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第68回 | メルセデス・ベンツの最新車デザイン・性能情報をお届け

メルセデスAMG GT R PRO──男ならサーキットへ行こう

メルセデス・ベンツが究極のハイパフォーマンスを追求するブランドとして設立したメルセデスAMG。そのAMGが自社開発したスーパースポーツが『GT』だ。これまで頂点に君臨していたグレードは『GT R』。ポルシェ911シリーズのトップモデルである『911ターボ』を仮想敵に開発された。そして、その純度をさらに高め、サーキットでのパフォーマンスを引き上げた新たなるフラッグシップが、LAオートショーで耳目を集めた『GT R PRO』である。

パワートレインは『GT R』と同じ。しかしニュルブルクリンクのタイムを6秒も短縮

『GT R PRO』は、『GT R』をベースに、レーシングカーの『GT3』と『GT4』のエッセンスを惜しみなくつぎ込んだスペシャリティカーだ。こう説明すると、最高出力や最高速度、0-100km/h加速などが気になるかもしれないが、これらは『GT-R』と同じである。

搭載されるパワートレインは、4.0L V8ツインターボ。最高出力585ps/6250rpm、最大トルク700Nm/2100-5500rpm、0-100km/h加速は3.6秒、最高速度318km/h。しかし、『GT R PRO』がドイツのニュルブルクリンク北コースで叩き出したタイムは、7分04秒632を記録。これは初期型の『GT R』のタイムより6秒以上も速い。

その理由は、どこにあるのか。『GT R PRO』は四つの分野において、サーキット走行に最適化された進化がなされているのだ。一つはサーキットに合わせて可能なセットアップの調整。二つ目はカーボンファイバーパーツの多用による車体の軽量化。三つ目は空力性能の向上。そして、四つ目がエアロパーツの装着だ。

カーボンファイバーとエアロパーツの多用により向上した『GT R PRO』の走行性能

セットアップの調整では、スプリングのプリロードを機械的に調整するだけでなく、ダイヤルを回すだけでダンパーのコンプレッションとリバウンドの設定を変更可能な「コイルオーバー・サスペンション」を採用した。また、高い精度のレスポンスとフィードバックのために、電子制御のダイナミックエンジンとトランスミッションマウントも再調整されている。

カーボンファイバーの多用では、クリアコーティングされた「カーボンファイバー製AMGバケットシート」によって軽量化が図られた(アメリカ、カナダ、中国以外の販売車)。また、ルーフにもカーボンが採用されている。足回りでは、ブラック仕上げのキャリパーを含むブレーキシステムにもセラミックコンパウンドを搭載。オプションだが、クリアコートのカーボンファイバー製ディフューザーを含めた「カーボンパッケージ」も選択できる。

空力性能の向上では、フロントリップスポイラーを再設計。フロントウイングにはルーバーを設置してホイールアーチからの空気の流れを調整し、フロントアクスルのリフト量を低減した。大型のリヤウインドウは強いダウンフォースを発生させる。

エアロパーツでは、フロント・エプロンやフロント・フェンダーのルーバー、リア・ホイールアーチの横にも装着。エアロダイナミズムの向上はもちろんのこと、エクステリアのフォルムをよりスポーティーに進化させている。フォルムに関しては、ボンネットとサイドに施されたライトグリーンのレーシング・ストライプもレーシーな雰囲気を醸し出す。

ロールバー、4点式シートベルト、消化器。サーキット走行に必要な装備類も万全だ

『GT R PRO』がサーキットを駆けるクルマであることは、「トラックパッケージ」の標準装備からも見てとれる。これは、「ロールオーバー保護システム」「運転席と助手席用の4点式シートベルト」「2kgの容量を持つ消火器」からなる。

また、車体の転倒に備えた鋼鉄製のロールケージは、メインロールバー、ハーネスを取り付けるためのブレース、二つの後部ブレース、X型ブレースによって構成されており、これらは車両剛性をさらに高め、走行性能にもポジティブな影響を与えている。

サーキットでのパフォーマンスにこだわった、メルセデス・ベンツ最強の一台。販売台数など詳しい情報はこれからだが、どうやら限定車となりそうだ。自らステアリングを握り、サーキットを駆けることができる限られたカーガイがうらやましい限りだ。

Text by Tsukasa Sasabayashi
Photo by (C) Daimler AG
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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