メディア個別 注目の書籍レビュー『未来をはじめる』 | editeur エディトゥール

editeur

検索
未来をはじめる
著者
宇野重規
出版社
東京大学出版会
定価
1728円
出版日
2018-09-26
評価(5点 満点中)
総 合
4
明瞭性
4
革新性
4
応用性
4
第24回 | 本の要約サイト『flier』 powered by éditeur

注目の書籍レビュー『未来をはじめる』

人気のビジネス書、話題の書籍に書かれていることとは? 本の要約サイト『flier』から、注目の1冊のレビューをお届けします。

本書は2017年に豊島岡女子学園中学校・高等学校で行われた全5回の講義がもととなっている。ブレグジットや「アメリカ・ファースト」を唱えるトランプ大統領の政権始動、韓国での朴槿恵大統領の罷免や北朝鮮による核実験の継続。こうしたニュースが次々と舞い込み、未来への不安が日本を覆っている時期でもあった。そんな先行き不透明な時代においても、人間にとって欠かせない基本的条件は大きくは変わらないのではないか。そう著者は学生たちに提起する。基本的条件とは「人と一緒にいる」ということである。
中高生を対象にした講義のため、語り口は優しく、親しみやすい。だが、展開される内容は大人にとっても大いに示唆に富むものばかりだ。日本や世界全体の政治・経済の現状を解説しながら、現在の政治制度が抱える問題点に対し、多角的な視点を提供してくれる。
人とのつながり、格差の問題、働き方、選挙制度、民主主義の活かし方。政治の根幹について考え抜いた本書は、政治が扱う範囲がいかに広いのか、そして社会常識を疑う姿勢がいかに大事なのかを読者に教えてくれる。本書を読み終われば、人の行動が社会を変えていくという可能性が、よりリアルなものとして受け止められるにちがいない。
政治という仕組みの根本を知るための絶好の入門書として、あらゆるビジネスパーソンにおすすめしたい一冊だ。

(文・『池田 明季哉』/本の要約サイト『flier』)

この本の著者

宇野 重規(うの しげき)

東京大学社会科学研究所教授。専門は政治思想史、政治哲学。1967年東京都生まれ。1991年東京大学法学部卒業。1996年東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。博士(法学)。著書に、『デモクラシーを生きる――トクヴィルにおける政治の再発見』(創文社、1998年)、『政治哲学へ――現代フランスとの対話』(東京大学出版会、2004年)、『トクヴィル 平等と不平等の理論家』(講談社選書メチエ、2007年)。『〈私〉時代のデモクラシー』(岩波新書、2010年)、『民主主義のつくり方』(筑摩選書、2013年)、『西洋政治思想史』(有斐閣、2013年)、『政治哲学的考察――リベラルとソーシャルの間』(岩波書店、2016年)、『保守主義とは何か――反フランス革命から現代日本まで』(中公新書、2016年)ほか。

flier_banner00
Copyright © 2018 flier Inc. All rights reserved.
『amazon』でチェック!
『未来をはじめる』
宇野重規
東京大学出版会
1728円

editeur

検索