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第44回 | エディトゥールPRIME

アプリ派より手帳派が多数。紙の手帳が人気を集める理由

新年を迎えたことで新しい手帳でスケジュール管理をしている人も多いのでは…などと言うと、「いやいや、いまどきのスケジュールはアプリで管理するのが常識」と思うかもしれない。しかし、アナログの手帳には紙ならではの良さがあり、いまだに使い続ける人も多いのだ。事実、昨年11月にマクロミルが実施した手帳に関するアンケート調査をみると、10代の男性を除き、男女ともにアプリ派よりも手帳派のほうが多かったのである。

アンケートでは10代男性を除く全世代の男女で「手帳派」が「アプリ派」を上回る

日本におけるスマートフォンの普及率は、いまや70%を超える。内閣府の消費動向調査によると、世代別の普及率は29歳以下の男性で93.6%、30〜59歳の男性でも83%。29歳以下の女性にいたっては96.7%に達する(単身世帯と二人以上世帯の平均値)。

スマホユーザーひとりあたりの月間平均利用アプリ数は25.56個。そして、利用するアプリのカテゴリで一番多いのは、LINEなどの「コミュニケーション」を抑え、スケジュール管理を含む「ツール」が16%でトップだ(アプリ市場トレンドレポート)。

こうしたデータをみると、現代人の多くはスマホアプリでスケジュール管理をしていると考えるのが普通だろう。ところが、実際には男女ともに紙の手帳のほうが多数派なのだ。とりわけ女性の場合、10〜60代の全世代で手帳派がアプリ派を上回っている。

紙の手帳のメリットは「パッとすぐに見られる」「データが消えてしまう心配がない」

たしかに、近ごろはさまざまな個性をもつ手帳が発売され、「ジブン手帳」「ほぼ日手帳」「高橋手帳」などがヒットしている。品質と格式の高い海外ブランドの手帳やシステム手帳も人気が高い。とはいえ、手帳にはアプリのような通知機能はなく、職場の仲間や友人とスケジュールを共有することもできず、もちろん地図やURLも追加できない。

どう考えてもアプリのほうが便利に思えるが、それなのになぜ、アプリではなく紙の手帳を使うのだろうか。手帳を使う理由の上位にランクインした意見は次のとおりだ。

半数以上の人が挙げたのが「さっとメモが取れる」「手書きすることで記憶に残る」「パッとすぐに見られる」「場所やシーンを選ばずどこでも開きやすい」といった理由。そのほかでは「ずっととっておけるから(データだと消える可能性があるから)」「バッテリー切れの心配がないから」と、電子機器ならではのデメリットを理由に挙げる声もあった。

手帳はスケジュール管理だけでなく「ライフログ」のツールとして人気を集めている

文具各社によれば、手帳の市場規模は横ばいだという。スマホの普及率を思うと、これは驚くべき傾向だ。この手帳人気の背景にあるのは「ライフログ」のニーズである。

近ごろの手帳は、たんにスケジュールを管理するだけではなく、その日に楽しんだ食事や映画、旅行の記録、その際に使った金額などの情報を書き留めるライフログの道具と考えられている。こうした手帳の先駆けとなったのが人気の「ほぼ日手帳」だ。同じく人気の「ジブン手帳」にもそれらの記録や自分の年表をつくることのできる冊子が付属する。

かりにスケジュール管理とライフログを一体化したアプリが登場したとしても(すでに多数あるだろうが)、電子機器である以上は大事な記録が消失するリスクが必ず伴う。そう考えると、アナログ手帳が根強い人気となっているのもわかる気がするのだ。

Text by Kiyoshi Nanamori
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

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