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第7回 | Jeepの最新車デザイン・性能情報をお届け

このピックアップは男に刺さる──Jeepグラディエーター

Jeep『ラングラー』は、1940年代の軍用車両の面影を残す、アメリカを代表する屈強なオフローダー。そして、ピックアップトラックもまた、アメリカで絶大な人気を誇るクルマのカテゴリだ。このふたつを合体させたアメリカらしい明快かつパワフルなモデルが登場した。車名は『グラディエーター』、キャッチコピーは「100%Truck.100%JEEP」である。

噂のピックアップトラックは想像以上の完成度。大注目の新型車『グラディエーター』

アメリカではピックアップトラックの人気が依然高い。なにしろ、年間販売台数ランキングで毎年1位になるのがフォードのピックアップトラック『Fシリーズ』なのだ。そのニーズに応えるように、各メーカーが新型車やセグメントの多様化に力を入れている。

しかし、オフロードの王道をいくブランド、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)のJeepのラインアップにはピックアップが存在しなかった。1960年代に『Jシリーズ』が、1980年代にも『ラングラー』をベースにした『スクランブラー』や『チェロキー』をベースにした『コマンチ』などがあったが、それは数十年前の話だ。

それだけに今回の『グラディエーター』に対する注目度は相当なもの。じつは、Jeepは2005年に『グラディエーター・ピックアップ・コンセプト』というコンセプトモデルを発表しており、以来、ピックアップトラックを開発しているとの噂が絶えなかったのだ。

だが、11月にロサンゼルスで発表された『グラディエーター』の完成度は、多くの人の予想を超えていた。各国のメディアもこぞって絶賛しているくらいなのである。

パワー・積載能力・牽引能力はクラストップレベル。車体も『ハマーH1』より巨大

一見してわかるようにベースは『ラングレー』だ。とはいえ、フレームは専用設計されたもので、全長は5657mmと4ドアの『ラングラー アンリミテッド』より787mm長い。ホイールベースも500mm近く伸長され、3503mmもある。あの『ハマーH1』ですら、全長は4686mm、ホイールベースは3302mmなのだから、このクルマがいかに大きいか想像できるだろう。その巨大なボディは軍用車にも似た迫力がある。

エンジンは、FCAが開発した3.6LのV6ガソリンエンジン「ペンタスター」。最高出力285hp、最大トルク40kgmを発揮し、『ラングレー』の209hp、35.4kgmと比べるとかなり強力だ。トランスミッションは6速MTか8速ATを選ぶことができる。

2020年には3.0LのV6ディーゼルエンジンも追加設定される予定で、こちらの最大出力は260hpとなっている。しかし最大トルクは61.1kgmもあり、同クラスのシボレー『コロラド』が搭載するGM製ディーゼルエンジンと比べても10kgm以上高い。

強力なのは積載能力も同様だ。最大積載量は約725kgと、13年ぶりに復活したトヨタ『ハイラックス』を225kgも上回る。3470kgの牽引能力もクラストップ。アメリカでは休日にキャンピングトレーラーやプレジャーボートをクルマで牽引して家族で出かける文化があり、ピックアップトラックの機能性を判断するときには牽引能力も重視される。

これらの能力の高さを見るかぎり、『グラディエーター』にはピックアップトラックを日常の足として使うアメリカならではの設計思想が生かされているといえるだろう。

『ラングラー』と同様にルーフとドアを取り外し、フロントウィンドウも前に倒せる

面白いのは『ラングラー』と似たルーフの構造だ。標準のソフトトップはリアウインドウが外せるだけだが、ハードトップは運転席・助手席・後部座席の3ピースになっている。つまり『ラングラー』と同様に、ルーフとドアを取り外すことが可能で、フロントウィンドウも前に倒すことができるのだ。フルオープンにした際の開放感をぜひ味わってみたい。

むろん悪路走破性についても、強靭なトランスファーやアクスルを備えた4WDシステムが組み込まれていて、本格オフローダーというべき高い能力をもっている。最低地上高は約280mmで、渡河水深は約760mm。クロスカントリーにおいて重要なスペックとなるアプローチアングル、デパーチャーアングル、ランプブレークオーバーアングルは、それぞれ43.6度、26度、20.3度と、岩場や高い段差も難なく乗り越える。

『ラングラー』には悪路走破性を高めたグレードである「ルビコン」がラインナップされているが、『グラディエーター』にも同様に「ルビコン」設定された。アクスルをワイド化してギアレシオをショートにし、さらに電子制御のデフロックやフォックス製のショックユニット、トレイルカメラまで備えたオフロード色を強くしたバージョンだ。

アメリカ本国では2019年春から販売開始予定。車両価格は550万円程度になる?

このほかにも『グラディエーター』には3タイプのグレードが設定されている。運搬能力の高い実用性重視の「スポーツ」と、そこに洒落っ気のあるアルミホイールなどを装着した「スポーツS」、そしてボディと同色のフェンダーとしLEDヘッドランプやクルーズコントロールなどを備えたラグジュアリー指向の「オーバーランド」だ。「ルビコン」と合わせて4タイプのバリエーションが選べるのはユーザーとして歓迎すべきことだろう。

Jeepのニューモデルが注目される理由は、ブランド力や機能性が高いだけではなく、多くのパーツメーカーから必ず魅力的なカスタムパーツが豊富に出回ることにもある。『グラディエーター』についても、すでに複数のメーカーからワイルド感を格段に上げるチューブドアやストロークの長いサスペンション、大径ホイールとタイヤ、冷却効果を高める吸気系のパーツなどが出ており、この点もクルマ好きの心をくすぐるゆえんだ。

アメリカ本国では2019年春から夏頃に販売開始とアナウンスされているが、日本導入については未定。価格も未発表だ。『ラングラー』の価格をベースに推測すると、ベーシックな「スポーツ」でもアメリカ現地で5万ドル(550万円)程度になると思われる。

これだけインパクトのあるモデルなら日本でも「ほしい!」という好事家が一定数いそうだが、この巨大なボディを考えると都内で乗り回すのは骨が折れるかもしれない。

Text by Koji Okamura
Photo by (C) Fiat Chrysler Automobiles
Edit by Takeshi Sogabe(Seidansha)

動画はこちら
Jeep Gladiator オフィシャル動画

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