシャルを持つPCだと思えた。「G Suite」を導入していない場合でも、GmailやGoogleカレンダーといったGoogleのサービスを日常的に利用している人なら、持ち歩くPCとして十分魅力的な存在といえる。

一方、「ワード」や「エクセル」のようなOfficeファミリーをフル活用したい人にとっては、あまりオススメできるPCとは言えないかもしれない。外出先では閲覧やちょっとした編集程度、という使い分けを前提とするならよいのだが、特に「パワーポイント」はAndroid向けアプリの機能がかなり制限されているため、Chromebookだけでは編集も厳しい。また、画像加工や動画の編集といった高度な作業にもパワーが足りないほか、適切なアプリが少ないため不向きだ。

とはいえ、WindowsやMac OSを搭載したノートPCに比べ、半額以下の価格で購入できることを考えれば、最初にも述べたようにChromebookの費用対効果はまさに抜群。Webページの閲覧はもちろん、動画の視聴もストレスなくできるのでプライベート向けのPCとしても活躍するだろう。今後、ビジネスシーンでもますます目にする機会が増えるに違いないChromebook。今のうちに体験しておくとよいのではないだろうか。

Text by Toshiro Ishii

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